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作戦会議①

「さてみんな、それぞれ予定があったのに集まってくれてありがとう」


そう言ってまず栞が席を立って話し始めた。


「今ライフが主になって進めていたプロジェクトはグラニエ城祭の舞踏会なんだけど、昨日ファンが突然ひらめいた~って言って事務所に飛び込んできてね。急遽リリーママと計画の変更をするためにディオレス・ルイで緊急会議を開いている所よ」


「それなのよ、それなら私はあっちに行った方がいいんじゃないかしら」


「いいえ、テマソン先生はテリーと一緒に先に探してもらわないと、今回のグラニエ城祭のもう一つの目玉企画にとりかかれないのよ」


「え?益々わからないわ?」


「とにかく、グラニエ城祭のプロジェクトが二つのチームに別れて進行することになったのよ。まだグラニエ城祭まで二ケ月あるわ。それまでに計画を進行させないといけないの。テリーの探している部屋は早く見つけないと、修繕に時間がかるかもしれないから。みんな気合を入れて捜索の手がかりを見つけてほしいのよ」


「しかし・・・あっちはあっちに任せるとして我々はいったい何を探そうとしているんだ?わしたちはいいとしても、エンリーくんやフレッドくんたちは忙しいんじゃないのかい、彼らまで招集してでもしないといけないことなのか?」


栞の発言に意見を言ったのは栄治だった。


「そうよパパ、これは壮大なプロジェクトなのよ、テレーズさんとヴィクトリアおばあ様の長年の探し物なのよ」


「ちょっと待って母さん、ヴィクトリアひいおばあ様の探し物ってどういうこと?」


「そうね」


「これは偶然なのか必然なのか分からないけれど、前前から計画していたこととテリーあなたが突き止めようとしている場所が合致するのよ、あなたの見た夢の場所は多分実在するわ、だけど、地下に伸びる秘密の塔はどこにあるのかわからないのよ。わかっていることはただ一つ、今年を逃すとまた10年待たないと扉は開けないっていうことよ。これはヴィクトリアおばあ様の長年の夢でもあるの、だから、ファミリーの天才たちを集結させたのよ」


「栞ちゃん、ママンの夢ってどういうこと?」


テマソンにはまだ理解ができていないようだった。


「この城には宝物庫が存在するって言われているらしいの。でもそこを開けることができるのはこの城の城主のみ。でもヴィクトリアおばあ様はその方法を教えられていないらしいの。おばあ様はどうしてもその宝物庫で探したいものがあるのですって。リリーママと密かに調べていたんだけど、ちょうどテリーが夢を見たって言ってきたからテリーに任せることにしたんだけど、とにかく資料がどこに記されているのかわからなさ過ぎて、お手上げ状態なのよ。テリーとチャーリー大叔母様のお二人でここに集めてくれたんだけど、量が量でしょ。以前みんな瞬読が得意だって聞いたことがあったから呼んだのよ。あっパパはおまけよ」


「そうだと思ったよ、すまんな役立たずで」


栄治は頭をかいて苦笑いをした。


「いやいや栄治も何か役にたつさ」

「ジャンニ、慰めありがとう。あっだけど一ついいか?」


そう言った栄治は不意にテマソンの方を見て言った。


「テマソン、日本では昔は男子が生まれると跡取り息子と言われて一族で喜ばれたもんだ。ママンのお父様が健在の頃に君が誕生していたとしたら、ママンのお父様は女である娘のママンよりもレヴァント家の待望の男子である君にその場所や行き方を教えたってことはないのかい?」


「さすがパパ、そうよテマソン先生?どう、子どもの頃の事思い出せませんか?」


「そうね・・・実をいうと、私、子どもの頃のこの城でのことはほとんど記憶にないのよね」


テマソンは思い出そうとしている様子だったが本当に記憶がなさそうだった。


「そう・・・何か思い出したら教えてください」


栞はそれ以上は追求しなかった。


「テリー、じゃあここからはあなたが説明して」


そういうと栞は席に座り、代わりにテリーが立ち上がった。




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