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異世界ぐーたら無双  作者: 空木るが
5章 領主からの招待
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68 武器と戦闘スタイル

 

 私の戦闘技術はすべてゲーム内で身につけたものであり、封罪宮『怠惰』の攻略中、数えるのもバカバカしい魔物との戦闘の中で、いまの肉体へと落とし込んだものだ。


 ゲームにはシステム的に動作をアシストしてくれる『スキル』があったが、戦闘中、常にスキルを発動して戦うわけでもない。

 そもそもスキルはそういうものではないのだ。いわば必殺技と呼ぶべきもの。


 特に近接職は最低限、武器の取り回しや体の使い方を知っている必要があった。

 この点、現実でなんらかの武術なりを修めている人は有利と言える。


 私はといえば、現実での武術経験なんてない。

 というか、ない人のほうが多数派だろう。


 だからゲーム内には、簡単な基礎から、その気なら徹底的に武術を教えてもらえる道場があって、私も当初はお世話になったものだ。


 最初はどの武器を使えばいいか決めかねて、ひととおりの道場に行って基礎だけ教わり、その中でも剣術が一番性に合っていたから、あとは独学で修めた。

 自分のやりやすいように、ほかのプレイヤーの戦い方を参考にしたりして。


 だから剣以外は基礎程度だし、剣術にしてもほとんど我流、自己流だ。

 なので、人に教えるなんて本来ならおこがましいかぎりなのだけど……まぁ、リューリたちがそれでもいいというのだから、いいか。


 私がそうだったように、簡単な基礎を教えて、あとは模擬戦や実戦メインでやっていけば、彼女たちも自分なりの型や戦法を作っていくだろう。


 戦闘技術もそうだが、基本的な体づくりも必要だ。

 リューリ、ヤエ、アルマはまだ十一歳。人間よりもとのスペックが高い獣人とはいえ、まだまだ体はできていない。


 存在位階は肉体のスペックや運動能力を上げるが、いきなり魔物となんて戦わせられないし、実戦に関しても、ゼストから一定水準の戦闘技術を身につけてからと言われている。


 それに、存在位階という概念があっても、通常の肉体鍛錬に意味がないというわけでもないようなので、体づくりからじっくりやっていったほうがいいだろう。


 走り込みや筋トレはもとより、パルクールとかいいかもしれないな。なにせここは森の中。障害物には事欠かない。


(と言いたいところだけど、やっぱり魔物の存在がネックなんだよなぁ……あ、そうだ。村の一角にアスレチックみたいなパルクールコースを作れば、ほかのみんなも使えていいかも)


 いままでは狩猟や採集班のみしか鍛えてなかったみたいだけど、環境があるのなら鍛えておくに越したことはないはずだ。


 レイニスに頼めば、樹精や地精の力で、簡単な構造のものなら作れるだろう。

 どんなものがいいかは、ネットでいろいろと調べてみることにする。


 そして、戦闘技術を習得するうえで肝要となる、彼女たちが使う武器や戦闘スタイルだが、各々に聞いてみたところ……


「剣!」


 リューリは即答、一択だった。


 どうも母リトリアが剣士だったらしく、憧れていたのだとか。

 ゼストに隠れて、いつも棒切れを振り回していたらしい。


 ヤエとアルマに関しては、明確なものはないようだ。


 まぁ、いろいろ試してみて決めるでも遅くはないからね。

 私もそうだったわけだし。


 ただ、ヤエはその腕に生えた羽根もあって身軽さが売り。

 短剣とかでヒットアンドアウェイのスタイルが合っていると思われる。


 アルマは控えめな性格で、あまり前に出る性分ではない。

 本人としても、前衛には消極的な様子。


 だが、彼女は手先が器用だった。試しに弓を借りて撃たせてみたら、初めてなのにちゃんと的に当ててみせた。

 決してまぐれなどではなく、二射目、三射目も的へ命中させていたので、弓術士でいくのがいいだろう。


 エルフのレイニスは、言うまでもなく術士だ。

 これまでも道案内や村作りと大活躍だった彼女だが、精霊にお願いさえすれば攻撃や防御もできるという。いわゆる、精霊術というやつだ。


「あの、トアさん。できれば、ボクにも近接の戦い方を教えてもらえるとありがたいです。どうもボクには、そういった護身の知識や技術がないようなので」


 たしかに、いままでの活躍で見た感じ、精霊の力を攻撃に転用すれば、かなり強力なものとなるだろう。

 創作なんかでも大概、強いしね。


 魔法使い系もそうだが、城壁やなんかで守られたうえで固定砲台となるならまだしも、冒険者のパーティでやっていくというなら、敵が前衛を突破してきた場合への対処のすべは持っているべきだ。でなければ、接近即死につながる。


 もちろん敵を近接で倒したりできるレベルまでもっていくことは、術士としての修練もあるため難しいだろうが、回避して立て直すくらいの護身のすべは、術士でも最低限、身につけておかなければ話にならない。


「了解。でも、術のほうは何も教えられなくてごめんね」

「いえ。そっちは自分でなんとかするので大丈夫ですよ」


 基本的な技術をまず習得したら、あとはひたすら個人鍛錬、模擬戦、そしてゼストの合格をもらえれば、ひたすら実戦だ。まぁ、それはまだまだ先の話だけど。


 それに、いざ実戦が可能となるレベルまで成長できたとしても、私のフォローだけでは心許ない。私がいても、大怪我をしない保証はないのだ。


 だから、その前に〈治癒ポーション〉の入手は必須だろう。

 親御さんたちから大事な娘さん方を預かっている手前、せめて怪我をしてもちゃんと治せるすべは絶対にほしい。


 私はダンジョンのドロップで入手していたが、町でも売っているという話だ。

 となると、やはり一度、町に行くべきなのだろう。……面倒だけれど。すごく面倒だけれど。



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