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16【部活】

かなひなコンビのかな担当

桜ヶ丘かな、この話の主人公で高校1年生

狩猟に興味が無かったが、とある事がきっかけで猟師を目指す事となる

勉強&運動は中ぐらいの至って普通の女の子である


かなひなコンビのひな担当

小倉ひな、同じく高校1年生

勉強&運動はダメダメだがそれらをカバーする天然属性の元気っ子

かなに比べ女子力は高いが元々の女子力が低い為どんぐりの背比べ状態である

最近かなの勧めてと言うなの策略にハマり二輪免許を取得した


そんな、かなひなコンビが織り成す学園狩猟物語

それは昼下がりの午後、空が黒い雲で覆われ今にも雨が降り出しそうな、そんなジメジメとした暗い日は教室で読書に限ると言わんばかりに読書に勤しむかなであった

しかし、そんなかなを放っておかない者がいる、そうひなである

暗い天気とは真逆の陽気な女こと、ひなが慌てて教室に入ってきたのであった


「かなちゃん!かなちゃん!!」


「...」


かなはあえて無視をした


「ねぇーかなちゃん!かなちゃんってば!!」


「...」


「ねぇーかなちゃん!無視しないでよ!」


余りにひなが騒ぎ立てるので教室内に居たクラスメートが全員こちらを凝視していた

流石にそれは恥ずかしかったのか、ようやくかなが口を開く


「なに?」


「あのねあのね...」


「...」


「...えへへっ」


「忘れてんじゃねーよ!」


「あっ思い出した!かなちゃん、聞いて聞いて!」


「いや、さっきから聞いてるんだけど」


「あのね、一緒に部活に入ろうよ!」


「イヤだよ」


「へっ?えっ?な、なんで?」


「いや何となく」


確かに何となく条件反射の様に断ったが、まぁ普通に断って正解だろう

どうせ何時もの様に面倒な事になるに違いないのだから


「えーせめて、せめて、話だけでも聞いてよ」


ひなはかなの体を揺さぶり子供の様に駄々をこね始める


「わかった、わかった、話だけでも聞いてやるから止めろ」


「ホントに?」


「ああ、話だけな」


「やったー!かなちゃん大好きー!」


相変わらず単純だなひなの奴はと思いつつも、何故か憎めない放っておけない自分がいる


「で、何の部活なんだ?」


「それはねー射撃部」


「射撃部?」


「うん、何年か前まであったけど部員が卒業して廃部になったんだって」


「へぇー」


「でね、かなちゃんどうかなって思ったの?」


「思ったのって、いや入らないよ別に」


「なんで?」


「なんでって、そもそもなんで入る前提で話進めてるんだよ、入るならひな独りで入りなよ」


「ええー折角免許持ったんだし入ろうよ

大丈夫だから上級生も居ないから、いまならかなちゃんは副部長だよ!」


「副部長って事は、部長はお前かよ」


「それはそうだよ発案者なんだから

ねー放課後に部室だけでも見に行こうよーお願ーい」


ひなはかなの手を取りブンブンと振り回し駄々をこねる


「わかったわかった、見るだけ見るだけだからな」


「やったーありがとうかなちゃん」


そして放課後、二人は部室棟に向かった

かなたちが通う高校、北海道陽垂学園には大小様々な建物がありそこを3つの区画に区切っている


一つ目は、学業区画

校舎を中心に学自宅から通う主に農業科や普通科などの学生達が主に過ごす区画


二つ目は、寮区画

酪農科などの通いでは無く寮生活を送る学生が主に過ごす区画

食堂や売店などは寮の入る建物一階に有る為、一度は必ず訪れたことが有る


三つ目は、部活区画

全科目の部室が集結している区画

北海道と言う広い土地を有意義に使い、各部専用のグラウンドまで完備するだだっ広い区画

農業、酪農などの小屋が点々と存在し部活説明会の際に奥の森に入り遭難する新入生が必ず一人は出る、それ程広い

因みに今年の遭難者はひなであった


「部活説明会の時に来た以来だね」


「そうだな、あの時は誰かさんが遭難して恥かいたけどな」


「それは言わないでよー」


恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら怒るひなであった


「確か三階の九号室って先生が言ってはず...あった、ここだよかなちゃん!」


扉には小さなプレートに手書きで射撃部の文字が書かれていた

しかし、しばらく誰の出入りも無かったのであろうドアノブにはホコリが被っている


ガチャガチャガチャ!


この扉は鍵が掛かっているようだ


クソっ!一々鍵を選択しないといけないのか!


コマンド→装備→アイテム→鍵→部室の鍵


部室の鍵を使用しますか?yes/no


yes!


カチャン!


もうこの鍵は必要無いみたいだ、捨てますか?yes/no


yes!


「yesじゃねーよ!勝手に鍵捨てんな!てか今の茶番は何なんだよ!」


「かなちゃん、もしかして知らないの?

初期の某ゾンビゲームの真似だよ!」


「そんな事はプレイしたから分かってるよ

私は何でそんな事したか聞いてるんだよ」


「雰囲気が何となく似てたから」


「じゃあ次は音楽室で月光でも弾くか?

それとも部屋に閉じ込められて天井が落ちてくる方がいいか?」


「ごめんなさいどっちも無理です」


流石にかなの苛立ちを察したのか素直に謝るひな


「ほら早く入ろうぜ」


「うん」


中は八畳程の至って普通の部室だった

射撃部に関する物は残されていなかった


「ねぇーかなちゃん見てあれ」


ひなが指差す方には神棚が、そして神棚の横にポツンとトロフィーが置かれていた

かつて金色に輝いていたであろうトロフィー

しかし今は埃を被り輝きを失っている状態


「全国学生射撃大会、個人ダブルトラップ部門優勝、糸鷲あやな選手」


「凄いね、内の学校から全国優勝の人が居たなんて」


「だな、だけど何でここに置いているんだろう?大切な物じゃないのか?」


「さぁーでも神棚に置いてるのだから何か訳が有るんじゃない?」


「そうだな触らないでおこう」


トロフィーを神棚に置き直そうとした時底に文字が彫られて居る事に気がついた


「次はオリンピックで金メダルだ!!

糸鷲あやな、小早川恵、立花冴子」


「ああーーっ!!」


突如として走り出したひなをかなが追いかける


「おいどうしたんだひな?トイレか?だったら廊下を走るな、また委員長に怒られるぞ」


「違う!違うよかなちゃん、私その彫られている人に心辺りがあるんだよ!」


「マジか!」


「うん!」


そう言ってひな達は部室を後にしたのであった

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― 新着の感想 ―
[良い点]  女子高生でクレー射撃とか胸熱ですな! [気になる点]  毎日一千発は練習するという欧米のオリンピック選手と比べたら日本人選手、圧倒的に不利ですもんね。弾薬数の規制とかお金……とか。がんば…
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