03【合格?それとも不合格?】
【20xx年】
政府は深刻なハンター不足による二次被害に頭を抱えていた
ハンター不足により鳥獣達が増加し農作物への被害が増大した
その打開策として新たな法律を政府が発表した
猟銃による狩猟免許取得年齢改正法
今までの取得年齢20歳を大きく下回る16歳に設定したのである
それにより今この瞬間、新たなハンターが生まれようとしていた
「ひな何番なの?」
「57番だよかなちゃん」
かなひなコンビは食い入る様に電光掲示板を眺め拝んでいた
ピンポーン♪
「おっ!時間だな」
「ドキドキするよ~!」
「57番だけ落ちてたりして」
「もーかなちゃん酷いよー」
「ごめんごめん」
一斉に掲示板に明かりが灯った
パッ!57!
「や、やったー!かなちゃん私やったよ!合格したよ!」
嬉しさを爆発させかなに抱きつきピョンピョンと跳ね回るひながそこにはいた
「おめでとうひな」
「ありがとうかなちゃん」
そう二人は学校の試験場に来ていた、そしてひなは二輪免許を見事に合格したのであった
「ほら早く中で手続きしてきな」
「うん」
「フフッ合格祝いに何か奢ってやるかな、この前の紹介料も入った事だし」
.
..
...
「ジャーン!かなちゃんどう?」
嬉しそうに出来たてホヤホヤの免許証を見せてくる
「ひなは相変わらず写真写りが悪いな」
「ちょっと!気にしてるんだから言わないでよ」
「ほんと昔から独りで写る写真だけは変だよな」
「仕方ないじゃん、独りだと緊張しちゃうんだもん!
まぁーそんな事は置いといてバイク見に行こうよバイク」
「えっ!?買うの?」
「違うよーとりあえず免許取った事だし見に行きたいじゃん」
「まぁ気持ちは分からんでもないけど」
「でしょ?ほら行こう行こう!」
そう言うとひなは私の手を引いて歩き始めたのであった
「で、かなちゃんどこ見に行くの?」
「そうだな、やっぱり学園前かな?」
【学園前】
私達の住んでいる北海道東部にある高校、大学、専門学校など多数集まる東部で一二を争う若者達の駅前である
その為、他の駅前に比べお店の数も多くそして値段も学生向けで有る為、学校を卒業しても引っ越さない者も多い場所でもある
そんなこんなで駅前のバイク屋に到着した二人であった
「わぁー凄い台数だね」
ここは全国展開している超が付く程の有名店である
「ねぇーかなちゃん、そう言えばかなちゃんのバイクってどんなのなの?」
「私のはクロスカブって言うバイクだよ」
「カブって知ってる、あの新聞屋さんが乗ってる奴だよね?」
「そうそう、まぁー新聞屋さん見たこと無いけどね」
「そうだね家も取ってないや」
「ほらこれだよこれ」
そこには真っ赤に輝きを放つ一台のバイク
が
「世界中で一億台以上の売り上げを誇り、そのタフなまでの信頼と実績を兼ね備えた唯一無二の存在それがホンダのカブ!!
そのカブをベースにアウトドア色を強くした車体、それがこのクロスカブなのだよひなくん!」
「真っ赤で可愛いね」
「でしょ?それでいて林道も走れるんだから最強なのよ!」
「ふーん、ねぇかなちゃん!これもクロスカブなの?何か少し違うような気がするんだけど?」
クロスカブの隣には同じく真っ赤に輝くカブがあった
「ほほう、それに着目するとはなかなかやりますなひな氏」
「かなちゃん、さっきと口調が変わっていって怖いんだけど」
「そのカブはハンターカブと言ってクロスカブのお兄さん的存在のカブなんだよ
もう販売は終了しているんだけど今でも根強いファンがいるカブの中でも人気のカブさ」
「へ、へぇーそうなんだ、これって跨がってみてもいいのかな?」
「店員さんに一声かけてからなら..」
二人の話を遮るように白い髭をあしらえた初老の店員さんが会話に入ってきた
「そのバイク気に入りましたかな?」
「えっ!?あっ、はい!可愛いです!」
「可愛いか、ホホホッ!
まぁーバイクと言うのは巡り合わせじゃからの今日有っても明日には無くなる事もしばしば
このハンターカブもお客さんのキャンセルでここに入庫してきたから何時ほかの店舗に行くか分からん一品じゃわい」
この店舗では在庫を全国で一斉管理している為に他店で欲しい客が現れた場合は其方に回されるので在庫は頻繁に変わるのである
「お嬢さん跨がってみますかな?」
「はい!」
ひなが店員の説明を受けながらハンターカブに跨がった
「どうですかな?」
かかとは僅かながら着かないながらも問題なく乗れている
「はい、完璧です」
「そうですかホホホッ、お嬢さん方は高校生かな?」
「はい、高校一年です」
「なら学生応援キャンペーンってのをやっているのでよければ」
学生応援キャンペーン
当店でバイクを購入の際に学生証を提示して頂けると有名メーカーのヘルメット、グローブ、バイクカバー、U字ロックの計、三万円相当をプレゼントすると言うキャンペーンである
尚、盗難保証と整備保証も付いてくる
「どうですかな?今なら更にオイル交換時の際に発生する工賃も無料にさせて頂きますよ」
「くっ流石商売上手だな伊達に歳は重ねていないって事だな」
ひなを見るとプレゼントと言う言葉に同様しているのか我を忘れかけていた
「さ、さんまんえんぶん三万円分プレゼント...」
「おいひな!目を覚ませ!とりあえず見積もりだけ貰ってみてそれから考えよう」
「えっ!あっ!う、うん!」
「ほんとひなはいつか悪い奴に騙されそうだな」
「え~そうかな~?」
こうして私達は残り何軒かのお店を周り帰宅したのであった
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