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秘密の部屋の探検日誌

テリーの開いた図書室の隠し部屋をのぞき込んでいると、ようやくチャーリーが一冊の日誌を手に持って戻ってきた。


「あらあら、テリーみんなにその部屋見せちゃったの?まあ・・・じゃあまた別の隠れ場所を探さないといけないわね」


「ごめんなさい」

「あっ、いいのよ別に」


チャーリーはテリーを気遣い、言い直した。


「チャーリー叔母様、私にもここみたいな素敵な隠れ場所教えてくださいな」


碧華がそういうとすかさずテマソンが言った。


「碧華、あなたどうせ、仕事がめんどくさくなったら隠れるつもりなんでしょ。そうはいかないわよ、すべき仕事はきっちりしなさい。普段お休みはたくさんあげているでしょ」


「そうなんだけど、引きこもりたい時ってあるわよね叔母様」


「そうね、あるわね。碧ちゃんそんな時は遠慮しないでここにいらっしゃいね。部屋はたくさんあるんだもの。好きな部屋を使えばいいわよ」


「そうします」

「じゃあ、秘密の部屋探し本格的に再開しましょうか」


栞が秘密の部屋の入り口に立って、丸い高めのテーブルを隠し部屋に入れながら言った。

一同はその周りに集まり、チャーリーは手に持っていた日誌をそこに置いた。


「これね、バルテニアスっていう人が少年時代に書いた日誌なのよ。この人ね、体が弱くてあまり外に出かけられなかったらしいわ、だから、この図書室でほとんど一日過ごしていたようだわ。そこで、いろんな本を読み漁ったらしいの。この通りいろんな資料が残っているでしょ。だからそれを読んで過ごすうちにこの城には地下の祈りの塔が存在するってことに気が付いたんですって」


「祈りの塔ですか?」


「ええ、この日誌にはそう書いていたわ。まあ、色んな呼び方をしていたんじゃないかしら」


「ごめんなさい。この日誌には詳しい行き方とかは書かれていないと思うわ。ここに書かれていたのは、五つの秘密の部屋についての見つけた経緯とかだけみたいだわ。もしかしたら続編があるのかもしれないわね。ただ、その当時の城の様子や使用人の悪事とか父親の浮気とか、いろんな事を書いているから読む分には面白いからよく読むんだけど。まずはみんな読んできてくれる?」


「では私から」


そう言ってビルが先にその本を手に取った。ものの3分で読み終わってしまい、碧華と栄治と栞、それにテリーとチャーリー以外の人間が読む終わるまでに数十分はかからなかった。最後に読んだのはフェルだった。


「それで、読んだみんなの感想は?」


碧華がたずねると、みんなチャーリーと同じ解釈だった。そんな中、一人だけ顔を曇らせた人物がいた。フェルだった。


「どうかしたかフェル」


隣にいたフレッドがたずねると、フェルがその本を丸いテーブルの上にのせ、開いたページを指さした。


「この本を書いた人ちょっとおかしいわ。だって、このページなんか、一日熱をだして寝込んだって書いているのにこの挿絵はおかしいわ。寝ている横で元気そうに歩いている絵を描くなんて。それにここなんか、父親に叱られている文章なのに、もう一人は横で階段をおりて歩いている絵が描かれているわ、他のページにもあるわよ」


その指摘で、碧華がパラパラとめくってみせたからテリーに手渡した。


「テリー、あなたも読んでみなさいよ」


「僕は瞬読できないから時間がかかるよ」

「大丈夫よ見るのは絵だけでいいから」


碧華の言葉で首をかしげながらもテリーは本をパラパラと絵だけに視線を集中させてめくってみた。すると、あることに気付いた。


「碧ちゃん、これ、絵が動いてるよ」

「なんですって」


テマソンを含めて大人たちがのぞき込んだ。


「それたぶんパラパラ漫画じゃないの?」


碧華が言った。


「パラパラ漫画?」


「ほら絵が書かれている場所に視点を集中しながらめくると物語が見えてくるでしょ。子どもの時にこれを描いたんだったらすごいわね」


テリーはそのパラパラ漫画を見ながら、今度はその本をさかさまにしてもう一度めくると今度は違う絵が動き始めた。


そして、テリーは最後のページの文書だけを読んだ。その文章を読んでテリーが叫んだ。


「この最後の文書はパラパラ漫画の事を言ってるんだよ。僕はこの後地下の塔の探検に行こうと思う」


テリーの説明にフェルが本を手に取るとパラパラめくり始めた。


「ねえ・・・この子、祈りの塔の入り口はこの部屋だって言ってるんじゃないの?」


「何だって!お前どうしてそう思うんだ」


フレッドは娘から本を奪い取ってめくり出したが理解できない様子だった。


「大人は駄目だね。想像力がないんだから。この子朝起きて、城の中を歩いて、扉に中に入って行って喜んでいるじゃない。この最後の絵の日記には朝から一日中図書室の秘密の部屋籠って本棚の本の中から無くした物語の本の次巻を捜していたって書いているでしょ」


フェルがそういうとテリーが叫んだ。


「そうか、ここが入り口なんだ!チャーリーひいおば様、この部屋には本棚はなかったんですか?」


部屋の中は安楽椅子しか置かれていなかったのだ。


「私が見つけた時は何もなかったわ」

「じゃあ・・・何か気が付いたことはなかったですか?」


「気がついたこと・・・あっそうだわ。壁の石がねジグソーパズルのようにいくつか取れていたのよ。だからあう石を全部埋め込んだのよ。だけど三か所だけどうしてもないのがあって、仕方ないから私、庭園の石を探してきて詰め込んだのよ」


「それどこだかわかりますか?」


「えっと確か、これとこれとこれよ、ほら、私ただはめ込んだだけだから」


そう言って一面石が埋め込まれている壁の中でチャーリーは三か所の石を取り出して見せた。


「おやこれは興味深いですな」


「ねえ、もしかしたら、落ちていた石をどうにかすると、秘密の入り口が開くんじゃないの?」


フェルがいうと、テリーも頷きながら、その空いた三つの空いた部分を触り始めた。


「しかし、子どもの発想力というものはすごいもんだな」


「そうだな、我々にも確かにあったはずなんだけどな。どの時点でなくしてしまったんだろうな」


ジャン二がいうと栄治がつぶやいた。


「生きることに責任が生まれた時点じゃないかな」


その言葉に一同は頷いている様子だった。それをみて碧華が言った。


「あら当然じゃない、それが人なのよ。ねえ、ここは子どもたちに任せましょう。私達がここにいてもじゃまなだけかも知れないしね」


「そうね・・・エンリー、フレッド、あなたたちはこどもたちの監視役としての残ってなさい。何が起こるかわからないから、私達は残りの書物の確認と碧華の発案の家系図の作成をしましょうか」


テマソンの提案で、部屋にはエンリーとフレッドとテリーとフェルの四人を残し他のメンバーはいったん図書室の中に戻ることになった。







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