エア宅にて
「つーかーれーたーよーぉ」
「おつかれさま…凄かったね色々…」
アイギスからエアに戻って、アオに労われているところだ。
気疲れがひどい。
雅もそれを分かって無理させずにさっさとエアを送ってきてくれたのだが、相変わらずのアニマルズの歓待にはタジタジになっていた。
(おにィちゃん!)
(ひさしブりだー!)
(あそブ?あソぼ!)
(スヤー…)
「ちょっ…言ってることは分からないが、いつもより歓迎が酷くないか?」
「…うん、すごい構ってちゃんだよ…」
回想おわり。
雅はエアを送って早々に辞したので、今は後から戻ってきたアオと話している。
「はいはい、2人ともおかえりなさいねぇ」
エアの母親はのんびりとした調子で2人の前に紅茶を出していく。
特に娘が魔王の妃になろうが気にしていなさそうだ。
「クッキーもあるからゆっくりしなさいな」
コトン、と皿を置くとポメラニアンのポメちゃんを膝に乗せてテーブルから顔が見えるようにする。
「それでエアちゃん、今は声は聞こえるの?」
「ううん、今は…たぶん魔族化してるときだけなのかも」
「そうなんだ」
ふむ、と首を傾げながらエア母は相槌を打つ。
ちなみにアニマルズの名前は全てエア母がつけており、
ポメラニアンのポメちゃん
ノルウェージャンフォレストキャットのノルちゃん
フレミッシュジャイアントのうさちゃん
ジャンガリアンハムスターのハムちゃん
である。
エアはもう反対する気力もなかった。
今はノルちゃんがエアに抱かれ、アオがうさちゃんを撫でている。
ハムちゃんは基本大体寝てる。
「ノルちゃんおっきくなったよね…もう大分重たいよ」
よいしょ、と抱き直しながら話しかけるが今はニャーとしか聞こえない。
「…やっぱり聞こえないのも寂しいな」
「1回分かっちゃうとそうかもね」とアオも相槌を打つ。
「あーぁ、人間のまま動物の声も聞こえないかなぁ」
「そう上手くいったら世の中逆に怖いって」
「そだね…」
あはは、と空笑いをしながらダラダラ動物たちに癒される。
やっぱりアニマルセラピーは偉大だ。
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