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信じたい未来  作者: はる
2/22

舞い上がる気持ち





東京某所。

今日は生憎の雨だ。いや、雨女としての本領とやらを発揮しているだけかもしれない。

でも、今日はせっかくの初デートだというのに。


重いのは空だけでは無く、気持ちまでやるせなくなってくる。おかぴーとの最後のLINEにまだモヤついている。あれから3日が経とうとしているのに。


『もうすぐ着くー』


彼氏からのLINE通知にニヤけてしまった。

彼は可愛い人だと思う。可愛いくて、不器用で優しい人。友人の知人たちからは″かわいい…?″と不思議がられたことがある。


たしかに童顔とかでも無く、高身長で声が低い。だから見た目は可愛いとは程遠いかもしれない。


『はーい、気を付けて来てね!』


口元のニヤけが止まらないまま、そんな返信をする。そんな中、立て続けにLINE通知があった。友達からのLINE。


『今日のデート楽しんで』


ただ、その言葉にさらにふふっと笑ってしまった。デートという言葉にすら舞い上がり、笑みが溢れる。


「あ…、居た」


聞き慣れた声が、駅の雑踏の中で聞こえた。姿が見えて、溢れた笑みをそのままに小さく手を振った。


「…?iPhone見てニヤけてた?」

「うん、友達からのLINEで」

「ふーん…」


彼氏はちょっとご機嫌斜めになった。その感じを横目に私は2回目のふふっという笑みを溢した。


「さ、行こうー?」

「…雨、結構降ってるね」

「んー?私が引き連れてきた」

「…やめてくれ」


少し困ったように眉を顰めた。

うん。そういうところが可愛くて好き。

たぶん、みんなに伝えてもよくわからないと言われてしまいそうだけど。でも、私だけが知っている可愛さがあってもいいと思う。だから、誰も知らなくていい。


この時間を思う存分楽しむ。

そう心に決めて、iPhoneを鞄の奥底にしまった。




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