01 プリズムブレイク
α1
意識が近づく
爽やかな風
爽やかな匂い
爽やかな日射し
部屋の中は今最高に爽やかだ。
おまけにスズメと思われるかわいらしい鳴き声が聴こえてきた。
(なんて爽やかなんだ)
(こんな爽やかな時間が毎日続けばいいのに)
そう思っていると
遠くからスズメの天敵っぽい鳴き声が聴こえてきた。
(カラス)
(自然演奏会は早々に終わりかな)
そう残念がっては
(カラスーー 邪魔だなー)
(なんか考えないとな ぁ~ぁ)
と対策を考えようと思いつつ静寂を楽しむ。
しばらくその鳴き声がしなくなり
だんだんと意識が遠のく。
時が経ち、再び意識が近づく。
覚醒の時は近い。
爽やかな風
爽やかな風
爽やかな風
部屋の中は今最高に風だ。
おまけにスズメとカラスらしい鳴き声がする。
そのうるさい程の掛け合いは近くで聴いているようだ。
(あれ、爽やかさの欠片もないしちょっと冷えたかな)
腰まで移動した毛布を肩まで引き寄せる
(ん?なんかうるさいし近くないか??)
異変を感じとり右目を半目にして壁側から部屋の中央側に
寝返りをうつ。
反射した日射しの光量になかなか開眼できないが
ぼんやりと動く何かに気付いた。
それはもうはっきりと
は見えないが動くのが確認できた。
( !! )
(おい・・)
そう思うとすぐに眼鏡をとりーー
取れない。
ベッド頭側の枠上側に引っ掛けておいたのだが
無くなっている。
仕方ないから布団の下のベッドに手を潜らせる。
ベッドの基礎にある木製の枠組とクッションの隙間から眼鏡を出す。
長めの一息をレンズに吹き掛けて埃を払い眼鏡をかける。
「ヴぇっ!?」
床には白と茶色のものが広がっていた。
(ヴぇぇぇぇぇぇ・・はぁ)
その光景は日常になりつつあった。
カラスはスズメの羽を毟って床に散らかしていた。
「んー!んーー!」
低めの鼻息でカラスを威嚇して足で窓に誘導する。
「あっどうも」
と言わんばかりにこちらに顔を向けて頭を掻くカラス。
誘導はできそうもない。
このカラスとの出会いは三度目だ。
散らかされるのは二度目。
犯行中に会うのは初めてだ。
なついてるとは思えないしおれへの畏怖は確実に無い。
(爽やかな昼を返せ)
そう思いつつ体を起こすことにした。
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=商品紹介の時間です= =窓=
ーなんということでしょうー
ーお分かりでしょうか この大きな窓ー
ー壁をハンマーで打ち抜いたかのような豪快な窓枠ー
ーそのフレームは手作りの真鍮製で黄金色の輝きを放っていますー
ー取り込まれる空気は黄金のように純でー
ー不意に波打った形状からは清純な流れを感じさせますー
ー装飾は究極に洗練され何もされてない徹底ぶりー
ー匠のこだわりのフレームなのですー
ーそしてご覧ください この窓ガラスー
ー天地無用と言わんばかりに広げられる光の筋道ー
ーこれぞひびの感謝祭ー
「通販CRAZ新たに始まりました。」
「早速ですが素晴らしい商品ですね。」
「そうですね。窓枠とは思えないいろんな意味で先鋭的なデザインです。」
「窓はいかがでしょう?」
「ええ、計算された道筋からプリズムのように虹色の輝きを一面に照らしていてとても色彩豊かです。」
「はい、どのようにして作られたのか意図はわかりませんか?」
「ええどのような意図があるのか全く想像できませんね」
「先生でもわからない程芸術的なのですね。」
「わたしの常識を覆された そんな心境です。」
「先生の気持ちは聞いていません。では次の商品の紹介です。」




