表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

血戦の女神カーリーをわからせる

挿絵(By みてみん)

カーリー・マー

年齢/26歳

身長/165cm

体重/55kg

B/102cm

W/67cm

H/89cm

「じゃあさ、とりあえず案内人になってくんない?♥」

「ふむ、お安いご用だ」

 歩きながら依頼する璃里音に、後ろをついて来ながらアテナは応じた。


 砂浜を行きつつ、JSは進路先の街を指差す。

「あっちの人がいそうなとこにでも向かおっか。あんたも街で聞けって言ってたし、情報収集に打ってつけなのよね?♥」

「新人が流れ着く海岸沿いだからな」肩を並べて女神は答える。「こうなったからにはおれも教授してやれることはあるが」


「じゃあ、まずこの世界はなんなのか、貴方は誰なのか、目的地のあの街みたいなとこはどこなのか、わたしたちは何者なのか、どこから来てどこへ行くのか?♥ とか教えてよ♥」


「マジで遠慮ねーな」

 溜め息を一つ、アテナは語りだした。

「まず、この世界はガディス。女神及び女神候補が鍛練を積む世界だ、女神に相応しい才を持った女は、死後果てなき海からこのガディス大陸中央に流れ着く。外見年齢は自分で決めることができ、老化で死ぬことはない。おれは鍛練の末に戦略の女神アテナとなって、さらなる高みを目指して鍛えているところだ」


「会った時からんな気はしてたけど。ギリシャ神話の女神の、パラス・アテナなの?♥」


「さよう。多少、その手の情報は持っているようだな」


 ギリシャ神話のアテナはかつて主神ゼウスをも超えると予言された神だ。妻である知恵の女神メティスから生まれるとされた未来を変えるべく、ゼウスは身籠ったメティスごと丸呑みにしてしまった。

 こうしてメティスはゼウスと一体化したが、体内で生まれたアテナはゼウスの頭を割って出てきたという。これで、いちおうメティスから生まれたわけではないということになり予言は免れたらしい。


「ってことはさ♥」

 砂浜を過ぎ、街へと続く低い崖に設けられた手すり付きの綺麗な階段を上りながら璃里音は訊く。

「ざこお姉さんみたいな有名な人含めて、女神は全員元々死んだ人間の女ってことなの?♥」


「そのざこってのはやめて欲しいが、ガディスに伝わる歴史ではそうなっている」


「あたしにわからせられたから、呼び方の変更は却下。で、時代とかのズレはどうなるわけ?♥ ざこお姉さんは古代ギリシャから伝わる女神なわけで、あたしは二一世紀のロリ神レクイエムだよね♥」


 階段を上りきった。

 目前には、巨大な建物があった。いくつか通りを跨ぐ橋があるも全てが繋がっていて、まるで街を囲う巨大な城壁と一体なようだ。


『ようこそガディスへ。新人女神候補様、まずはこちらへどうぞ!』


 等の看板や幟で、そこへの入場を促す言葉が飾られていた。しかも日本語で。


「神に時間の流れなぞ関係ない」

 呆気に取られて足を止める璃里音の隣で、同じく止まるもアテネはさっきの質問に答える。

「時間の神すらいるのだ、おれたちはどの時代のどの世界にも存在できる。そして司るものによって現世に影響を及ぼせる」

 そこで、すぐ前にある問題の建物を指差す。

「詳しく知りたければ案内所に当たった方がいいな。海岸に面した建物は全体がそれだ……って!?」


 何かを見出だして、アテナは凛々しい顔をひきつらせる。


 いくつもある案内所とやらへの入り口。うち一番近くの両開きの大扉真ん前で、地べたに座って女が陣取っていたからだ。


「新人の案内なんて珍しいじゃな~い。アテナ?」


 そいつが口を利く。


 青い肌で、ほとんどビキニ水着みたいな服装にやたらとアクセサリーを纏っている。豊満な容姿で妖艶な大人の美女だった。


「うげっ、カーリー!」


 それで璃里音もセクシー美女を発見、案内所とやらから興味が移った。

「カーリー?♥ ヒンドゥー教の戦いの女神かな?♥」


「ああ、血戦の女神だ」嫌そうにアテナは認める。「戦闘狂の面倒な女だよ」


「あら~、随分な言い様じゃない好敵手のあたいに向かって」

 立ち上がり、カーリーはゆっくりと近づいてくる。


「おまえとは戦い飽きた、もう一億戦一億引き分けだろう。どうせランニングコースで待ち構えてたんだろうがな」


「当たり~、ご褒美に戦ってあ・げ・る!」

「いらんて」

 嬉しそうに飛び跳ねて申し出るカーリーを、アテナは食い気味で拒絶する。


「じゃあそっちの娘は?」ふと、血戦の女神が目線をJSに逸らす。「あんたほどの女が案内なんかしてるんだから、それなりに認めたってことよね。興味沸くねえ」


「こいつは戦闘向きの女神候補じゃないが……そうだ」

 何か閃いたように、身を屈めて隣人に耳打ちするアテナ。

「なあ、璃里音。あいつをおまえのテクニックで骨抜きにしてみないか? おとなしくなるかもしれん」


「できるの?♥」

 女子小学生は乗り気のようだ。

「エロそうな格好してるしスタイルもいい、いじってみたくはあるかも♥ それにさっきの話。あたしは性愛の女神候補で、その影響を現世にもたらせるとかってのもすっごく興味ある♥ 子供だからってあたしのエロへの才能を蔑ろにした世界をぶっ壊すのが夢だもん♥」


「よくわからんが同意してくれるようだな、おれが捕獲したところを攻めてくれ」


 かくして方針は決定された。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