初めてのダンジョン
俺はエイス
一週間前までは、しがない学生だったが、今は馬車に揺られある場所を目指している
「しかし、お客さんも珍しいね……学校辞めてダンジョン都市に行きたいなんて」
乗客が少ないせいか、ずっと乗っている俺に話し掛けてくる運転手
「辞めたいと学園長に言ったら、予想以上にあっさり辞めれましたから」
「はぁ~で親御さんはなんて?」
「学校なんてもんは、お前には合わないと思ってたぜ!!それに……必要なことは全て叩き込んであると」
「そりゃぁ、なんとも豪快な親御さんで
………おっ!!見えてきましたぜ」
運転手がそう言うので前を見ると、簡単な城壁と門が見えてきた。
あれが……ダンジョン都市90位ノベンタか、都市に入り門の近くで降りる
「それでは、縁があったらまた」
「おう!!頑張れよ」
料金を払い馬車から降りる。
最初にすることは、シーカーの連合に登録することだ。
登録しなくても、ダンジョンに入るには問題ないが、登録しておけば様々なサポートが受けられる。
ある程度の規律やフリーのシーカーに命令権を持ってはいるが……登録しておいた方が利点が大きい
ダンジョン都市には連合が建てたフォールという建物が必ずある。そこで、登録をすれば問題ない
フォールに入り新規登録と看板がある受け付けに並ぶ
普通に受付を終わらせダンジョンに入ってすぐに遭遇したのは、小さなクモ……使うまでもないな
クモを蹴り飛ばし壁に叩きつけると壁に叩きつけられたクモは消えて半透明な石が残る
クリスタル
ダンジョンに出る魔物を倒した時に落とす。
厳密な構成物質は不明だが、その性質や加工のしやすさもあいまってかなりの数が市場に出回っている。
魔物によって種類が違い討伐の判定にも使われる
さて……歩くか
ダンジョンの奥に向かって足を進める
まぁ……1階の敵には、使う必要はないだろう
襲いかかってくる少し巨大な昆虫や狼や猫を蹴散らしながらフロアボスを目指す
途中で他のパーティーとすれ違ったが特何もしてこないので気にしない
確か……フロアボスは蛇だったな
フロアボスの部屋に到着した……蛇を相手に徒手空拳でいけるか?
まぁ……ヤバければ逃げればいい
フロアボスの部屋に入りフロアボスに蹴りを入れる。
怯みはしたが倒れない当然か………仕方ない使うか
右腕で魔法陣を空中に書き、魔法陣から両刃の斧を取り出す
真っ直ぐ向かってきたフロアボスの頭に斧を投げる
斧は蛇の脳天に突き刺さる2・3分ほど蛇はもがいていたが、地面に倒れ込んだ
動かなくなった蛇はクリスタルを残して消えた。
これで、1階の攻略は完了だ……ダブルトマホークを回収すると部屋に現れた2つの魔法陣を見る
1つは入り口に戻る魔法陣もう1つは次の階層に降りる魔法陣
このまま先に進むかそれともダンジョンから出るか……
そういえば確か……師匠は一気に攻略すると、注目を集めるから注意しろと言っていたな
………………………
出るか……
脱出用の魔法陣を使いダンジョンからでる
とりあえずフォールに行ってクリスタルを換金してもらうか
フォールの受付にクリスタルが入った袋を渡すと驚かれた
何故だ?
