10【悩める年頃】
かなひなコンビのかな担当
桜ヶ丘かな、この話の主人公で高校1年生
狩猟に興味が無かったが、とある事がきっかけで猟師を目指す事となる
勉強&運動は中ぐらいの至って普通の女の子である
かなひなコンビのひな担当
小倉ひな、同じく高校1年生
勉強&運動はダメダメだがそれらをカバーする天然属性の元気っ子
かなに比べ女子力は高いが元々の女子力が低い為どんぐりの背比べ状態である
最近かなの勧めてと言うなの策略にハマり二輪免許を取得した
そんな、かなひなコンビが織り成す学園狩猟物語
あれから数日が経った、私はあの日からカタログと睨めっこをする日々を送っている
「...ちゃん...かなちゃん!ねぇ聞いてるかなちゃん?早く帰ろうよ」
私に話かけてきたのは、幼なじみのひなであった
つい先日、無事にバイク通学の許可がおりたので最近はもっぱら一緒にバイクで通学している
「ねぇ大丈夫?保健室行く?」
心配そうにこちらを見つめるひなに私は大丈夫と告げ一緒に帰宅したのであった
「ねぇかなちゃん、かなちゃん家寄っていい?数学の宿題一緒にやろ~よ」
「やろーよって、ひなは私の宿題写す気だろ?」
「あっ、バレてます?」
「バレバレだよ、まぁーいいやあがっていきなよ」
「やった~!おじゃましま」
ひなが家を扉を開けると同時に家の中から黒い物体が飛び出して来たのであった
「グヘッ!」
横たわるひなにのし掛かる様にいる物体は桜ヶ丘家のマスコットその2、ハスキー犬のモモであった
「ちょっとモモ危ないでしょ!タックルは止めてよね!」
ひなの問い掛けにワフゥ?っと意味深な返事をするモモであった
やはり確信犯だよなモモの奴
「おじさん達は畑?」
「居ないからそうじゃない?
とりあえず先に部屋行っててよ、お茶持って行くからさ」
「ワーイ!私ミルクティーでお願い~♪」
「作らないとイケないから嫌で~す♪」
「ええっ!?それがお客様に取る態度なの?」
「ひなはお客様じゃないので却下で~す♪」
「ええっ!?ひなはかなちゃんが淹れてくれるミルクティーが飲みたいな~♪」
キラキラと瞳を輝かせ情に訴えてくるひな
、かなは昔からこの訴えには弱かった為にここぞとばかりにひなは使ってくるのであった
「もうわかったよ仕方ないなー」
「ワーイ♪ありがとう♪かなちゃん大好き~♪」
これもいつもの常套手段であるが、かなも満更嫌では無いみたいだ
「出来たら持って行くからさっさと部屋に行ってな」
「うん」
ひなは部屋に入るといの一番でかなのベットにダイブした
バフッ!!
「ハァーー!かなちゃんの匂いだぁー!」
そんな変態チックな行動をしていると頭上から視線を感じた為そちらの方へ目を向けるとマスコットその1、猫のカンナがひなを哀れむ様な目で覗き込んでいた
「あれカンナちゃん?いつから居たの?」
カンナはナァーと返事をし尻尾をピンと奮い立たせていた
「こっちおいでカンナちゃん」
「ナァー」
寄り添って来たカンナを優しく撫でながらひなが呟く
「最近かなちゃんの様子が変なんだけと何か知ってるカンナちゃん?」
するとカンナはスクっと立ち上がり机の引き出しをカリカリと爪で引っ掻いた
「えっ、なにそれ?爪研ぎ?ん?それとも、まさかその中に何かあるの?」
「ナァー」
「ウソッ!?ホントに?」
「ナァー」
「フフフッ、これは何が入っているのか確認しないといけないなぁ~♪
ハッ!ま、待てよ!ま、まさかエッチな!エッチな本では無いだろうか!?
だからこんな場所に隠しているのね!!
もう、かなちゃんのおませさんなんだから~♪
でもここは、かなちゃんの唯一無二の親友である、この私が確認せねばなるまい!
さぁ~未知なるエッチな本を探求する為に!その恥ずかしさを共有する為に!
いざオ~プ~ン!!グヘッ!!」
引き出しを開けると同時にひな目掛けて後ろから何かが猛烈にタックルをしてきたのであった
「ああっ!この感触はさっきの奴だ!!」
タックルの主は勿論モモである
「人の部屋で大層な事をしてるな、ひなちゃん!」
そしてそのモモを引き連れ部屋に入って来たのが、何を隠そうこの部屋の主である
「ち、違うよ!まだ何もしてないよ!」
「まだって事はもう少し来るのが遅ければ何かしていたって事だよな?」
「.....」
その問い掛けに押し黙るひな
「ん~?どうしたのかな?ひなちゃん?いつも通り元気溌剌の姿はどこに行ったのかな?」
「か、かなちゃん!」
「!?」
「私、かなちゃんがどんな事に興味が有っても大丈夫だから!」
「!?どうしたんだひな?」
「そ、その、エ、エッ、エチ、エッチな、エッチな事に興味が有ってエッチな本を持ってても別に嫌ったりしないから!
むしろそう言う事は、かなちゃんとなら一緒に共有したい派だから!」
「ハァー!?ちょ、ちょっとまて、な、何言ってるんだよ、ひなお前は!?」
「い、いやだって、その引き出しの中にエッチな本を隠してるんでしょ?」
「ハァー!?」
「だからここ最近ソワソワしてると言うか私の話も聞いて無いし、全てが上の空って感じたがら」
「ハァー!?違う違う!確かに悩んでる事は有るけどもそんな事で悩むか!!」
そう言うとかなは引き出しから数冊の本を
取り出し見せてきた
「コレだよコレ!私が悩んでいる原因はね!」
「猟銃初心者講習問題集?」
「そう、狩猟免許取ろうか悩んでたんだよ!」
「えっ!?そんな事で悩んでたの?よかった~♪
かなちゃんが私を置いて独りで大人の階段を登ろうとしてるのかと思ったよ~」
「そんな事って何だよ、こっちは真剣に悩んでるんだぞ」
「ごめんごめん、怒らないでよかなちゃん」
「猟師になると言う事は少なからず命のやり取りをすると言う事だからさ
中には猟師を軽蔑する人も居るわけだろ?
だからそう言う事を考えてるとさ、何だか猟師になる踏ん切りがつかないんだよ
私は本当に命を奪ってまで猟師になりたいのかってね
それに私が猟師になったら周りの友達とかはどういう目で私を見るのか、私を軽蔑して離れて行くんじゃないのか?とか思ってしまうんだよ...」
「...大丈夫だよ!!
かなちゃんには私が付いてるもん!」
「ひな」
「もし、皆が離れて行っても私はかなちゃんに付いて行くよ!
もし、かなちゃんが間違った方向に進んだら私が全力で正してあげるよ!
だから、かなちゃんは安心して自分の好きな道に進んだら良いんだよ!」
「ひな」
「そして早く猟師になって私に美味しいジビエ料理をご馳走して下さい」
「ひな、最後の最後に私利私欲がダダ漏れしてるぞ
けどありがとう少しだけ気が楽になったよ」
「ええ~少しだけ?」
「はいはい、だいぶ楽になりましたよ
ありがとうございますひなさん」
「うむよろしい!」
そうして二人は見つめ合いながら大いに笑ったのであった
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