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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

AIとの共同制作『人狼ゲーム』

人狼ゲーム『第二夜』

作者: 埋樹一二三
掲載日:2026/03/26

───『白石悠人(しらいしゆうと)が追放された。では、二日目の夜を迎えよう。』


冷たいノイズがかった声が響き、再び館内の明かりが消える。暗闇の中、誰かの足音が響く。

しばらくの沈黙の後、明かりが点灯する。


───『夜が明けた。…また1人、命を落とした。』


───床に倒れていたのは、山根健吾(やまねけんご)。直情的だが、正義心に溢れた好漢だった。


───────────────────────────────────────────────


「…白石悠人を霊視した。役職は──人狼だ。」

声を震わせながら、中原宗一(なかはらそういち)がそう言った。彼は元とはいえ、刑事だ。目の前でまた1人亡くなったのだ。到底看過できないのだろう。悔しさを滲ませている。

「やはりね。私とTさんの信用は、もはやゆるぎないでしょう。」

相沢玲奈(あいざわれいな)。占い師であることは、もう確定だ。何やら自慢げに私に視線を向けている。

「そっか、じゃあ七海ちゃんは…ううん、まだ決まったわけじゃ…」

木嶋芽衣(きじまめい)。先の議論で私の意向に反していた手前、気まずそうに何やらつぶやいている。

「あれれ~?私の占いではTが人狼だったんだよ?信じてよ。」

橘七海(たちばなななみ)。一番計り知れない人物。その緊張感のない振る舞いは、幼さゆえか…はたまた…。

「やれやれ、救命措置どころか、検死すらさせてもらえないとはな」

と冷静に言い放ったのは小田切拓真(おだぎりたくま)。医師であるが、その手腕を発揮できないことに不服そうだ。

「検死をさせてもらえない…か。何か運営側に不利益があるのか。」

黒須誠一。元弁護士なだけあって鋭い。ゲームを仕組んでいる側の情報を得ようと動いているようだ。

「い、今はとりあえず目先のことに注力しましょうよ…おじさま。」

森下彩花(もりしたさやか)。気弱そうに思えて自分の意見をはっきり言える女の子だ。

「はあ、どうでもいいから早く帰らせてくれ」

そう言ったのは藤井直樹。無職。

それにうんうんとうなずいているのが黒川凛。無口な女子中学生だ。

そして部屋の隅でうなだれているのは、花岡春香。気弱そうだったし無理もない。

それに甲斐甲斐しく寄り添っているのは保育士の田村美紀だ。


──「さて、相沢さん。今回の占い結果を教えてもらえるかな」

そう切り出したのは私。冷たいアヒル。略してTだ。

「言われなくても。私は今夜、木嶋芽衣を占った。結果は──人狼。」

こうなれば、あとは流れ作業だ。ほかの人狼の手がかりを吐き出させられればいいが、さて。

「え…?う、嘘だよ」

想定内の反論。しかし、反論材料は乏しく、涙を浮かべながら、俯いてしまう。


【「議論するまでもなく彼女が2人目の人狼でしょう。私は木嶋芽衣に投票します。」】


「そうだな。それに彼女は議論の流れを無視し、橘の意見を取り入れるよう言っていた。

人狼と分かればその行為にも納得できる。」

黒須のすかさずの追撃。もう人狼は決まったも同然か。

「で、でも!木嶋さんは狂人の可能性もありますよね?人狼でない人を追放するのは…」

森下が言う。すかさず小田切が口をはさむ。

「狂人であろうが、人狼に加担しているのは変わらない。少し乱暴だが、いないほうがいいとも言える。医師としては失格だが。この極限状態では仕方がない。」

「…どうでもいい。木嶋に投票する。」

と無気力無職が言い放ったのをきっかけに、みんなの意見は固まったようだ。


──『投票時間だ。誰を追放するか、決めなさい。』


──『集計完了。投票の結果、木嶋芽衣、11票。

──木嶋芽衣、追放。』


「…ふふ。ふふふふ…」

声の主の方を見る。彼女の瞳からは涙は消え、代わりに冷たい笑みが浮かぶ。

「あはは!バレバレだったね!でもね、まだ終わりじゃないよ?探偵さん。

まだ人狼が残ってるんだから。さあ、一体誰だと思う?」

心優しい少女の仮面が剥がれ冷酷な一面が露わになる。


それは、人狼の人格なのか。それとも本性か…。


「芽衣お姉ちゃん、何だかかっこいい!」

