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異世界に行けるからといって、その異世界が日本語が通じる...そもそもそこの住人が必ず人間のような風貌をしているとは限りません。

作者: 黒豆100%パン


「ここは...どこだ?」



俺は目を冷ますと見知らぬ場所にいた。見たことのない風景が辺りに広がっている。

俺の名前はなんだ。そうだタケルだ。よし、自分の名前はちゃんと分かる。だがこの場所は知らない。空は紫でヘンテコな木が生えている謎に場所は一体どこなのか。



「俺は確か..」



頭が痛いが今までのことを思い出してみる。確か、信号を渡ろうとした時にトラックが突然来て...それで...それで...。



「死んだのか?俺は」



死んだという言葉を口にする。俺が飛び出した時にはもうトラックが迫っていておそらく助からなかっただろう。ということはここは天国か?それにしても雲の上にあるという様子もなく普通の場所だ。



「トラックにはねられて見知らぬ場所...いやまさかね」



俺は一つの仮説を立てたが首を振った。いやまさか、そんな事が..だが、目の前の見知らぬ場所に死んだはずの俺はこのようにピンピンしている。その可能性は大いにある。小説家になろうではおなじみ、「異世界転生」というやつだ。



「ん?なんだ!?ありゃ!」



次に目に飛び込んできたのは緑色の人型の何かだった。それは歩いて、触覚を生やしている。明らかに人間とは異なる風貌のその何かをじっと見ていると、向こうもこちらに気づいたようで興味津々に近づいてきた。



「△○〆£?」



「は?」



「⁂£§∈∂∈??」



「えっ?」



そいつの言っている事は全く持って分からなかった。明らかに日本語や英語といったものではない。未知なる言語なのだ。異世界転生をしたというのに全く何を言ってるかが分からない。これでは異世界スローライフという奴が送れないではないか。



「異世界って人間と同じのがいて、ちゃんと日本語が通じるんじゃねーのか??

なんでこんな事になってるんだよ...」



「ー*√◉∃◉∈£」



「ほんと何言ってるか分からねえな...」



その緑のそいつをじっと見る。人型ではあるが、なんだか不思議な生き物だ。はあ、せっかく異世界に来れたというのに、なんでこんなわけのわからない所なのだろうか?異世界転生といえばだいたいは魔法使うファンタジーやら中世とかだろう。ハズレをひいてしまったみたいだ。



「あの...」



「√£﹆〻∬」



「やっぱり通じないか...」



向こうにもこちらの言葉が通じていないようで、首を傾げている。どうしよう...これは異世界転生ではないのでは?

そう考えるが、その考えをすぐに却下し首を振りながら「いやいやいや!」とつぶやいた。



「いや、そんな事はないはずだ!!こんな非現実的な事が起こって、どう説明する??」



「〻∬〜!!⁂Å!」



「うーん、どうにかして意思疎通する方法はないものか...ハロー?ハロー?ワッツアップ??」



使えそうな英語を言ってみるがダメだった。これが使える英語の限界というのも恥ずかしいものだ。



「⁂ʼn∈¢!」



「どうしたものか...これじゃあスローライフとか言う問題じゃねえな...」



言葉がわからなきゃ無双もドヤ顔も、ましてやハーレムなんぞもってのほかだ。人外とハーレムするような趣味はあいにく持っていない。



「くそ....どうするか..」



「¢‰〻♯≒!」



別の緑の生物3、4人がこちらを見ながらそう言い近づいてくる。その中の1人が俺の手をつかんでどこかに連れて行こうとする言葉は何を言っているかわからないが、体の中の俺が危険信号を発信しているのはわかる。おそらく捕まったらやばい奴だろう。俺はその手を振り払って走り出した。



「もう..!なんなんだよ!!」



そう文句を垂れながら走る。実験にでもされるのか...もしかしたら体を改造されるかもしれない!いや、拷問かも!!そう思うと怖くなって逃げなければという気持ちが増して行く。



「なんで...なんで異世界転生がこんなことになるんだよ!!!」



弱音をはきながら、俺は走る足を止めなかった。







「≒♯§⊃∽」



「√∃≠﹅♭!」



緑の触覚を生やしたそのロポロン星人は仲間にそう言った。そのもう1人のロポロン星人は何かを話し合っていた。おそらくこのような事を話しているのだろう...。



「あの時、あの鉄の動いているやつにぶつかりそうになった人間を、ついたすけてしまった」



「ああ、そのまんま連れてきたがどうするんだ?」



タケルがトラックにぶつかりそうになった時、偶々上にいたUFOのような乗り物から光が出てきて、タケルは、そこに吸い込まれた。その光は先ほど話していた緑の宇宙人、ロポロン星人の1人が先ほど言ったようにトラックにぶつかりそうになったタケルを助けたのだ。

これはUFOのような乗り物の下にいるものを光で乗り物に乗せるという、ありがちなものだ。

それでどうしようと考えた結果、このロポロン星に連れて行くことになったのだ。



「やっぱり人間という奴の言ってることはさっぱり分からなかったな」



「ああ。で、その人間は今どこに?」



「今も逃げているらしい。せっかく人間とかいう不思議な生物と、仲良くなろうと思って色々やっているというのに...」



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