第二十一話 ー フランス
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フランス ―
スイスのバーゼルからヒッチハイクでフランスに向かう。拾ってくれた車はフランスのアルザス地方にあるコルマールまで行くとのこと。
午前中にコルマールに到着し、午後はこの街の散策に費やすが、小さな街なので、端から端まで歩いてもそんなに時間を要さない。街の中心部に運河が走っており、近年、この運河を船で遊覧できるそうだ。
コルマール
コルマールではユースホステルに一泊。早朝、コルマールの郊外に出て、ヒッチハイクを試みる。親指を立てて車を待つこと、2時間。その間、目の前を通過するのは農家用の車を思わせるシトロエン2CV。又、シトロエンDSが時々通過する。この車はエンジンを掛けると車高が上がるという代物だ。富裕層が多く所有しているが、車には家族と思われる人たちが乗っている。小さな子供たちは路傍に長髪と髭面の「かかし」が立っていると見まがい、遠のく私を窓ガラスに顔を押し付けながらじっと見詰める。
時折りこの土地のトラクターが目の前を通り過ぎ、3時間、4時間と経つ。5時間目に至って、バーゼルのユースホステルで話した「フランスはヒッチハイクが難しい」という言葉が現実味を帯びて来る。6時間目にして、足と言うよりも親指のしびれを感じ始め街の中心部に引き返してパリへ直行する列車の切符を買い求めた。