そんな無邪気な少女の声を背に、彼女は複数の黒子に連れられ、館の奥へ消えた。


───────────────────────────────────────────────


──【さて、今晩にまた誰かが人狼によって犠牲になる…可能性が高いのは、占い師である相沢玲奈、

霊媒師である中原宗一。そして、議論で目立ってしまっている私…さあ、どうなる…】


───『では、三日目の夜を迎えよう。』


もう恒例とばかりに館内の照明が消える。完全な闇が空間を支配する。

──闇に目が慣れようかというころ、照明が点灯する。


「──相沢さん!?」


予期していたことだ。だが思わず叫ぶ。

聡明で、冷静沈着。私に、不器用ながら信頼を向けてくれていた少女。

──相沢玲奈が鮮やかな赤に染まりながら、床に横たわっていた。


───────────────────────────────────────────────


「──木嶋芽衣の役職を霊視した。彼女は──人狼だ。」

握りしめた拳が、彼の無念を物語っている。続けて、

「占い師を失った今、頼れるのは俺の霊視と、探偵さん、あんたの推理力だけだ。」

一同が頷き、黒須が呟く。

「残るは人狼が1人、狂人が1人か。」

言って、私の方を見る。推理を促しているようだ。すっかりあてにされているな。私は。


【クソ、前回とは違い、明確な根拠がない…


「現時点で怪しいのは、森下彩花だ…彼女は全体的に、人狼サイドに偏った言動が多い。

前回の木嶋のときも、ほぼ彼女が人狼だと確定しているにもかかわらず、なおも擁護しようとしていた。ただ、狂人である可能性もある。

そして次点で橘七海だ。彼女は残虐な面を隠しきれていない。ただ本人が幼いのもあり、幼さから来る加

虐性なのか、人狼ゆえなのか、はたまた狂人だから議論を混乱させようとしているのか、判断できない。皆さんの意見を聞きたい。」】


「え…?私が怪しいって…?ち、違うよ!私はただ、みんなを信じたくて…!」

涙を浮かべる森下とは対照的に、笑いながら橘

「えー?私が人狼だって?面白い!でも、証拠はあるの?」

そう、占い師亡き今、確たる証拠がないのだ。

「そうよ、彼女はまだ子供です!証拠もなしに追放するのは、保育士として見過ごせません!」

田村の擁護を後押しに、橘が勢いづく。

「ねえねえ、私が人狼だってできるの?できないでしょ?だったら、彩花お姉ちゃんを追放すればいいじゃん!」


──ピリッと空気が張り詰めたのを感じた。

「橘七海。今、何て言った?」

元弁護士が、今や容疑者を糾弾する側だ。

その気迫にさすがの橘もたじろぐ。

「え?だって、彩花お姉ちゃんが怪しいんでしょ?だから、追放すればいいんじゃんって…」

この少女は、まだ自分の失言に思い至っていないようだ。

「あなたは森下彩花を庇うのではなく、売り渡すような発言をした。それは狂人ではなく、人狼の行動原理だ。」


【「そうですね。黒須さんの言う通りだ。どちらかが狂人であるのは明白。

狂人の性質上、人狼を庇う動きが自然のはず。しかし、橘七海は森下彩花を犠牲にしようとした。

これは狂人ではありえない。

根拠がなく、決めかねていたが、今のでハッキリした。私は橘七海に投票します。】


「わ、私は…人狼じゃないけど、でも、えっと…」

狂人も、人狼を庇う手立てを失ったようだ。ファインプレーだ。黒須さん。

そしてここまで言われてようやく理解したのか、橘はお手上げとでもいうように、両手をヒラヒラと動かしている。


───『投票時間だ。誰を追放するか、決めなさい。』


───『集計完了。投票の結果、橘七海、9票。森下彩花、1票。

───橘七海、追放。』


「あーあ、バレちゃった。でもね、楽しかった。みんなの怖がる顔、すっごく面白かったから!」

冷酷な少女は、そう笑顔で言ってのける。

「まだ、子どもなのに、こんな…」

絞り出すように花岡さんが呟く。

「じゃあね、みんな!また遊ぼうね!」


また、はないのだとこの少女は理解しているのだろうか。理解していてなお、そう軽口を叩いたのか。

小さな背中が館の奥に消えた今、その真意を知る手立ては、ない。


前話と同様、【 】内はほぼ原文ママですが、今回に限っては誤字・脱字があったのと、キャラ立て・ストーリーの都合上少し手直ししています。

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