人生の道(人生を道として表現し、その道に歩く話し)
気がついたとき 周りには誰もなく 僕は一本の長い道の上に立っていた。
道はまっすぐ遠くまで続いていて、どこまで行っても終わりが見えない。
幼いころの僕は、母の温かい手を握り道を歩いていた。
僕はただ、親の行くままについて行く
道ばたには花が咲き、空は明るく、世の中には知らない事は多く
転びそうになると母が手を強く握ってくれた。
迷いそうになると父が「こっちだよ」と声をかけてくれた。
あのごろ、人生の道は、やさしいものだと思っていた、いや、あまり何も思ってないかもしれない
少し大きくなると、僕は親の手を離して歩くようになった。
ただ親はあまり遠くない道から僕に見守っていた
同じ道を歩いているはずなのに、周りにはいろいろな人がいた。
何かに向かって走る人
ゆっくり歩く人。
立ち止まって空を見上げる人。
後ろを振り返って泣いている人。
みんな同じ道なのに
それぞれ、違う歩き方をしていた。
友達と並んで歩いた時期もあった。
笑いながら同じ景色を見て、同じ未来を話した。
でも、ある分かれ道で、友達は別の方向へ進んでいった。
「じゃあ、またね」
そのあと二度と会わない人もいた
気づけば僕は、もう大人になって大人と言う道を周りから歩かされていた
ある日、同じ速さで歩く人と出会った。
隣を歩くその人は、
僕と同じ景色を見て、
同じ方向を向いていた。
笑うタイミングも、
黙るタイミングも、
なぜか自然と合っていた
僕たちは手を繋いで並んで歩いた。
その人といると、
道の先が少し明るく見えた。
「このままずっと一緒に歩けたらいいな」
本気で、そう思った。
でも、道は分かれた。
理由ははっきりしなかった。
どちらが悪いわけでもなかった。
ただ、
同じ道を歩けなくなっただけだった。
「元気でね」
そう言って別れたあと、
僕はしばらくその場から動けなく
道は
急に、ひどく広く感じた。
僕は、しばらく立ち尽くしていた。
足元の道だけを見つめて、
前を見る勇気がなかった。
あの人と歩いていたときは、
気づかなかった音が聞こえてきた。
風の音。
遠くを歩く誰かの足音。
自分の呼吸の音。
ああ。。
僕は今、一人なんだ。
少しずつ、僕はゆっくり歩き出した。
速くもなく、
遅くもなく。
誰かに合わせる必要も、
誰かを追いかける必要もなかった。
道ばたには、
前に通ったときには
気づかなかった小さな花が咲いていた。
こんな景色、
あったんだな、と思った。
僕は、花の前で少ししゃがみこんだ。
誰かと歩いていたころは、
前だけを見ていた。
「次はどこへ行こう」
「この先どうなるんだろう」
そんなことばかり考えていて、
足元の世界を見ていなかった。
一人になって、
初めて気づく景色があった。
それからの道は、
静かだった。
にぎやかな声も、
笑い声もない。
でも、その代わりに
自分の心の声が
よく聞こえるようになった
ある日、
道ばたに古いベンチがあった。
僕はそこに座って、
しばらく休んでいると
いろいろな人が
僕の前を通り過ぎていくのを見えていた
楽しそうに話す二人。
重そうな荷物を背負った人。
泣きながら歩く人。
無表情で歩く人。
みんな、
それぞれの人生の道を
生きているんだ。。。
一人の老人が
僕の隣に座った。
「長い道ですね」
そう言って、
ゆっくり笑った。
僕はうなずいた。
「でも、不思議と
終わりは怖くないんですよ」
老人はそう言って、
また立ち上がって
歩いていった。
終わりが怖くない道。
それって、
どういう道なんだろう。。。
僕は、また歩き出した。
今度は、
少しだけ胸を張って。
誰かのためじゃなく、
昔の自分のためでもなく、
「今の自分」のために。
道は、相変わらず
長く続いていた。
でももう、
ひどく広いとは
感じなかった。
僕は今日も、
この人生の道を歩いている。
一人で。
でも、孤独じゃなく。
時には孤独で




