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第39話 研修と検証①



 それからギステルたちの間で僅かな交渉が行われた後、俺たちは迷宮1層へと降りていった。

 勿論、7人全員でだ。


「楽しみだなー! なあ、ゼナウの兄ちゃん!」

「……そうだな」


 結局1層の探索を同行することになり、ギステル率いる民間上がりパーティー3人と、俺たちで一緒に昇降機へと向かっている。

 ウィックたちは迷宮1層での実地訓練ということで、3人とも武装済み。

 流石に既製品の借り物らしいが、それ故に使い込まれた武器を背負う彼らはそれなりの経験を積んだ探索者にも見える。


「兄ちゃんはもう1層はとっくに攻略したんだろ? 同じ試験に受かったってのにすげえなあ」

 

 そう訊ねてくるウィックは身の丈程もある槍を背負っており、最後に会った時よりも一回り大きくなった様に思える。元々の高身長を合わせて探索者らしい威圧感ある体格になってきているらしい。


「ふん、どうせズルでもしたんでしょ?」


 その横でこちらを睨みつけているのは、相変わらず奇妙な、黒に一部灰色の房が混じった髪の女、アイリス。

 動きやすさを最優先した軽装――肌に密着するボディスーツの上から丈の短い衣服をまとい、急所のみを金属製の装甲(ガード)で装う彼女は、武器らしい武器は身に着けていなかった。


 代わりに腕には甲の部分に厚めの金属板(プレート)が入った手甲を。そして脚には鈍く光る脛当て(グリーブ)を身に着けている。

 特に脛当て(グリーブ)の方は軽く蹴飛ばすだけで頭をかち割れそうな、無骨でおっかない形状をしている。

 しかもそれだけ恐らくは特注品なのか、やけに光沢のある新品。


 とはいえ全体的には身軽そうな彼女の言葉に、俺は頷きを返した。


「まあズル……みたいなもんだな。相方が強すぎてね。正直俺は大したことはしてねえ」

「はあ……?」

「氷姫――いえ、カトル様ですよね。詠唱もせずに氷の上級魔法を操ると聞きましたが、本当なんでしょうか……?」


 期待外れの返答に首を傾げるアイリスに対し、魔術師らしい少年クトゥが恐る恐るそう言った。

 前は長く伸びて目元を隠していた茶の前髪は可愛らしい髪留めで避けられ、幼い表情が覗いている。

 後から聞いたらアイリスに指示されてつけているのだとか。


「ああ。すげえぞ。1層にいる鱗魚鬼(フログ)なんか一瞬で凍らせて……こうだ」


 パッと手を開いてそう言うと、目を見開いて「わあ……」なんてきらきらとさせている。

 魔法学校を卒業したての青年だった筈だが、顔と仕草のせいで随分と幼く見える。


 そんな彼は対刃の分厚いローブ姿に、六角棒を大事そうに握っている。

 あまり近接が得意ではなさそうだから、攻防共に用途のある棒を選んだのだろう。


「やっぱり凄いんですね……!! 一度見てみたいなあ」

「あー……そのうち見られるかもな」


 カトルなら頼めばやってくれるだろうが、いきなり見知らぬ人を連れてきて固まる可能性の方が高い。

 もう少し、他人に慣れてくれるといいんだがな。


「ゼナウはついこの間10層を突破して中級探索者になったからな。実力は本物だぞー」

「そうそう! そうらしいじゃねえか。すげえな、兄ちゃん」

「あれは……」


 運が良かったと言いかけてやめる。運は悪かったよな。絶対に。

 

「共闘した先輩方が優秀だったんだよ。俺は囮役で、大怪我喰らっちまったよ」

「それでもすげえけどなあ」

「ふん、アタシなら全部避けてやったのにさ」


 がちゃりと装備を鳴らしながらアイリスが胸を張る。


「……そこ、張り合うとこじゃ……」

「ああん? 何よクトゥ。口答えとは生意気ね」

「あ、頭はやめてくださいぃ……」


 フードを被ったクトゥの頭をがしゃがしゃと掻いてじゃれ始めた。


「……仲良さそうだな、お前ら」

「へへ、いいパーティーだぜ」


 民間からの選抜で出会った3人だが、いい関係が築けているようだ。


「……あの、どうして僕らも一緒に?」


 ふと、イランがそう言った。

 彼は先ほどから何やら手記のようなものを読みつつ、時折ウィックたちを冷ややかな表情で見ていた。

 彼からすれば、何の関わりもない連中と同行することになって不満でしかないだろう。


「急に悪かったな。こいつら、民間上がりで探索者の知り合いがいないんだよ」


 そんなイランに、ギステルが笑みを浮かべてそう言った。


「俺は浅層を自力で潜れるようになるまでの教導でしかなくてな。そこから先はこいつらだけで潜らなきゃいかない。そんな時顔見知りがいないとまずいだろ? だから知り合いを作っておきたくてね。特にイラン君は薬師だろ? これからきっと世話になる」

