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ファミリーの絆②

ゆっくりと開いたその扉の前に立っていたのはエンリーとフレッドの二人だった。


「パパ!」


フェルはフレッドの姿を見て駆け寄った。


「無事か?」

「うん、大丈夫だよ」

「二人ともありがとうね。おかげで今夜はベッドで寝れそうね」


碧華は二人に近づくと二人の肩に手を置いてお礼を言った。


「二人ともありがとう。助かったわ。だけど、二人は会社に戻ったんじゃなかったの?」


「僕は霊感とか神の声などは聞こえないと思っていたんですけど、不思議なんですが。マティリア様の声を聞いたんですよ」


碧華の質問にエンリーが答えた


「えっ?お前もか?」


驚いたのはフレッドだった。


「なあに?二人ともマティリア様の声を聞いたの?なんて言っていたの?」


「ただ、そなたの宝物が危険にひんしている。引き返せっていっていた気がしたんですけど」


「俺も同じだ」


「ねえ、パパにとって私は宝物なの?」


フェルがフレッドを見上げながら聞き返すとフレッドはフェルの頭を撫でながら


「当たり前だろ」


というフレッドの言葉にフェルも嬉しそうだった。


「でも父さんたち、この場所どうしてわかったの?城の見取り図も日誌も僕たちが持っていたのに」


「本気になったら場所の特定なんか朝飯前だぞって言いたい所だけどな・・・」


フレッドがそう言った後エンリーが付け加えた。


「この場所の行き方はファンに聞いたんだよ。それに犯人が自主をしてきたらしい。結局ここの扉の鍵はリリーおばあちゃんがここまで持ってきてくれたんだよ」


エンリーが後ろを指さしながらいうと、扉の外にいるのが二人だけではないことに気が付いた。そのすぐ後でかけつけたファミリーが一斉に懐中電灯のライトを付けた。


そこにいたのはビルと栄治、ジャンニとシャリーそれに、ヴィクトリアとリリーとチャーリーもいた。


「ママンまでこんな所まで歩いて来たの?足は大丈夫なの?途中足場の悪い所あったでしょ」


「ええ大丈夫だったわ。この為に足を鍛えていたんだもの」

「えっ?足を怪我していたんじゃなかったの?」

「実は治っていたの」


テマソンは大きなため息をつくとヴィクトリアに近づき抱きしめた。


「ママン、私ね、どうしてこの場所を忘れていたのかわからないけど、思い出したわ。ここには大切なものを残していたわ。さあママン、一緒に入りましょう。先に女である碧華も入っているからマティリア様もママンが入ってもお怒りにはならないわよ。ママンはこの城の城主なんだから堂々と入っていいと思うわ」


「そうよね」


笑顔になったヴィクトリアと共にテマソンはゆっくりとした足取りで再びリリ―と三人で宝物庫の中に入って行き、碧華はチャーリーと腕を組んで再び宝物庫へと入って行った。


その後、心配している優たちが待つ地上へと戻って行った。全員が勢ぞろいした中央ホールの前で、マシュー・サルジュが息子と共にテマソンや碧華、テリーとフェルに向かって土下座をして謝罪をした。


しかしテマソンは笑顔で立つように促すと言った。


「あら、どうしたの?サルジュ、私達はあなた方に土下座なんかされる覚えはないわよ」


「そうよ、私達は宝物庫を探検していただけなんだもの」


「いいえ、いいえ、この馬鹿息子がこんなおろかな行為を起こした原因は私にあります。もっと厳しくしつけるべきでした。息子に託すべきではありませんでした。このたびは誠に怖い思いと怪我をさせてしまって、本当に申し訳ありません。処分は覚悟いたしております。警察にはこれから向かいます」


「あら、処分なんて何もないわよねテマソン、その頬の傷だって暗闇で壁にぶつけて切っただけだものね」


碧華の言葉にテマソンも大きく頷いた。


「そうよ、あなたは関係ないわ。ロン・サルジュ。あなたのおかげで私は大切な記憶を取り戻すことができたわ。それにレイモンドが隠したテレーズママに送ったプレゼントも返すことができたし、こんな傷たいしたことはないわ」


テマソンの言葉にロン・サルジュもマシュー・サルジュも涙を流しながらもう一度頭をさげた。

その時、リリーがそっとフェルに近づきたずねた。


「フェルはどう?大丈夫?あなたは巻き込まれただけだけど、怖い思いをさせてしまったわ」


リリーがそういうとフェルは首を振った。


「いいえおばさま、私ちっとも怖くなかったわ。それより凄い探検ができたんだもの。楽しかったわ」


「でもね・・テマソンが付いていながらあなたも一緒にあんな所に長い時間でられなくなってしまったものね。本当にごめんなさいね」


「リリーおば様、娘が怖くなかったと言っているのなら何も問題はありませんよ」


そういうと、フレッドのとなりにいたルルーシュも同じ意見のようだった。そしてエンリーと栞も同様な様子だった。


「父さん、母さん、僕決めたよ」


テリーは鞄にはいっていた日誌をチャーリーに返しながらエンリーと栞の方向に振り返り言った。


「僕、これからもっともっと勉強して、もし、将来ファンがこの城の城主になったら、ファンと一緒にこの城を未来に残せるように頑張って勉強して、立派な大人になれるように頑張るよ」


その言葉を聞いたファンがテリーに近づくと言った。


「僕はこの城の城主にはならないよ。僕は大人になったら世界中を飛び回るデザイナーになるつもりだから、この城の城主はテリーにまかせるよ」


「よく言ったなファン、さすが俺の息子だな。だが、先に世界一のデザイナーになるのはパパだからな」


「違うよ!絶対僕だよ!」


ライフとファンの言い合いが始まった。それと同時に周りから笑いが巻き起こった。


「さあ、跡継ぎも決まったことだし、今日はお祝いをしましょう。これからグラニエ城祭の準備で忙しくなるわよ。今夜は前祝といきましょうよ」


リリーが全員に向かって言った。

全員から拍手があがった。


その後、マシュー・サルジュが息子を連れて城から去ろうとした時、後から追いかけてくる人物がいた。


碧華とテマソンだった。


「サルジュ、あなた方にお願いがあるのよ」

「何でございましょうか?」


「実はね、今度のグラニエ城祭でレヴァント家の家系図をさかのぼれる限りさかのぼって書こうって話になってるの。だからマシュー・サルジュ、あなたも手伝ってくれないかしら」


「わたくしがですか?」


「だって、この城のこと一番詳しいのは今生きている中ではあなたでしょ」


そう言ったのは碧華だった。


「しかし・・・」


「それにねロン、あなたには宝物庫の修繕総監督を務めて欲しいのよ。私思ったのよ、あそこは10年に一度ぐらい光や人々の声を入れてあげる方がいいんじゃないかってね。だからグラニエ城祭で一般の人達にも披露したらいいんじゃないかって思うのよ。マティリア様もその方がお喜びになるんじゃないかしら。あなたはずっと地下通路の事を調べていたんでしょ。いろいろな仕掛けとか知っていたら教えてほしいの。危険な箇所もね。どうせ開放するなら安全に多くの人に楽しんでもらいたいじゃない」


「あっありがとうございます。誠心誠意努めさせていただきます」


マシューとロンは何度も二人に頭をさげた。








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