クリスタルを換金してもらいフォールを出る
因みに
青銅貨が百円
銅貨が千円
銀貨が一万円
金貨が十万円
金板が百万円
金塊が五百万円
白金貨が一千万円
白金板が一億
に該当する
確か、街の西側に店を出しているとの事だったな
師匠にもらった地図を頼りに街を歩く
10分程度歩くと目的地に到着した
ここか…ドアを開けて並べてある武器を見ずに店主に近づく
「すいません防具を売ってください」
カウンターの前で作業をしていた店主に言う
「おぉ!!でかくなったなエルス」
「リガンさんなんであなたが?」
「俺は広い鍛冶場があればいいんだよ」
「なるほど……小さい盾を2つとコイツ等を」
リガンさんの言葉に納得しつ注文をする
「盾はすぐに用意できるが他は時間がかかるぞ」
「了解しました」
「ほら」
カイトシールドを2つ渡され、すぐに両腕に装備する
カイトシールドは動きを邪魔をせず、顔や急所を守るには充分な大きさだ
それに金属なのに軽い
少し叩いてみると心地よい金属音が響く、これなら強度も充分そうだ
「気に入った様だな」
「はい……値段は?」
「1つ銀貨3枚をマケて2枚だ」
計4枚か……今日の稼ぎが銀貨1枚半
どうやっても足りない
仕方ない……餞別からだすか
銀貨4枚
少し手痛い出費にはなったが、まぁ金は稼げばいい
「リガンさんこの辺りにいい宿ありますか?」
「あぁ、それなら」この後リガンさんに宿を教えてもらいそこに一泊した
翌日
さてと、今日は2階からか
ダンジョンの入口には魔法陣があり、そこから始めの階層を選べる
当然1階も攻略していなければ、魔法陣は動作しない
2階に行く魔法陣を使いダンジョンに入った
さてと……今日はどこまで行くか
1階とたいして変わらないモンスター達を倒しながら道を進むが、盾を装備しているため
昨日より打撃の攻撃力が上がっている。
一撃で倒れるモンスターを尻目に先に進む
特に苦労することなくフロアボスの部屋の前までたどり着いたが、攻略か撤退かどうするか……
負ける事はない負ける事は、だが目立つのは避けたいが、先日の出費を考えると
あ~でもない
こ~でもない
仕方ない、なるようになる
部屋に入ると目の前には巨大な猪
腰を落とし拳を構える
さてと……戦闘開始だ
猪は真っ正面から突っ込んで来る
カウンター気味に猪の眉間を殴ると、ひっくり返り動かなくなった
攻略完了
ふぅ……
ため息を吐き出し脱出用の魔法陣でダンジョンからでる
フォールに向かい再び換金
金額は銀貨3枚
まぁ妥当な値段だ
明日は次の階の攻略を開始する
3階の攻略も1階・2階と同じように出てくる奴らを潰しながら先に進む
フロアボスの部屋の前に着いたが………あえて入らずに一歩手前のモンスターハウスにわざと入る
入口付近で群れているモンスターを蹴散らすと、少し前に入った同業者を見つけたが
1人以外は、全員死体になっているので正確には言えば元同業者になるが
生存者は奴隷か……とりあえず信用できる戦力候補をゲットだな
「大丈夫か?」
生存者の死角から襲いかかっていたモンスターを蹴り飛ばし声をかける
「すまない」
相手の耳と尾を見ると狼か犬の獣人のようだ…
「下がっていろ片付ける」
彼女を後ろに下げらせて右腕で魔法陣を書く取り出すのは、1階のフロアボスで使った斧
「行け!!」
斧をモンスターの群に投げるとモンスター達は頭や手足を切り裂かれ絶命していく
生き残っている奴らも動く様子はないので、放置しておけば勝手に死ぬだろう
ブーメランの様に帰ってきた斧を受け止め再び投げると何匹か俺に向かってきた……
さて雑魚掃除だ
俺に向かってきた奴らは壁や床に叩きつけ離れている奴らは、斧の餌食になる
数十分の戦闘の結果俺はモンスターハウスを壊滅させ、奴隷と大量のクリスタルそして遺品を手に入れた。
「フロアボスを攻略したい動けるか?」
周囲を確認し斧を回収して、獣人に話しかける
「あぁ……問題ない私はリアだ」
リアは立ち上がろうとするがフラついてしまう
「俺はエイスだ肩をを貸そう」
リアに肩を貸しながらモンスターハウスを出てフロアボスの攻略に挑む
「ここで待っていてくれ」
部屋の端にリアを下ろしてフロアボスを見る
今回の相手はなんだ?
よくわからないウネウネした生物が居る
ああいうタイプは……思いっきりジャンプをして盾を叩きつける
謎の生物は奇妙な動きをした後クリスタルを残し消えた
「よし!!」
「凄い」
クリスタルを回収し再びリアに肩を貸して魔法陣に乗った