「それは……」


 本来、探索者になるのは貴族の子弟やら大店の商家の子どもなどの有力者の子息が殆どで、彼らはいくつかある学び舎に分かれて探索者に必要な教育が行われる。

 故に多くの新人が知り合い同士。


 民間上がりの俺たちはその点で大きな不利を背負っている。

 そのための教導役なのだろうが、あくまで上級探索者である彼は同世代の知り合いにはなれない。

 だからイランを誘ったのだとギステルは言う。


 それに対し、スイレンも笑みを浮かべて手を合わせた。


「とっても助かります。イランも、あまり知り合いがいませんから」

「ちょっと、スイレン……!!」

「ほ、本当でしょう……? だってあなた、学校でも1人で……」

「言わなくていいんですよ、そういうことは!」


 顔を真っ赤にして否定する彼は、息を整えながら口を開く。


「……分かりました! 分かりましたから……」

「おう、頼むな。素材を集めたいときとか、こいつらをぜひ頼ってやってくれ」

「よろしくな、イラン!」

「よ、よろしくお願いします」

「……よろしく」


 それぞれの挨拶を受けて今度は別の意味で顔を赤くしている。

 最初あった時は表情筋が死んでるのかってくらい無表情だったが、こうしてみると結構表情豊かなんだな。


「……はい。皆さんよろしくお願いします。僕はイラン。このスイレンの調薬クランに所属している薬師見習いです」

「なあなあ、薬師ってのは何するんだ?」

「あ、えっと……探索者向けの回復薬をはじめとする薬の調合を行います。後は――」


 楽し気に交流を始める新人たちの話を聞きながら、1階層へとたどり着く。



「よし、じゃあまずはこの階層の染獣、鱗魚鬼(フログ)の観察から始めるぞ。クトゥ」

「は、はい。風よ――」


 クトゥが詠唱を済ませると、全員に風の魔法が行き渡る。


『――ここからはあまり音を立てないように。俺が要求するまでは会話も返事もするなよ。じゃあ行くぞ』


 そう言って、俺とスイレンを除いた5人が水洞窟の奥へと進んでいった。

 イランの教導もそのままギステルに任せ、俺とスイレンは本来の目的を果たすことにしたのだ。

 

