異変
リアside
ダンジョンの入り口にいくと、多くの人間がダンジョンに入らないで入口に集まっていた
「何かあったのか?」
エイスが近くに居た人間を捕まえて聞く
「あぁ……どうも魔法陣の前にとてつもない強さのモンスターが居るらしくて、入れないみたいなんだ……何人かのパーティーが挑戦したみたいだが返り討ちだ」
返り討ちか、挑んだパーティーもこの辺りでは相当な腕のはず
「死んだのか?」
「いや……幸いにも死人は出てねぇが最強と言われてるパーティーが負けちまってからはみんな尻込みしちまってる」
なる程……挑戦者が居ないか
「エイス私が行ってもいいか?」
「いいぞ」
あっさりと許可をだしてくれるエイス
「皆どいてくれ私が挑戦する!!」
私達が常に通る道は、ケガ人や野次馬で溢れかえっているそれらの人達をかき分け前に進む
本来ならば恐怖や躊躇いが襲ってくるのだろう
それなのに……今私はまだ見ぬ強敵に心踊っている
早く戦いたい!!
はやる気持ちを抑えて魔法陣の前まで走る
目の前では黒い騎士が魔法陣の前に陣取っており辺りには折れた武器が散乱している
状況から見て、あの黒い騎士がモンスターなのだろう
「手伝いは必要か?」
「大丈夫だ!!」
エイスにそう言って一直線に黒騎士に飛び出す
「名乗りも無しに失礼するが相手を願おう!!」
私の剣をあっさりと盾で防いだ黒騎士に告げると返事の変わりか私の体が盾で吹き飛ばされる
吹き飛ばされた後も黒騎士から言葉はない
まぁ……これよりは言葉は不必要だ
今からは互いの剣で語るのみ
エイスside
予想以上にリアが脳筋だったな……
いや……本来騎士とはそういう物なのかも知れない
軽く息を吐きながら戦いを観察する
最初のぶつかり合いで筋力で負けていると判断したのか、リアは手数とスピードで黒騎士を攻撃している
何十と言う数の斬撃が黒騎士を襲う
一方、黒騎士も下手に動かず迎撃に徹して致命傷を受けていない
リアの一撃が命中するたびに周りから歓声が上がるがこのままいけば……
リアside
しかし……奴隷の身に落ちてこんな戦いができるとは……エイスに感謝だな
正面から一撃を入れてバックステップで距離を取り今度は右から攻める
その一撃に対応できなかった黒騎士の鎧に傷をつけるが……浅い
先程から攻撃は命中しているのだが、まるで手応えがない
さすがに人間より体力があるとはいえ、全速力で攻撃するにもスタミナが辛い……どうやら低レベルのモンスターばかりを相手にしてスタミナが落ちたらしい
どうする?あいにく私は魔法がからっきしダメだ
仕方ない……黒騎士から一気に距離を取る
黒騎士は追いかけてこない助走距離は取れた後は全速力で突っ込む
一直線に黒騎士に向かい相手の剣が当たるか当たらないかの位置で飛ぶ
私を見上げる黒騎士このスピードなら私の剣の方が早く当たるはずだった
鈍い音と共に振り下ろした利き手が跳ね上がる、目の前にあったのは黒騎士の剣まさか……あわされた?
驚愕と同時に腹部を衝撃が襲ってくる
防御すら許されずに私は蹴飛ばされた
エイスside
蹴飛ばされたされたリアを受け止める
「すまない」
「いや……俺も敵の実力を見誤っていた」
何故かは知らないがこの敵は、このダンジョンで場違いな実力を持っている
「選手交代だ」
リアを下ろして空中に魔法陣を書き剣を引き抜く
「今度は俺だ」
目立ちたくはないがコレを倒さなければ次に行けない
剣を構え黒騎士を睨むすると……黒騎士は鞘を投げた
なる程かなりの知性がある
「返礼しよう」
剣を床に置き装備していた盾を2つ共リアに投げる
「預かっててくれ」
さて……勝負といこう
正面から突っ込んでいく小細工はなし……作戦もなし頼るのは純粋の技と力
一気に踏み込み剣を振り抜く
黒騎士の肩に直撃するが浅い……やはり剣だけでは厳しいか……
黒騎士の一撃を避け剣を構える
アレをやるか
剣を構えたまま黒騎士に正面から突っ込む
カウンターを狙ってきた黒騎士の剣にタイミングを合わせ鍔迫り合いにもっていく
よし……力負けはしていないこのまま
右足で正面から黒騎士の膝を蹴り一歩引く
黒騎士の体勢が崩れ剣先が地面につき頭が俺の胸辺りの高さにきた……それを狙い真っ直ぐに剣を振り下ろす
黒騎士は盾で防ぐ事はなくまるで受け入れるかように、俺の一撃を受け地面に倒れた