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図書室に集まったメンバー

テリーは夕食の後から図書室でチャーリーと二人で図書室にある歴代の当主の残した日記をテーブルの上に積み上げていった。


さらによく日の早朝から図書室以外にも地下にある書庫にも歴代の当主の日誌が保管されているらしいと聞きつけ、大量に保管されている古い書物をも捜しまわった。


その結果、大量の日誌の束を発掘し、全て図書室の大きな丸いテーブルの上に積み上げた。


「まあ・・・予想はしていたけどすごい量ね」


その量はざっと100冊はゆうに超えていた。そのどれもかなりの分厚さだった。


「すごい量だね。どの人もまめに書いていたんだね」


「そうね、この一冊を読むだけでもかなり時間がかかりそうね。手書きでかなり読みづらい字の方もいるようだし」


二人はその山のような日誌を茫然と見つめていた。


「一つ一つ地道に探していくしかないんじゃないか」


テリーはその声に驚いて振り向いた。そこに立っていたのはエンリーだった。


「父さん、どうしてここにいるんですか?」

「栞から連絡が来たんだよ」

「母さんから?」


「お前とチャーリー大叔母様が何か探し物を始めたみたいだから、家でゴロゴロしてるんだったら手伝ってあげてってね」


「どうして母さんが知ってるんだろう?昨日だって忙しそうにしていたのに」


「お前の母親だぞ、お前が何を企んでいるかなんてお見通しみたいだぞ、優秀な助っ人も昨日の段階で呼び寄せてるしね」


「えっ?」


テリーは図書室の外にいるメンバーをみて驚いた。


そこにいたのは、エンリー父さん以外にはビルお爺ちゃん(ライフ叔父さんのお父さん)、栄治お爺ちゃん(栞母さんのお父さん)、ジャンニお爺ちゃん(エンリー父さんのお父さん)、それにテマおじさんとシャリーおばあちゃんまでもがいた。


「えええ~皆さんどうして?テマおじさんもシャリーおばあちゃんも今ディオレス・ルイ社の新作コレクションや碧ちゃんの新作の制作で忙しいんじゃないんですか?」


「忙しいといえば忙しいんだけど、会社の方はライフに任せているし、本の方はほら、いつものことで碧華のひらめき待ちなのよ、昨日突然リリーとファンが変なことを提案してきちゃってね、ライフがノリノリで今計画し始めたみたいなのよ」


「ファンが?」


「ええ、コスプレがどうとか言っていたわね。私達はとりあえず栞ちゃんから連絡がきたからこっちに来ることにしたのよ」


テマソンが説明するとシャリーも大きく頷いていた。


「碧ちゃんが悔しがってたわよ。探し物した~いって、ねえ、探し物ってなあに?ライフくんの方よりこっちの方が面白そうだったからこっちに来たんだけど、碧ちゃんに進行状況逐一報告してっていわれているのよ」


シャリーがそういうと、積み上げらている本や資料の山に近づきパラパラと一番上の本を手にするとめくりながら言った。


「母さん、それはきっとすごい貴重な文化的価値のある資料だと思いますから、丁重に扱った方がいいと思いますよ」


七人が図書室に入った後に入ってきたのはフレッド伯父さんだった。彼はエンリー父さんの実の兄で現在、レシャント社の社長を務めていた。


世界中を周っているすごく忙しい人のはずだ。どうしてここにいるんだ?ただの週末なのに・・・そうテリーが驚いた顔をして固まっているとエンリーが代わりにフレッドに話かけていた。


「兄さん、どうしたんですか?グラニエ城祭はまだまだ先ですよ」


「可愛い甥っ子の手伝いができるとあっちゃあ来ないわけには行かないだろ」

「仕事は大丈夫なんですか?」


「そういうお前はどうなんだ。お前だって俺と同様社長業をしてるじゃないか」

「僕は週末はなるべく仕事を持ち込まない主義なんですよ」


「奇遇だな、俺もだ。働き方改革ってやつだな。週末は家族サービスにあてているんだが、昨日は、アルとルルーシュがディオレス・ルイに行ったみたいなんだが、昨日の夜、栞ちゃんから連絡がきてフェルがここに来たがったから俺が同行してきたってわけだ」


フレッド伯父さんの奥さんはルルーシュと言って、伝説の仮装舞踏会で出会った運命の人だと聞いたことがある。


スピード結婚をして僕より一つ年上の15歳になる双子の兄妹の子どもが二人いるのだ。それが兄のアルべルトこと通称アルと妹のフェルメーナこと通称フェルだ。この二人とも同じ学校に通っているが双子で二人ともすごい人気者だった。


「えっ?わけがわからないんだけど・・・いったい何のさわぎなんですか?」


「さあ・・・俺達は栞ちゃんから、テリーがグラニエ城で何か探し物をしているみたいだってきいたフェルにこっちに行きたいっていうもんだからつれてきただけで、俺はただの付き添いだ。栞ちゃんに連絡したら、父さんや母さんもくるみたいだって聞いたのでね、何かあるのかと興味もわいたしね」


「そうなんですか、実は僕の方も何がなんだか・・・テリー説明してくれないか?」


エンリー父さんがそう息子である僕の方をみて言ってきたのだが、僕自身もこの状況をうまくつかめていなかった。


(なんだよ、どうなってるんだよ。僕はただ、部屋を探したかっただけなんだけどな・・・すごい大事になってきている気がする)


動揺して返答に困っていると、ティ―セットを運んできた栞とその後ろにお菓子が山盛りになっているお盆を持ったフェルがいた。


「テリー久しぶりね。学校では校舎が違うから全然会わないけど、あなたの秀才ぶりは耳に入ってるよ。この間の校内テスト満点とったんだって。先生たちがさわいでたよ」


「大げさなんだよ、僕がとったのは数学だけだよ。それをいうなら、アルやフェル達だってそうだろ。双子の天才って僕の学年でも有名だよ」


「そうかそうか、わしの孫たちはみんな優秀ってことだな。さすがわしの遺伝子を受け継いでおるな」


そう言ったのはジャンニだった。


「まあ!ジャンニ、私の遺伝子だってすごいんだから」


プーッと膨れているシャリーをなだめるようにフレッドが言った。


「はいはい、母さんも父さんも感謝してますよ」



それから全員が図書室にはいり、椅子も追加し総勢11人が中央に集まり椅子に座った。

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