プロローグですわよ〜〜〜
ニート。それは甘い響き。全人類皆こうありたいと願う最高の職業である。
ん?ニートは無職だって?職に就かずに家に引きこもってるのがニートだって?
それは違う。それは断じて違う。確かに、そういう奴らもいるだろうし、ニートのイメージってのはそんなもんだと思う。
しかし、俺とそいつらとで決定的に違うところがある。それはプライドだ。
俺はプライドをもってニートをしている。だからこそ、ハローワークなる奴隷斡旋所などに足を運ぶこともないし、アルバイトを探そうなどと思ったことはない。
俺みたいにプライドをもってニートをしている奴は、自らの意思でニートとして生活していることから、あなたの職業はなんですか?と聞かれれば、それはニートです!と自信を持って言うことができる。
自分に自信がなく、恥をかかないことに対するプライドだけはある、そんな有象無象のニート達と異なる点はそこに現れてくる。だからこそ俺は職業ニートとして家でまったり生活している。もちろん親の金で。
昼過ぎに目を覚まし、とりあえずスマホを開き日刊漫画の更新をチェックし、ソシャゲのログインを行いミッションをこなす。それが終われば、一階のリビングに行き録画してあるアニメを見ながら優雅な朝飯を食べる。そのあとは自由な時間だな。ズリネタを探すために時間を使うもよし、柔らかな日差しを浴びに、ハウエバーしに行ってもいい。何をしてもいいからこそ迷うこともあるが、基本的に欲求に従っている。そのほかのカスみたいなニートとは違うからもちろん運動だってするし、筋トレだってする。カフェに行って女の店員さんに優しげな微笑みをプレゼントすることもある。どう?最高でしょ!
だが、最近この最高な日々が失われつつある。なぜなら、我が家にもう一人のニートが誕生してしまう恐れがあるからである。我が家の経済状態は比較的安定しているとはいえ、ニートが二人もいる家庭を見てみんなはどう思う?きちんとした教育を受けさせられなかったのね。なんて思うんじゃないか?
俺はそのほかのゴミ虫とは違うから、こういった生活をさせてくれている両親には感謝している。だからこそそんな風に思われたくはないのだ。もちろん俺がニートであるという事実が両親の負担になっていることは認める。だからこそ身なりには気をつかっているし、健康な肉体を維持している。容姿が整っていれば都合のいい解釈をされることが多いからな。自宅勤務なのね!みたいな。だが、我が家にもう一人誕生しつつあるニート。すなわち、我が妹(現在花の女子高校一年生☆!)がニートかしてしまうのはさすがにまずい。高校生で引きこもりなんておばちゃんどもの格好の話の肴になってしまう。それだけは防がなければならないと、俺は拳を天井に向けて伸ばしたのだ。