「で、では私たちも行きましょう」

「ああ」


 既に俺の両腕には新兵器――攻撃用の「毒撃ち」と移動用の「蔦撃ち」を固定している。

 毒の容器(カプセル)も3種類ほど持ってきた。

 これはスイレンに教わりながら地下で調合したもの。

 どれも10層までで確保できるようだから、これからは必要に応じて素材集めに来る必要があるだろう。


 俺らの方はいくら会話しようが問題はないので、ギステルたちとは反対の方向へと進んでいく。


「……で、何を調べるんだ?」


 横を歩くスイレンへ尋ねる。

 長い髪の上から分厚いマントを身に纏う彼女は唯一覗く左目をこちらへ向ける。


「あなたのその目、迷宮の物質を見分けられる、んですよね? なら、毒を染獣に撃ち込んだ後の変化が分かるんじゃないかと思いまして」

「変化、ねえ……」


 今まで戦ってきて、そんな変化を感じたことはない。

 強いて言えばこの間の4本腕の戦闘時に奴の力の移動を見極めて戦ったくらい。

 奴らの操る力――我々でいう魔力の集まる先が何となく濃度で分かる。


 そのことを伝えると、スイレンはぶんぶんと首を縦に振る。


「そ、それです……!! その力の移動が分かるなら、撃ち込んだ毒が回る様子や、身体が変質していく様子も、分かるんじゃないかなって」

「10層の主と戦った時は何もわからなかったが……」


 あの時には鱗魚鬼(フログ)の麻痺毒を使ったが、そういった変化は見えなかった。


鱗魚鬼(フログ)の毒は弱いので分からなかったのかもしれません。ただ、毒性の強力なものなら……」


 それこそ俺の目で見て()()()()程の毒ならば――ってことか。


「これを使ってください。私が特別に調合したものです」


 スイレンから容器を受け取る。

 中に満ちた赤黒い液体は、左目で見ると確かに強烈な光を放っている。


「これ、鱗魚鬼(フログ)に撃ったら即死しないか?」

鱗魚鬼(フログ)も、人も、間違いなく即死、ですね。耐性のあるゼナウさんでも、とっても危険です。なので取り扱いには気を付けてくださいね?」

「……」


 そんなものを気軽に調合して渡してくるこいつが怖え……。

 こいつがその気になれば国なんて簡単に滅ぼせるんじゃないだろうか。

 探索者区画を囲う壁の重要性がよくわかるよ……。


「しかし、この毒撃ち……鱗魚鬼(フログ)なら貫くか?」

「あ、そうですね。威力は低くして、何度か試し撃ちした方がいいと思います」

「だな……お、丁度いい」


 はぐれた個体を見つけたので、音を消して近づいていく。

 ルイ先輩たちの観察に使った姿消しの外套も起動して、すぐ傍まで接近し――毒撃ちを起動した。


 どん、と鈍い衝撃が腕を駆け抜け、仕込まれた杭が射出される。


「……いっ!?」


 腕がもげるんじゃないかってくらいの衝撃に必死で耐えて、腕が跳ね飛ばされないように抑え込む。

 その甲斐もあって、なんとか杭は真っすぐに放たれ、鱗魚鬼の背中を一瞬で貫いた。


「――ギッ」


 背中から胸に突き抜けた杭が鱗も中身も奴の前方へとぶちまける。

 しまった、突き抜けちまった。

 てか威力高すぎるだろ……。抑えてこれだぞ。

 そして――


「痛ってぇ……」


 右腕がとんでもなく痛い。

 骨が砕けたかと思ったが、なんとか繋がってるらしい。

 こっちも威力を抑えてこれだ。最大威力で撃ってたら、腕がぶっ壊れてたかもな。

 腕を擦っていたら、スイレンが近づいてくる。


「どうですか? ……あっ」

「駄目だな、威力が強すぎた。次はもう少し離れて撃ってみる」

「そ、そうですね……」


 そうしてもう2体ほど相手に試し撃ちをして、貫かなくて済む距離感を見つけた。

 代わりに俺の腕がボロボロだ……滅茶苦茶痛い。

 どちらの意味でもしばらくは威力は低めで運用した方が良さそうだ。

 11層の連中がそれで貫けるなら、だが。


「あの、大丈夫ですか? これ、回復薬です。飲んでください」

「ああ、悪いな……」


 少量の液体を飲み干すと、直ぐに痛みが引き始める。

 相変わらず凶悪な回復力だ。


「効きました? ……良かったです。私が特別に調合したものですから」

「……そうか、ありがとう」


 いちいち怖えぇ。

 最初の毒さえなけりゃ、いい人なんだがなあ……。




 気を取り直して、次は俺が調合した弱めの毒で毒の撃ち込みを試す。


「む、今度は2体いるな。どうするか」

「あ、で、では私がもう片方を拘束します。それなら撃ちやすいですよね?」


 そう言って、スイレンは長いマントの下から赤黒い塊を取り出した。

 輪っか状のそれを解くと――鞭が現れる。

 茨のように幾重もトゲが付いたそれが、彼女の得物らしい。


「じゃあ奥の奴に撃ち込むから、手前を頼む」

「分かりました」


 そのまま素早く近づき、適切な距離から杭を撃ち込んだ。

 

「――ギギッ!?」


 背中に走った衝撃と痛みで、鱗魚鬼(フログ)の身体が大きく震える。

 身体の中心まで貫いた杭の先端で容器が砕け、毒物が溢れ出す。

 それは奴の核や心臓といった主要な中身にすぐさま染みわたっていくだろう。


 ――よし、上手くいった。


 すぐさま背後へと振り向くと、そこにはもう1体の鱗魚鬼(フログ)が倒れていた。

 ぴくぴくと身体を震えさせて転がっている。


「……?」


 一体いつの間に?

 爆発音で聞こえなかったとはいえ、何の気配も音もしなかった。

 奥を見ればスイレンが笑みを浮かべて、鞭を手にして立っている。

 ……流石は上級ってことか。


 そのまま彼女もやってきて、2人で俺が穿った方の鱗魚鬼(フログ)を観察する。

 激痛で既に絶命しているが、胸に穴は開いていない。何とか貫かずに済んだようだ。

 そして毒も――わざと色を付けたそれがしっかりと流し込まれているのを確かめた。


「……いけそうだな」

「はい。ではこっちの鱗魚鬼(フログ)で試しましょう」


 今度は例の、スイレン特製の光る毒を撃ち込む。

 震えて倒れている鱗魚鬼(フログ)相手なので、楽に打ち込めるだろうが……。

 

「こいつに何をしたんだ? もう毒を撃ち込んだなら……」

「あ、それは大丈夫、です。軽く気絶させただけで毒は使ってませんから」

「……そうか」


 軽く殴っただけってことか?

