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目的

「偶然じゃない必然だ」


「まさか……あそこに落とし穴があるとわかっての作戦だったのか?」


「あぁ」


リアの言葉を肯定する


「どうやって!?」


それを説明するには、ダンジョンの矛盾から話さなけばいけない


ダンジョンのトラップには即死のトラップが、ほぼない

トラップで死ぬ時は大抵トラップの付属効果か、トラップに引っかかった後の判断でだ


トラップ単体での死はルーム違反……まるでそう決まってるかのように……トラップには必ず抜け道が存在する


モンスターハウス

ダンジョンに設置された部屋に大量のモンスターが待機している。


それで、モンスターハウスなら単純だ……モンスターハウスに入らなければいい


ただ、それが絶対できるとも限らないし、落とし穴や事故で入ってしまう事もある


そしたら……必ずどこかに落とし穴を探せばいい


落とし穴


入った者を下の階層に転移させるトラップ


故に場所を見抜きパーティーで落ちればモンスターハウスから脱出する事ができる。


因みに、落ちる場所はランダムなので、1人ずつ落ちるのは進めない


何はともあれ、4階に無事に降りれた


「身体は大丈夫か?」


一応、身体に異常がないかリアに聞く


「大丈夫だ」身体や武器を確認してリアが答える


辺りを見渡すと敵はいない、どうやら運良く何もない所に落ちれたらしい


「進むぞ」


「あぁ」


リアに確認をとってダンジョンの通路を歩いて行く


しばらく歩くと巨大なネズミが出てきた


「リア行けそうか?」


「大丈夫だ任せてくれ」


剣を抜いてネズミに近く


ネズミもリアに飛びかかるが、すれ違い様のリアの一撃がネズミを頭と胴体を分ける


再び瞬殺……強いな


今の内に給料の計算をしておくか


一応、背後から飛びついてきたネズミは後ろに蹴り飛ばしておく


ネズミと戦った後通路を真っ直ぐ進むとフロアボス部屋の前に到着した


どうやら、落ちた場所はフロアボスにも近かったようだ


さてと……どうするか


「どうする?もう、戦かうか?」


リアに確認するが、実のところはどちらでもいい


損害はゼロ


ダメージもゼロ


このままボス戦に突入してもなにも問題ないが、急ぐ理由もない


さてと……どうするかね


「行こう……だが、手出し無用で頼む」


「わかった」


リアに返事をして、フロアボスが居る部屋に入って行く


ボス部屋に居たのは巨大な針鼠


予想では、さらに巨大なネズミが居ると思っていたのだが


リアも予想外だったのか、盾を前に出し様子をみている


針鼠はこちらの気も知らずに針を飛ばしてきた


一応、自分に向かってきた針はキャッチしておく


さて……リアがどう戦うかが見ものだ


リアside


飛んできた針を盾で防ぐ


次が飛んでこないのを確認し接近する


剣を振り下ろそうとすると敵は丸まって針をこちらに向けてくる


少し距離を取り思いっきり切り上げる


針鼠はボールのように転がっていく


反対側の壁にぶつかりひっくり返る


そこに剣を突き刺すと針鼠は動かなくなった


エイスside


これで、4階もクリアかなり早いペースで攻略している

少なくとも、俺達は注目を集めていく、変な奴らも近寄ってくるだろう


そう言った奴らの対策や6階の特異性を考えると、あえて5階で足踏みするのも悪くはないな……


「リア1回上がろう」


「探索はもう終わりか?」


「今日の所はな」


魔法陣を使い1階に戻る


「なんで……撤退するあのまま進めば」


「落ち着け、ダンジョンの中じゃ話せない事もある」


ひとまず、落ち着いて話し合う為に近くの飲食店に入る


「とりあえず、ハンバーグ定食を2つ」


とりあえず店員に注文をして、リアと向かい合う


「なんで、引いたかだったな」


「そうだ」


俺がそう言うとリアと向かい合う


「今のペースで攻略したら……おそらく、ダンジョンの最短攻略記録を塗り替える事が可能だろう」


「それならなおさら」


「落ち着け!!今日あった追跡者を覚えているか?」


「あぁ、だがあれはお前の策で撒いたではないか」撒いた、確かに撒いたが……


「今回の奴らは悪意はなかった」


「確かに」


「だが……このまま進めば、少なくとも悪意のあり、なしにかかわらずああいった輩が出てくる」


「なる程、なるべく注目を集めたくないか……すまない」


短い沈黙があった後リアが、頭を下げる心なしか、耳もしょげている


「いや構わない、俺も最初は最短で攻略して、出て行く事を考えていたからな」


ちょうど話が終わったタイミングで、料理が運ばれてきた


「とりあえず、今は食べよう冷めたら美味しくない」


「そうだな」

2人でハンバーグ定食を食べる


美味い


食べ終わり、ひと息つく


「この後はどうする?」

リアに聞かれ予定が何もなかった事を思い出す


「そうだな……クリスタルの換金は明日でいいし、今日は早めに休もう」体を休めるのも立派な仕事だ


「そうか……何か暴れ足りないきがするな」


やはり……今日の戦いはリアにとって物足りない物だったらしい


リアside


宿屋に帰ってきたエイスは、ベットに座ってのんびりしている


「なぁ、エイスお前の目的は何なにだ?」


「目的?」


「そうだ」


名を上げるでもなく金を稼ぐでもない、私にはエイスの目的がまったく見えなかった


「ひとまずは、ダンジョン都市ウノに家を買う」


「なる程」


なる程、ウノを目指すか


ダンジョン都市1位

ウノ全てのシーカーが目指す憧れの場所である。


そこを目指すのは納得がいく


「次に……」


次になんだ


「その家でのんびり過ごす」


エイスの言葉にずっこけてしまう


「エイスはそれでいいのか!?」


あまりほめられた態度ではないが、言われた内容を確認してしまう


「大丈夫……俺の目的は既に果たされたから」


エイスははっきりとそう言った。


ただ……エイスの表情に私は何も言えなくなってしまった。

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