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オプション:女子高生

「だーかーらー、変身して欲しいのですー」


「いや、無理!」


 私、坂月魅空(さかづきみそら)、19歳大学生!はんぺんから足生やしたみたいな妖精に言い寄られてます!


「だってー夏休みでしょーです?」


「そもそもさ、何に変身するのか言おうかキミ」


「えー、名称を求められると困るですー…それにしても汚い部屋ですー」


 なんだコイツ急に舐め腐ったこと言い出しやがった。まあ足の踏み場が無いのは事実なんだけど。今は取り敢えず怒りは抑えまーす。


「…じゃあ名前はいいよ。変身して何すんの?」


「よく聞いて欲しいです…」


 マジトーンになった。


「これからこの夏休みの間に殺人事件が起こるのです!」


「はぁ」


 は?じゃなくてはぁなのが優しいと自分で思う。だって抑えたからね。


「理由は言えないけどそうなのです」


「変身したら私が止めれるの?それ」


「そういう訳じゃないです…」


 要領を得ないなぁ。


「…あ!」


 突然はんぺんの胸の球体が黄色に光った!点滅している。


「い、今起こったのです!取り敢えず着いてくるのです~!」


「はぁ?今から昼飯買いに行かなきゃいけな…」


 私が言い終わる前にはんぺんが私の右手を掴んだ。

 次の瞬間!空間が縦に細切れになったと思うと気付けばどっかの山道にいた。上下灰色のスウェットのまま来てしまった。さすがの私もこれで外はちょっと…。裸足だし。


「この村で…誰かが殺されたです!」


「村ぁ?村って今も日本にあんの?それよりこのカッコどうにかして」


「変身すれば衣装も出るですよ」


「靴も?」


「です」


 それは肯定か?まあ肯定だろうなぁ。


「じゃあ変身するわ、私」


「ありがとうです!それでは〰…変身どうぞです!」


 まばゆい光が私の体を包み込む。あの首から下がモニャモニャってなるヤツだ。自分で言っててよく分からなかったから説明するけどまあ首から下だけ光に包まれるってヤツ。

 すると私の体は…身長が2、3センチくらい縮んだ気がする。

 それより格好だ。緑色のブレザーを着ている。チェックのスカート。


「これJKじゃん」


「Jkに戻りてーって言ってたです」


「立ち聞きかよテメー…」


「とにかく!残り香が山のふもとからするです!下りるです!」


 そう言うとはんぺんは浮遊しながら山道を下っていった。


「おー殊勝なことで。…あれ、ワープしないの?」


 取り敢えず追い掛けることにする。ローファーで山道はキツい。体操靴派だったからなー。

 …この時、私は気付いていなかった。

 意外と面倒な事件だということを…。いや、そうでもないか?

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