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情報の女神リピカをわからせる

挿絵(By みてみん)

リピカ・エンジェル

年齢/15歳

身長/156cm

体重/52kg

B/75cm

W/62cm

H/80cm

「二対一でもいいよ、決着がつくかもねぇ!」

 カーリーは、それぞれの腕を分裂させる。計四本となった。

 さらに、全ての手に刀剣シャムシールを出現させて握る。


「璃里音は性愛の女神候補だ、応じる意志があるならそっちで戦え」

 言いつつ、アテナも抜刀する。


「そんなの退屈!」

 当然のように拒否して突進してくるカーリーに、戦略の女神も構える。

「だろうな、故にまず動けなくしよう」

「できるもんならねぇ!」


 直前でジャンプして飛び掛かってくるカーリー。


「じゃがんばって♥」

 のを合図に手を振ってそばを離れる璃里音。


「遠慮ねぇな!」

 若干気を取られるも受けるアテナ、四本の腕のそれぞれ異なるタイミングと速度、方向からの剣を、上ってきたばかりの階段を下りながら器用に捌く。


 はずが。


 一太刀捌ききれずに後方へ回転ジャンプして避けた。


 叩きつけられたカーリーの剣は階段を両断。のみならず、砂浜を真っ二つにし、見渡す限りの海の果てまで裂く。

 モーセの割った大海のようになった海底まで見通せる空間に、再び海が戻って凄まじい波が起きる。


「ちっ、油断した」

 肩口を斬られて血を流し、アテナは悔しがる。

 その目前に再度跳躍して着地したカーリーは、挑発した。

「おやおや。あの小娘に気を取られ過ぎじゃないかい、新人を性愛の女神候補と認めてわざわざ案内するとこからして。よっぽどよかったってところかねえ」


「そうだな」あっさり認めた相手に、血戦の女神が驚いて隙を生じる。「おまえも体験してみれば早い!」


 たちまち、カーリーは三本の剣を折られて払われる。しかしアテナの剣にもひびが入っていた。


(長期戦を捨てた全力の振り!)

 血戦の女神は悟るも、先が読めない。


 カーリー最後の剣を弾くと同時、アテナの剣も折れた。戦略の女神はそいつを構わず捨て、手ぶらで突進してくる。


「なんじゃと!?」

 不意を突かれたカーリーにのし掛かって組み敷き、アテナは四肢による関節技を決めたのだ。


「今日は剣で決着をつける気がないからな」アテナは宣言した。「これで勝負ありだ」

「はあ!? なにをぬかすか。これじゃどちらも動けん、いつも通りの引き分けじゃぞ!」


 ざっと、倒れる彼女の頭上で砂を踏み締める音がした。


「やるじゃない、ざこお姉さん♥」

 両手をわきわきと動かして、襲いかかろうとする璃里音であった。

「さぁて、おばさんもいい身体してるじゃない♥ なまいき~♥ ちゃちゃっと、わからせちゃいますか♥」

「お、おばさんじゃと。このガキめが。よかろう、ならば貴様の舞台で戦ってやるわい!」


 それがカーリーの断末魔となった。


 三人の服が宙を舞う。


 来た、見た、やった♥


 数十分後。

「……ま、参りました」

 脱がされた水着で局部だけ隠した状態で、カーリーはしおらしくなって観念していた。


「はあ、朝から二人連続で女相手は初めてだよ♥ しかも3Pなんて♥」

 また乱れた服装でそばに立ち、璃里音はそれを見下ろしている。

「いいかげん、シャワーとか浴びたいんだけどね♥」


「それなら案内所にあるぞ、負けたしあたいが案内してやろう」

「おまえが邪魔したんだろうに」

 服を着直しつつ言うカーリーに、ちゃっかり自分も脱いでいたアテナも着直しつつ隣で呆れていた。


 かくして、城壁と一体化した案内所とやらには二人の女神が同行。改めて扉を開けた。


「ようこそいらっしゃいませ。女神様ですか、候補様ですか?」

 入り口のすぐそばカウンターテーブルで迎えたのは、眼鏡を掛けて翼と光輪を持つ天使の美少女だった。

「あっ申し遅れました」彼女は控え目な胸に手を当てて名乗る。「わたしめは受付嬢、情報の女神リピカ・エンジェルと申します」


 来た、見た、やった♥


「何でもお命じになってください、本日のリピカは璃里音様の貸しきりです♥」


 手っ取り早くこの世界のことを学ぼうと、出会って数秒で合体。乱れた服装となってわからされた天使であった。

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