第十二話 ー アフガニスタン(2)
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アフガニスタン(2) ―
カブールからバミアン(バーミヤン)まで237kmだが、山間なのでローカルバスで10時間前後を要する。このバミアンは1世紀から6世紀まで仏教の中心地として栄えた。常時数千人が住みつき各地からの巡礼者が絶えなかった。7世紀には玄奘がこの地を訪れ、その時の記録が「大唐西域記」に書き残されている。
当地に到着の翌日、絶壁に彫られた2つの巨大な立仏像を少し離れたところから見ていると一頭の黒い牛を連れた10歳前後の少女が近づいてきた。頭を覆う布をしているが、ヒジャブ(ヒジャーブ)と言うものか。
「写真を取ってもいい?」と尋ねる。
「オッケー」と、一つ返事。
数回シャッターを切る。
「ありがとう」
このあどけない少女は手の平を差し出す。ちゃっかりしているなと思って笑みを浮かべ、一枚の紙幣を渡す。するとその紙幣に目が釘付けになって、一目散に牛を引っ張って駆け去った。百円札をあげたような私の感覚だが、ここでは4、5日は暮らせる大金らしい。
黒い牛飼いの少女 (1976年、撮影)
左端に有名な石窟仏が見えるが、この娘も今や55歳から60歳であろう。戦禍に巻き込まれることなく幸せな生活を送っていることを切に望む。
胃腸の調子がまだ悪いこともあって、多くの遺跡を巡るとまではいかなかったが、バミアンで二晩過ごしてカブールに戻る。数日後には、直行バスでイランの首都テヘランを経由し、トルコのイスタンブールまでの長旅をする。バス料金は記憶が定かではないが、片道13.5ドルか16ドルだったと思う。1ドル300円計算で4000円から5000円という値段。又、ここカブールの街の雰囲気といい、気候といい、健康を回復するのに最適な環境であった。
* 「玄奘」と言えば、孫悟空。ご興味あらば、1960年に公開されたアニメ映画(東映)の「西遊記」の予告編をYouTubeで見ることができる。技術的にディズニーに劣らぬ出来栄え。視聴時間は7分ちょっと。以下、コピーし、URLに貼り付け ー リンク先はYouTube。
https://www.youtube.com/watch?v=7c5LEgQQW8E




