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宝物庫の中

「テマソン、あなた何さっきからどうして天井に向かってライトを当ててるの?」

「まあ見てなさい」


そう言ってテマソンは天井付近を照らし続けると、次第に宝物庫全体が明るくなってくる気がした。


「ええっどういう事?テマおじさんこれどういう仕組み、ここに電気なんか通ってないよね。ここ地面からかなり深い地底でしょ。太陽の光なんて差し込まないだろうし」


不思議そうな顔をしているテリーとフェルにテマソンは天井に当てていたライトを消して言った。


「私もここを作った天才の考えついた仕組みは知らないわ。だけど、思い出したのよ。14歳の時におじい様に連れられて入った時のことをね」


「ねえテマソン、思い出したのなら、ここからでる方法も聞いてないの?私達閉じ込められたみたいだし」


碧華はそういうと背中からリュックを降ろすと、絆創膏を取り出し、テマソンの頬の傷に貼りながら言った。


「ありがとう。だけど残念ながら出口はその扉しかしらないわ。それより、あなた腕輪をどうしたの?」


「ああ、栞に預けてるのよ。この間、教会のメンテナンスの工事の打ち合わせが入ったみたいなんだけど、ついでにあの貯水槽室の中も水漏れの箇所がないか点検するって言っていたから貸していたのよ」


「じゃあ・・・まだのぞみはあるってことね」


「でも母さん、あの腕輪がここに繋がる場所の鍵だって気がつくかな」

「少なくと、栞は私達がここに来ていることを知っているじゃない、望みはあるわよ」

「そうだ。チャーリーひいおば様ならここの場所を知ってるかもしれないよ」

「あらどうして?」


「だって、僕に見せてくれた日誌を愛読してたって言ってたし、所どころ付箋がしてあったんだ。もちろんこの場所を示す部分にもね。ひいおば様きっと、ただの倉庫だと思っていたんだと思うんだ。まさかここが宝物庫だとは思ってないんだよ。だから知らないっていったんだ」


「でもテリー、チャーリーおば様がここを宝物庫だと認識していないのなら、私達がここに閉じ込められていることは気付かないんじゃないかな。別の場所を探し初めているのかもしれないわよ」


「まだそんなに時間が立っていないから誰も僕達がここに閉じ込められているなんて夢にも思っていないだろうから、もっと時間が立ってからだと思うけど」


「そうね、長期戦になりそうね。だけど大丈夫よ、あなたたちのパパたちは天才なんだから、きっとここを見つけてくれるわ。問題は空腹と夜の寒さね、一日や二日なら大丈夫だろうけれど」


「あらそれなら大丈夫よ、私非常食持ってきてるから」


そう言って碧華がリュックから取り出したのは、ぎっしり飴玉が詰まった袋だった。


「これすごいのよ、リーベンス社が開発した災害や遭難した時に舐めると、人間が一回に必要な最低限の栄養素が入っていて、のどの渇きも潤うし、お腹も満腹感が味わえるすごい飴玉なのよ。試作品が完成したっていうから試しに使って少みようかと思って三日ぐらい前にエンリーからもらってたのよ。ついくせで鞄に入れたままになってたのよね。それにこれ、ちょうど昨日サバイバルシートの四枚サンプルももらったの入ってるし。大丈夫よみんなが探し出してくれるまで生きられるわよ」


「碧ちゃんのそのリュックすごいね」


テリーは感心したように言った。


「でしょ」


碧華は自分のリュックを撫でながら言った。


「まったく、どうしてそんなものを持ち歩いているの。重いでしょうに」

「あら人間いつ何があるか分からないのよ。用心に越したことはないわ」

「その通りね、私なんか手ぶらできちゃってごめんなさいね」


「あら気にしてないわよ、ここにいる間どうにかして脱出できないかあなたのその頭脳を使って考えてよ。どうせすることないし」


「そうだね、みんなでここに座っていても仕方ないし、ひとまずこの中探索しようよ」

「私も賛成」

「そうね、そうしましょうか」


四人はそういうと、視界がよくなった宝物庫の中を探索することにした。


「碧華そのリュックは持ってあげるわよ、あなたどうせまだいろいろいれてるんでしょ」


「失礼ね、だって私、いろいろくれるって言われったらつい手がでちゃうんだもん、いつも日曜に入れ替えするのよ。だから土曜の今日はリュックの重量がマックスってとこね」


そういって見た目に反してかなり重いリュックをテマソンに手渡した。


「あら本当に重いわね。こんな重いの背負っていたの?」


「へへ、歩きながら体を鍛えてるのよ私、まだ寝込みたくないもの。まだあと三十年は元気でいたいしね」


「あなた本気だったのね」

「あれ、テマソンは違ったの?」

「あら私もそうよ」


二人は笑いながら仲良く腕を組んで宝物庫の中散策し始めた。その前をテリーとフェルも仲良さそうに話しながら歩いていた。





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