 新人たちが必死に戦っているだろう染獣相手にそう言ってのけるあたり、彼女は紛うことなき毒の魔女である。

 まあ今はどうでもいい。


 そのままもう1体に毒を撃ち込んだ。

 震えていた鱗魚鬼(フログ)が更に衝撃で震え、体内に強烈な毒が流れ込む。


 瞬間震えながらも凄まじい断末魔を上げ、胸や首をかきむしるようにして鱗魚鬼(フログ)は即死した。


「えげつねえな……」

「あ、ゼ、ゼナウさん、観察を……!!」

「……了解」


 死体となった鱗魚鬼(フログ)の身体を左目で注視する。

 最初はよくわからなかったので、更に左目に意識を集中させていく。

 4本腕とは違って黄色く光るその身体に――更に濃い光が胸から広がっていくのが見えた。


「見えた」

「……!! どう見えますか……!?」

「光が貫いたところから奥に広がってる。枝分かれして、いくつか溜まっている所がある……球、じゃないな。変な形だが……これ、臓器か?」

「ふん、ふん……」


 見えた光景をそのまま口にして伝えていく。

 スイレンはいつの間にか取り出した手記に記録を書きなぐっているようだ。


「臓器の形、覚えておいてくれませんか? できるだけで、大丈夫です」

「分かった……あ」

「ど、どうしました?」

「光が消えた」


 必死に観察していた光が、いきなり消失したのだ。

 さっきまで見えていたのにどうしてだ?

 咄嗟にスイレンを見ると、彼女の表情は思っていたのとは違って変化がなかった。


「やっぱり、駄目でしたか」

「……というと?」

「多分、内臓が溶けちゃったんです。見てみてください」


 ナイフで穴を斬り広げると、彼女の言う通り、どろどろに溶けた中身が現れた。

 凄まじい刺激臭に思わず離れる。

 だがスイレンの方は気にせず顔を近づけて観察し始めた。

 しばらく観察と記入を繰り返した後、僅かに息を吐き出して手記を閉じた。


「毒が強すぎましたかねえ……。でも、動きが見えただけ、十分です」

「良く近づけるな……」

「ゼナウさんも直ぐにこうなりますよ? ……次はもう少し、下の階層で調べないとですね」


 どっちも勘弁してくれ……。

 刺激のせいで涙目になった状態でスイレンを見ると、「へへっ」と僅かに引き攣ったような笑みを浮かべた。


「で、でも、ゼナウさんの目はやはり凄いですね。あなたの目なら、迷宮のことが、もっとよくわかるかもしれません」

「……? どういうことだ?」

「……染獣と呼ばれる生物は、私たちの知る動物たちとは全く違う生態を、しています。ただそれを調べることはとても難しいんです」


 勿論この浅層に住んでいる程度の連中なら問題ない。

 ただ11層より下の深層となると話は違う。

 そもそも潜れるのは少数の精鋭だけだし、調査なんて余裕のある行為をできる奴らはその中でも更に極一部だけだ。


「私や、調薬クランのメンバーは染獣の調査も行ってるんです。生き物の内臓や分泌物も、薬の材料になりますから。それが、生物としてとっても強い染獣のものならば、もっと強力な薬になるのではないかと思うんです」

「……なるほどな」

「ですが、深層の戦闘は激しいので、大体、薬に使えるような状態で残されることは殆どなくて……」

「ああ……」


 アンジェリカ嬢の戦い方なんかはまさにそれだろう。

 剛力で両断され、血や分泌液やらがどろどろに混じった中身……薬には使えないか。


「あなたの目と私の毒を使えば、『欲しい臓器』を狙って確保できるんじゃないかなと、そう思うんです。それはきっと多くの人の命を、救います」

「……」

「といっても、染獣を薬に使うのは基本的に禁止されてるので、今は実績作りの段階なんですけど……それでも、いつかは……」


 毒の魔女。そう呼ばれたこの女は、調()クランの首魁でもある。

 その本懐は薬を作ること。

 そして迷宮の力で誰かを救うこと――そういうことなのだろう。


 毒を操るのも、迷宮に潜るのもそのため。

 俺は、この女のことを勘違いしていたのかもしれない。


 ……いや、普通に毒盛ってきたわ。ヤバい奴だわ。

 

 ま、まあ、ヤバい奴なのは間違いないが、それを役立てる『良いヤバい奴』なのだろう。多分。


「なので、余裕がある時で大丈夫です。深層の染獣の素材を持ってきてくれると、嬉しいです」

「……分かった。必要なものがあったら依頼をしてくれ」

「はい。……あなたの目は、きっと多くの人を救うことになる、素晴らしいものです」


 面と向かってそう言われ、気恥ずかしくなる。

 毒を盛ったり手助けしてくれたり、こんなことを言ってきたり。

 妙な女だ。

 だが、こいつのおかげで武器も手に入れられ、毒の知識も得られた。

 恩人と言っていい。

 少しはその恩返しを――。 


「だから、どうか、毒をちょっとだけ盛らせて調べさせてもらえ――」

「よし! そろそろウィックたちに合流しよう」


 適度に距離をおきつつこいつとは付き合おう。

 ただ、薬や毒の材料になりそうな素材については、調べておこう。

 そう思うのだった。

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