妹からの人生相談
気づけばあっという間に月日は過ぎているなんていうことは、全人類赤子も子供も大人も老人も一度は体験したことがあることだろう。なので、5年という月日が経ったが、未だ高校生活を一日も妹が送れていないという事実も特に気にすることではないだろう。
そんなこんなで、話は戻る。(作者は何も話を覚えていなかった…)
妹が念願の女子校に合格し、意気揚々と乗り込んでいったその翌日、しょげもんな顔立ちで帰ってきたかと思うと2週間部屋から顔を出さなかった。時には鬼のやつに必死な形相で、時には仏のような穏やかさで説得すると、ようやく部屋に入れてもらえた。
「一体何があったんだよ?」
女性の部屋にいるというドキドキを、真剣な台詞と空気感で誤魔化しながら聞いてみる。
妹*長いのでまじプリと略そう。は、すこし緊張したような面持ちで言葉を紡いだ。
「実は…学校で…」…
ボソボソと俺の耳垢が綺麗に取られた、つるつるのお耳ちゃんでもうまく聞き取ることができなかったが、まとめるとこうだ。
新しい学校、新しいクラス、新しい友達と新しいものにまみれた新学期という魔の学期に、妹は少し背伸びというか、高校デビューというか、いつもより張り切って臨んだそうだ。
中学では少し引っ込み思案なこともあったそうで、あまり友達も多くなかったため、高校では友達づくりを頑張ろうとしたらしい。だが、慣れないコミュニケーションを慣れない場で頑張ろうとしたのか、うまく友達作りができなかったそうだ。さらに、いきなりベタベタと話しかけてしまい、しまいにはレズだと思われてしまったそうだ。
もちろん、二次元をこよなく愛する朕からすると、なもりさんわっほい!とばかりに、百合百合な状況を楽しむこともできたであろうが、全ての人がそうとは限らない。周りのクラスメイトからボソボソとまじプリを揶揄する言葉が聞こえてきたそうだ。新しい場面に意気込んで望んだ挙げ句、大失敗の状況。オリハルコンよりも硬いメンタルを持つ俺ならまだしも、高校一年生の妹にはかなり酷なことだ。なんと、かわいそうなまじプリなんだと、どうぶつ奇想天外の泣けるシリーズを見ているみのもんたくらいの表情でいると、妹がさらに声を漏らした。
「って…」
「なんて言ったんだ…?お兄ちゃんのお耳のすぐそばで、舐め回すように話してくれないと分からないZE⭐︎!」
ドン引きしてるかもしれないが、元気を出してもらうためにはしかたない。お兄ちゃん。本気で思ってるわけじゃないぞ!
「代わってって言ったの!!わたしと!!」
「代わる?何をかわるんだ??」
妹と体を入れかえ、悠々自適なニートライフから、きゃっきゃうふふなJKライフに代わるのであれば、大喜びだが、実際のところ何をかわればいいんだ?と思っているとそのまさかだった。
「私の肉体と、お兄ちゃんの肉体を入れ替えて欲しいの。わたしもう疲れたの。お兄ちゃんみたいなニート生活をわたしも送りたい。」
二、ニート生活を舐めるなよぉぉぉぉ!!!!!
と言いたいとこだが、話はそこではない。
「入れ替わるって、そんなことできないだろ?」
すると妹が、ある知恵袋で読んだあらら摩訶不思議??な呪文について教えてくれた。