赤くなった頬を冷ます
「ふーん…、だいぶ奥手だね」
一連のエピソードを聞き終えた北島さんは近くにあった棚を支えに頰杖をつきながらそう言った。
「奥手です…よね。うん…」
自覚はもちろんある。だけど、どうしたらいいのかわからない。それが正直な理由だった。自分からのアピールとかどうしたらいいんだろう。一言呟いた私はうーん。と唸り声を上げる。
「でもまぁ…、彼氏が頑張って耐えてる気はするよ?」
「……?耐えてる?」
私の反応に北島さんはふふっと笑う。そりゃあそうでしょ?と自信ありげに言う。
「やっと両想いになって、遠距離だったのにやっと会えたんでしょ?」
ニヤニヤと話す北島さん。さすがに次の言葉がわかってしまった。私は困惑と戸惑いを隠せずに「朝から何言ってるんですか!」と言いつつ、熨斗を印刷し終えたパソコンをシャットダウンする。
「ふふ、可愛いー!」
あぁ、もう。
暫く北島さんと東田さん話のネタにされてしまうだろう。そしてきっと、会うたびに「どうなの?」と聞かれるのが容易に想像がつく。そして、北島さんと東田さんは仲が良い。きっと迅速にエピソード共有もされていくんだろう。
「そろそろ準備しましょう!」
赤くなった頬を手で仰ぎながら、電気を付けてオープン準備をしていった。




