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『ワールドマスター』/サイバーソーシャルネットゲーム  作者: 著者不明
ERROR3  『息衝く異世界プログラム』
24/109

プロローグ

「…………。……どうやらタイミングが悪い場面に出くわしてしまったようね」


 現在、俺たちが立たされている状況を端的にナーガが言葉にしてくれる。

 目の前には合いも変わらず喧々囂々と罵りあう二つのPT。片方は悪名高い山賊の《バンデット》たち、もう一方は相馬栄治がリーダーをしている《ホワイトフォース》の一団。


「にひひ。《ホワイトフォース》と《バンデット》はCSNゲームの楽しみ方が真逆に位置するセルズだからねぇ。まさに呉越同舟って感じだぁね」


 トラの冷静な物言いに俺は頭を抱えた。

 い、嫌だぁ! こんなことに巻き込まれたくなぁい!

 悶えていると、いきなりすくりとミライが立ち上がった。


「こらっ! みんな仲良くしなきゃダメだよっ! 喧嘩はやめなさーい!!」


 まさに『ババーン!』という効果音が似合いそうなミライの登場に、


「「「あぁん!?」」」


 二つのPTが眼を三角にして俺たちを威圧した。

 ちょ、ちょっとミライさーん! 殺されますってばー! マジでぇー!

 と、その時だった。まさに鶴の一声が教会内に響いた。


「あなたたちッ!! 神聖な場所で何をしているのですッ!」


 開け放たれた教会の両扉、そこに一人の女性がお怒りの形相で立っていた。

 おっと、他にもプレイヤーがいらっしゃいましたか……。どうやら教会に流れ着いていたのはここにいる3PTだけではなかったらしい。

 歳の頃なら二十歳手前といったところだろうか。純金を溶かしたような金髪を背中で靡かせた女性だった。腰には流麗な細工が施された洋剣の鞘をぶら下げている。その割には鎧などはつけておらず軽装だ。ネックレスをつけているらしく、首から銀色のチェーンが服の中――彼女のふくよかな胸元へと伸びていた。

 ほぅ、88のDカップか……!

 視線を彼女に合わせてみるが……名前は表示されない。どうやら非表示設定にしているらしい。

 彼女は教会内を順に見回すと、さらに厳しい顔になって鞘から洋剣を抜き放つ。

 ぎらりと光る白刃を突きつけられて俺たちの間に緊張感が走る。


「全員、見ない顔ですね……。どこの村から来たのですか! 名乗りなさいッ!」


 ……村? 村って……?

 彼女の不思議な言動に俺たちははたと顔を見合わせた。



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