11【一歩前進】
かなひなコンビのかな担当
桜ヶ丘かな、この話の主人公で高校1年生
狩猟に興味が無かったが、とある事がきっかけで猟師を目指す事となる
勉強&運動は中ぐらいの至って普通の女の子である
かなひなコンビのひな担当
小倉ひな、同じく高校1年生
勉強&運動はダメダメだがそれらをカバーする天然属性の元気っ子
かなに比べ女子力は高いが元々の女子力が低い為どんぐりの背比べ状態である
最近かなの勧めてと言うなの策略にハマり二輪免許を取得した
そんな、かなひなコンビが織り成す学園狩猟物語
「かなちゃんが猟師かぁー何か実感が沸かないね」
「そうだな、所でひなさんやひなさんも一緒に猟師を目指さないか?」
「ムリムリムリ!絶対ムリ!
だって私、鈍くさいし、おっちょこちょいだし、それに何より銃とか山に平気で忘れて帰って来そうだし」
「確かにそうだな」
「ええっ!そこは否定してよー!」
「ハハハッ、ごめんごめん」
「因みに全部で幾らぐらい掛かるの?」
「そうだな大体2~30万位かな?」
「2~30万円!?んっ?あれ?意外と安く感じるね」
「そうだね、バイク代と同じ位かな
因みに補助金も支払われてもう少し安くなるみたいだけどね」
補助金制度
各市町村が25歳以下の若手ハンター育成の為に所持許可等の申請費用を負担してくれる制度である
費用は各市町村によってまちまちであり予算が無くなり次第終了する
「へぇーそんな制度があるんだ」
「だから意外と安く取れるんだよ、だからひなもどうよ?」
「だから無理だって!」
「そうだな無理強いはよくないよな」
「そうそう、かなちゃんは大人しく私にお肉を提供してくれればいいんだよ」
「やはりそれが本音か」
こうして宿題も無事に終わりひなは帰って行ったのであった
【数日後】
かなは父と共に銃砲店を訪ねていた
・申込書
・顔写真
・住民票
・戸籍抄本
・印鑑
・講習費用6,800円、これは後で補助金制度で帰ってくる
「じゃあ書類はこれでOKっと、後はこれを警察署に提出したら初心者講習だね」
「はい、ありがとうございます」
「まぁー勉強さえしてれば8割方は受かるから大丈夫だよ」
「ううっ緊張する」
「今から緊張してどうするんだよかな」
「お父さんは緊張とかしなかったの?」
「俺は小さい頃から親父と猟によく行ってたから別に緊張とか無かったかな?
猟師が周りに一杯居たから猟師になるのが当たり前って思ってたしな」
「まぁ落ち着いて講習まではまだ先だからね
とりあえず、銃の候補でも選ぼうか?」
そしてかなが候補に選んだ銃は2丁
1丁目
ミロク社製の上下二連散弾銃
中古銃であるが程度も良く価格も5万円という安さである
2丁目
同じくミロク社製の20番ボルトアクション式ハーフライフル
元々候補に挙がっていたのは海外製20番なのだが、ちょうどこの銃を所持していた人がライフルを取得した為に不要となったので格安の8万円という価格で交渉出来たのが大きい
因みに相場の半額以下である
「2丁で13万円か...」
「かなちゃん、まだこれにロッカーや小物類もいるんだよ?」
「あのーロッカーってお安いの有りますか?」
「コレなんてどうだい?型は古くて3丁しか収納出来ないけど、コレだったら弾装とセット配送込み3万円でいいよ」
「じゃあコレもキープでお願いします」
「はいよ」
必要な物を全てキープしてもらったら合計20万円近くなったけど
まぁー必要経費だから仕方がない
そして帰りに警察署に書類を提出しに行った
ネット等では門前払いなどされると書いてあったので緊張していたのだが、呆気なく受理された
さすが北海道とでも言うのか、ハンターが多いだけあるね
警察官の方も手慣れた感じで作業して無事に終わった
こうして本番当日を迎えたのであった
私は講義開始の30分前には会場となる警察署に到着していた
周りを見渡すと同じ講義を受けるのだろうか?40代前後のおじさんが数人に居たが私の様に10代の女子高生は1人も居ない
受付を済ませ指定された席に座り開始待つのだが時間と共に緊張感も増していく
この感じは高校受験に似ている
講義開始10分前にはと全ての席は埋め尽くされ誰1人として話す事の無い異様な空気が会場を包み込んでいた
そんな中、女性の受験者もチラホラと垣間見える
「時間ですので講義を始めたいと思いますので、よろしくお願いします」
60代の男性講師が壇上に上がり初心者講習が幕を開けた
講師と担当の警察官とで猟銃等取扱読本を片手に資料映像などを見せられたんだけど前もって予習をしていれば何ら問題の無い事ばかりである
こうして午前の講義が終わると次は試験である
これも前もって予習していれば八割方の人は受かるらしい
問題の殆どが先ほどの講義で教わった事ばかりでちゃんと講義を聞いていればまず落ちる事は無いと確信出来る程であった
因みに合否は試験終了後、直ぐに採点され発表された
採点を待つ間、緊張の糸が解けたのか先程までのシーンとした空気とは違い、皆和気あいあいと喋りだした
こういう場で知り合いとなっておく事も大事らしい
そして結果が発表され無事合格する事が出来たのであった
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