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秘密の部屋探索

「この歳になると、新しく文字を覚えるというのは難しいようで、英語は聞き取れるようにはなったんですけど、読むのはあきらめました」


栄治がいうとチャーリーも頷きながら言った。


「あら、わたくしも同じですわ。日本語はしゃべれますけど読む方が無理ですわ。漢字が多すぎて諦めたんですよ」


「しかし、レヴァント家の皆様も召使の方も日本語が堪能ですのでたすかりますよ」


「不思議な縁ですよね、アトラスと日本なんて、とても離れているのに」


「本当ですね。あっそう言えば、日本の形のした秘密の空間があるんですのよ」


「秘密の部屋なんか本当にあるんですか?」


「ええ、この城にはたくさんあるみたいですよ。昔碧ちゃんが地下貯水槽室へ閉じ込められた時に偶然見つけた塔の上の空間もまた秘密の部屋の一つだと思うんですよ、アーメルナちゃんが閉じ込められていた場所もまたそうだと思いますけど」


「そういえばそんなことがあったと言っていましたな。そうですか、まあこれだけ大きい城ですからな、設計上増築を繰り返して行けば隠し部屋の一つや二つあっても不思議ではありませんな。ではまずその日本の形をした秘密の部屋という場所に行ってみますか」


四人が向かった先は二十年前にグラニエ城祭の途中で抜け出して碧華がシャリーの母サーシャ達とトランプをした場所だった。


チャーリーはかけられているはしごを先にのぼると、後に続いて栄治もはしごをのぼった。するとそこはベランダのようにも見えたが天井が低く部屋のようでもあるが窓もなくふきっさらしの場所で、光がさしこんでいた。


「確かにいびつな形をしている空間ですな。おや?ここから教会が見えるようですな」

「そうなんです。その端に絨毯を収納する場所もあるんです。多分ですけれど、ここは祈りの場所だったのではないかと思うんですよ」


「祈りの場所ですか?確かにいい場所ですな」


「そうなんです、私も時々一人になって太陽を思いっきり浴びたい時はここに絨毯をひいて横になって日光浴をするんです」


「そう言えばあの協会にも秘密の部屋があるのよ、祭壇があるでしょ、祭壇の下にね扉があって開くと、地下に通じる階段があるのよ。他にはねえ、そうだわ、中央階段あるでしょ、あの階段の下って物置になってるでしょ。だけどね、あの部屋にも地下にもう一部屋秘密の部屋があるのよ、子どもの頃お父様に叱られてあそこに閉じ込められたことがあるんだけど偶然見つけたのよ。さすがに中には入らなかったけれど、後ね」


次から次へと秘密の部屋の事を話すチャーリーに栞がたずねた。


「チャーリー大叔母様、どうしてそんなに秘密の部屋の事が詳しいのですか?普通に生活していても気付かない場所ばかりですよね」


「あ~、偶然見つけた場所もあるんだけど、ほとんど昔図書室の本棚の奥で見つけた日誌に書いていたの。絵がお上手な方でね、グラニエ城探検記ってタイトルなんだけど、すごく面白いの。お姉様にもらえないか聞いたらくれるっていうから私の部屋に置いてあるの。何度読んでもおもしろいのよねえ。地上にある秘密の部屋は大体みつけたんだけど、さすがに普段使っていない場所の地下とか、ほらこのお城に北の塔の地下って大昔の牢屋があるでしょ。あそこにも秘密の部屋があるって書いていたわ」


「チャーリーひいおば様!もしかしたらその日誌に探している秘密の部屋のありかが書いてあるかもしれないよ」


栞とチャーリーの話を聞いていたテリーが叫んだ。


「えっ?そうなの?」


「きっとそうですよ、その日誌をもう一度読み返して、みんなで見て周るっていうのはどうですか?そろそろ昼ですし、お昼を食べてからってことでいったん戻りませんか?」


栄治の提案を三人も頷いた。その後、三人は図書室に戻ることにし、チャーリーはその日誌を取りに自分の部屋に行った。




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