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γ

α3→γ



 眠っていると未経験の感覚に襲われる。



 テレビを見ているのだが妙な世界観だ。



 視界が無意識に動いている。



 加えて視野が変だ。




 (なんだこれは)




 おれと家と水源すべてが収まっている。




 (どういうことだろう)




 視界や視野の変化に戸惑っていると



 水源が盛り上がり出した。



 そして水源をズームアップした。



 テレビ見すぎたせいだろう。



 どうやら二台のテレビを見ているようだ。



 片方はズームして水源を捉え、



 もう片方は涅槃像のおれだ。




 (・・ほおー)




 テレビの青レベルが強い。



 ゾンビ色のおれがいる。



 ゾンビが涅槃像寝なんてゾンビなりたてホヤホヤでもしない。




 どうやらスズメ視点らしい。



 スズメから見れば人間は既にゾンビ。



 遊び疲れて抱っこされて腕を親の肩にのせる仕草



 腕ピーン手首ブラブラという正式フォームなど



 もっともらしいことしなくてもスズメにはゾンビなのだろう。



 想像力の賜物であるこの状況を楽しむことにした。



            ∴



 視力が良かった時期を思い出す。



 何でも凝視し過ぎで日々低くなっていった。



 端的に注意を促してくれる存在はおらず



 そもそも眼鏡をかけている人など見かけなかった。



 カスと呼べるほどの視力になってからは



 世界は完全にぼやけていて



 初めて見るぼやけ方についてはできるだけ接近して

 確認した。



 そのせいで目を付けられたらしい。




 腕を引っ張られ独特な匂いの車に乗せられた。



 抵抗するには陰影が大きすぎた。



 敵わないしおとなしく状況を把握することに専念した。



 黒い風景に黒い人達は近くに二人。



 窓から入る光はどれも黒っぽくてスモークが貼られているようだ。



 前方は金色で低反射なものが揺れる。



 カーテンのようなものだろう。



 目を細目にして探っている様子は見せない。



 細目はおれの興味を如実に表現していることになるからだ。



 今の状況では黒い人に警戒している様を悟られないため



 また、余計な情報を入手してそれを理由に痛い目には遭いたくない。



 一言も喋ってないし色々と謎だらけなのだ。



 車の行き先を把握しようにも右に左によく揺らされる。



 おれの座ってる向きが横向きなこともあり難しい。



 それに前後には揺らされるが左右には揺らされない。



 スピードを変えず曲がれるカーブが多い道なのだろう。



 だとすれば知る限り海道の道だ。



 あそこは信号がなくて止まらず十数マイル進められる。



 そういう立ち話を聞いたことを思い出す。



 だとすれば都市部に向かっていない。



 (港方面か) 



 方向に見切りを付けて安心したのか疲れが出てきて眠った。



 起きると鼻柱が猛烈に痒かった。



 掻こうとして手足が動かせないことに気づいた。




 「えっ」




 どうやら頭も顎も肩も動かせない。



 「おはよう」



 おれにおはようなどと言ってくる人はいない。

 


 無言でその声の方向へ目をやる。




 「ははっ そんな怖い顔しなくてもなにもしないから」

 



 (この状態でそれ言うか)



 (この顔は生まれつきだし今鼻が痒いんだよ)



 少し暴れると食い込んで痛いのでおとなしく鼻水を放出した。

∴はα構成の派生です

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