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ファミリーの絆①

その頃、宝物庫の中にいる四人はというと、ぼんやりとした光の宝物庫の中をのんきにまだ探索していた。


「ねえテマおじさま、私、宝物庫って金銀財宝のお宝の山かと思ってました」


フェルがテマソンに向かって言った。


「私も・・・この城古いから昔のお宝がザクザクでてくるんじゃないかと思っていたわ」


碧華も目の前に並べられている置物や絵画を見ながら言った。


「あなたたち映画の見過ぎなんじゃないの。ここは田舎のふつうの領主の城よ、そんな宝石なんかでてくるわけないじゃない」


テマソンはそう反論するとテリーが言った。


「でもここにあるもの全てすごい歴史的価値があると思いますよ。とくにレヴァント家にとって、だってここにあるのって多分だけど、愛情がこもった誰かからのプレゼントですよね。家族の似顔絵や、粘土で作ったみたいな銅像とか、手編みのかごとか、きっとこれらは領主さんたちにとっては宝石よりも大切な宝だったんじゃないかな」


「素敵ね、自分がこの世を去った後の時代にも自分が愛され、愛した証しを残すなんて」

「そうね」


四人はひとしきり宝物庫を堪能した後、また入り口に戻ってきた。そして床に座り込むと、碧華から飴玉を一つずつもらい舐めた。


「あれこれ水みたいに何も味がしないんだね」

「そうよ、物足りないかも知れないけど、体にはいいのよ」

「うん、のどが渇いていたけど舐めている間に咽喉が潤ってきてる感じがする」

「さて・・・上じゃあそろそろさわぎになっている頃よね」


テマソンが腕時計の時間を確認しながら言った。


「そうね、案外もうそこまで助けに来てくれているのかもしれないわよ」


碧華がそういいながら中央に置かれているマティリア像をぐるりと囲むように天井から設置されているまるで滑り台のような物を見上げた。


〝バーン!”


突然、天井を覆っていた板のようなものが落ちてきた。驚いて見上げると、天井に四角い穴のようなものが開いたかと思うとそこから何かが滑り落ちてきた。


「うわ~!」

「きゃ~」


二人の悲鳴が聞こえたかと思うと天井から滑り落ちてきたのは泥だらけになっているライフと栞だった。


二人の後からまだ何人かが滑り落ちてくるようだった。驚いて固まっている四人の目の前に滑り落ちてきたライフが四人をみて近づいてきた。


「やれやれ、やっと着いたよ。まったくひどい目にあったよ。叔父さん、碧ちゃん、あまり無茶させないでくれるかな」


「あら何よライフ、おもしろかったじゃない、何この滑り台、すごいスリル満点ね」


体も顔も泥だらけの栞だったが栞は楽しそうに笑った。栞は息子の顔を見つけると泥だらけの体でテリーを思いっきり抱きしめた。


「かっ母さん、やめてよ僕まで汚れちゃうじゃないか」


全力で離れようとする息子に負けず劣らす栞は力の限り抱きしめた。


「ライフ、栞、御苦労さま、すごい所から来たわね。でもあの滑り台楽しそうね」


「ええ、最高のアトラクションだったわよ。そんなことよりママ!もうママもいい年なんだから無茶しちゃ駄目じゃない」


「あら、無茶なんてしてないわよ。ちょっとトラブルに巻き込まれただけよ」


栞は今度は碧華に抱きつきながら言った。碧華は娘を抱き留めながら言い返した。


「叔父さんもだよ、俺忙しいだからね。叔父さん後で仕事手伝ってもらうからね」


ライフは汚れた自分の服の汚れをはたきながらテマソンに向かって言った。


「仕方ないわね。ところで、これからどうするの?まさかこの滑り台をのぼれっていうんじゃないでしょうね」


テマソンは高い天井から滑り落ちてきた滑り台を見上げながら言った。


「そんなことできないよな」

「あら、何も考えないで滑り降りてきたのあなたたち、詰めが甘いわね」


テマソンがあきれながら言っていると、閉ざされていた重い扉がゆっくり開いてきた。


「あっ扉が開きそうだよ」


そう叫んだのはフェルだった。フェルがかけよろうとしたのをテマソンがとっさに引き止めた。


「まって、完全に開いて助けが来たのか確認してからの方がいいわよ」


そう言ってテマソンはフェルを自分の後ろに引き戻した。





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