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宝物庫の番人①

やがて一番下まで来ると、そこには大きな扉があった。


「すごいわねこんな地下にまだ部屋があったなんて、まさに宝物庫の前の扉ね。でもほらアニメだとこの扉にも仕掛けとかあるんじゃないの?さっきから何故か私達ばっかり変な仕掛けが作動しているみたいだし」


「邪魔者は来るなってことなのかな」


フェルがいうと、テリーが言った。


「邪魔者というのならこの四人の中ではレヴァント家の血筋はテマおじさんだけだよね。僕は何ともないよ」


「あっもしかして女は来るなだったのかも」


「ええ~頭でっかちなのね、ここを作った人って、それなら文句を言っておかなきゃいけないわね」


「碧ちゃん何をしてるの?」


碧華は扉に向かって手をかざすと叫んだのだ。


「このあんぽんたん、よくお聞きなさい。私はレヴァント家の血なんて一滴も混ざっていないわ。だけど、私は今アトラスでレヴァントの姓をなのらせて頂いてるわ。昔がどんな時代だったかなんて知らないけど、今は男女平等の世の中になってます。男だけしか宝物庫にはいれないなんて馬鹿げた考えを持っているご先祖様がいらっしゃるのでしたら考えを改めて下さい。男が偉いなんていう考え方は間違っていますよ。男と女がいて初めて人類は未来に子孫を残せるのですからね」


碧華がそういうと、また辺りに静寂が戻った。


「碧華、あなたは全く、そんな事をここで叫んでどうなるっていうの?」


テマソンがあきれて言うと、碧華がケロッとした顔で反論した。


「あら、誰か聞いているかも知れないじゃない」

「誰が聞いているっていうのよ」


テマソンはそういうと、扉の中央のレヴァント家の紋章である鷲と鷹の対の彫刻の中央の丸い枠になっている部分に腕輪をはめ込みそれを時計回りに回した。


「ちょっとテマソン、どうしてあなたが持っているその腕輪が鍵だって当然のように使っているのよ」


突っ込んだのは碧華だった。


「あなた知らないって言いながら本当は知っているんでしょ。ここの事」


「えっ知らないわよ。だけど、あら不思議ねこれはママンにもらったもので子どもの頃は持っていなかったはずなのに」


テマソンも無意識にしたようで自分でも理解できない様子だった。


「だけど、それが鍵みたいだよ。この日誌にも書いてあったよ、宝物庫を開ける鍵は、ツインの腕輪の片割れだって、もう一つは別の出口用の鍵だって書いてるよ」


「えっ、じゃあ私が持っていた腕輪の鍵になったあの貯水槽室ってもしかしてここに通じている扉があるってこと?」


「そうよ、ちょっと待ちなさい、持っていたって今は持っていないの?」


「えっ・・・うっうん」

「無くしたっていうんじゃないでしょうね」

「ちっ違うわよ」


「なら行けれど、これはまた次の世代に引き継がなきゃいけないものなのよ」

「あら、それなら心配いらないわよ。私のは栞に譲ることに決めてるから」

「えっ?碧ちゃん、どうしてママなの?優ママじゃないの?」

「叔父さんのはライフ叔父さんに渡すんでしょ」


テリーが言ったがどうやらテマソンは違う相手を考えていたようだった。


「あら私のはエンリーよ、なんだ碧華、私と同じ考えだったみたいね」


二人の会話に首を傾げたのはテリーだけじゃなくてフェルも同様だった。


「どうしてですか?レヴァント家の正式な跡継ぎはライフおじ様ですよね。ですからツインの腕輪はライフおじ様と優おば様に渡すのが本当なんじゃないんですか?」


「あら、この城を今現在支えているのはエンリーと栞ちゃんでしょ。この腕輪はね、城を支えてくれる人に託したいと思っているのよ。私達はこの城を支えては来れなかったけれどね」


「でも・・・ライフ叔父さんは納得するかな?」


テリーがいうとテマソンが答えた。


「あら、あの子は元々ここを継ぐ気なんてなかったじゃない。テリー、ゆくゆくはあなたにこの城を継いでもらいたいわ。この先の100年後もレヴァント家が栄え続けて、10年ごとにグラニエ城祭ができるように、この城が変わらずあり続けられるように」


「もし、そうなれたらうれしいな。僕、この城が大好きなんだ。だけど、この城はゆくゆくはファンが引き継ぐと思っていたから来られるうちは少しでもきてここで過ごしたいなって少し思っていたんだ。大人になったら自由に出入りできないかもしれないから・・・だけど、僕がここを受け継ぐ資格を得られるんだったら、僕頑張るよ」


「テリー、先の未来は誰にもわからないわ。だからもしファンが受け継ぐことになっても、ファンを助けてあげて欲しいわ」


「わかってるよ。今は勉強だよね」

「そうね、私の孫は賢いものね、いい子ねえ」


碧華はテリーに近づくとテリーの頭を撫でた。





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