7話
今回と次回は説明が多いかもしれません。
それから3日過ぎ、週に一度の休日になった。
「やっと休日だ。今日は何する?」
「休みだねぇ。何しようか?」
「授業が始まって、この世界について少し知れたけど、まだまだ知らないといけないことも多いよなぁ。」
「そうだね。・・・ところであの本についても知らないこと多いから調べてみない?」
「そうだな。現れた鍵は何があるのか知りたいしな。」
そうと決まれば二人は本を出して、一番後ろに挟まっている鍵を出した。
「そういえば、合わせた時の模様って何を表してたのかな?」
「僕は覚えてない。どんな模様だっけ?」
「・・・えーと。」
ルイスが鍵を真剣に見つめた。
「・・・これ月の模様かな?月には見えにくいけど・・・」
ルイスの鍵を見てみると月には見えない。
「どこが月に見えるんだ?」
「目を細めてみると全体の形が三日月っぽくない?」
言われた通りに目を細めてみると何とか三日月に見えた。
「じゃあ。僕のも何かの形かな?」
自分の鍵をしっかり見てみた。ルイスにも見せてみた。
「これ太陽だよね。なんか丸の中に模様が描かれているけど・・・」
「・・確かに太陽に見えなくもない。」
「もしかして合わせた模様ってこの二つの模様が合わさったものだったのかな?」
僕は模様にあまり興味ないからこういう時はルイスに頼ろうと思った。
「で、この鍵はどのように使うんだ?」
鍵に魔力を流してみた。すると光りだして空中に綺麗な模様の鍵穴が出現した。
「何これ?ボクのもできるの?」
ルイスも同じように鍵に魔力を流すと僕が出したのと同じ綺麗な模様の鍵穴が出現した。
「さして回してみるよ?」
2人で鍵穴に鍵を入れて回してみると、白い空間に移動した。
「何これ?ここどこ?兄ちゃん分かる?」
不安な顔をして僕の方を向いてくるルイスに呆けた顔の僕。
「どこだろう?魔法だよな?」
すると鍵に描かれている模様と同じ模様が地面に描かれた。
そこから人が2人現れた。
「「誰?」」
片方はフードを深くかぶっており口しか顔が見えない。もう一人は、水色髪の後ろにポニーテールをしている。身長は大人ぐらいの身長だった。
ポニーテールをしている人が目を開けると、フードをかぶった人も一緒に動き出し、身長が僕らと同じに変化した後、フードの人は僕にポニーテールの人はルイスに膝をついた。
先に話し出したのはフードをかぶった人だ。
「お初にお目にかかりますご主人様。私は精霊神様の命よりご主人様の精霊になりました。属性はご主人様の得意魔法の火でございます。これからご主人様と共におりますのでよろしくお願い致します。」
次にポニーテールの人が話し出した。
「お初にお目にかかりますご主人様。私は精霊神様の命によりご主人様の精霊になりました。属性はご主人様の得意魔法の水でございます。これからご主人様と共におりますのでよろしくお願い致します。」
何が起こったのか分からず2人そろってぼーとしていた。
精霊の2人が顔を上げたことで我を取り戻した。
「ん?あなたは僕の精霊なんですか?」
「そうでございます。」
フードをかぶっているので全然顔が分からない。第一印象がフードって何だろう?怪しくない?
「ダメならそのままでいいのですが、フードを外して顔を見せていただいてもいいですか?」
「はい。仰せの通りに」
フードを外すと赤オレンジの髪色の癖毛なのかふわふわとした髪をした精霊だった。
「フードを外した方がいいと思います。」
「そうですか。では、この中でだけフードを外すと致しましょうかね?」
僕の隣でルイスも自分の精霊と話をしている。
この精霊たちの話し方、堅苦しくない?
「あのぉ。2人とも話し方堅苦しくないですか?」
すると僕の精霊が話し出した。
「私たちは、あなた達の精霊です。あなた達は精霊神様に選ばれた人達です。ですので、私達より立場は上ということです。ですのであなた達の命令には従いますよ。」
なるほど・・・精霊神が一番上だから、選ばれた僕たちの立場は高い位置にあるのか・・・?貴族社会でも公爵家だから上だし、あれ?これはめんどくさいんじゃ・・・はぁ。
「なるほど、分かった。じゃあこうしよう。堅苦しい話し方だとしんどいので、ここでは気楽に話をしたい。だから堅いのは無し!友達と話すように気軽に話してもらってもいい?僕たちもそうさせてもらうから。」
「ボクからも兄ちゃんの意見に賛成。気軽に話してほしい。」
「「我が主の仰せの通りに」」
「だから堅いって!」
「分かった。俺はこの話し方が楽だからこれでよろしくな。」
僕の精霊は、にかっと明るい笑顔をしてくれた。
「分かりました。私はこの話し方でいきます。」
ルイスの精霊は、ですます口調だけど優しい感じに変わった。
精霊のことをひと段落した後周りを見渡してみると、白一色。なんか疲れてくる。
「ここどこかわかる?・・・えーと、名前って聞いたっけ?」
「あー俺達は名前が無いんだ。だからアレク名付けてくれないか?」
「あ、僕!?・・・うーん・・・エイメイでどうだろう?前世の漢字で言うと影と明から取った。フードをかぶっていると影って感じだし、フードを取ると元気で明るい感じだからこれからよろしくなエイメイ。
「了解!名前ありがとうな。」
「ボクも名前付けるね。マチでどう?魔法の魔と沢山の物事を知るところから取ってマチ。」
「あぁ。気に入りました。ルイスありがとう。」
2人の名前が決まったことで、ここの空間について教えて貰う。
「まず精霊神様が2人に与えた転生特典は3つあります。一つ目。あなた達しか見ることも触ることもできない本。
二つ目。魔力量。三つ目。スキル。この三つです。」
「二つ目から説明していくぜ!この世界は王族に近い血筋から魔力量が多くなっている。レベルは1から100まで鍛えられる。レベルが上がるごとに魔力量も上がるんだ。まぁややこしいことは後でもいい。アレク達は今の時点で1,000も魔力量がある。王族でも100からスタートだ。」
ってことは魔力量が通常の10倍あるってこと?驚いた。
僕たちが驚いていると次の説明がされた。
「次にスキルだな。普通スキルは、この世界にあるダンジョンをクリアし、ダンジョンを生成した精霊と出会ってスキルを貰うんだが、俺達が付いてる時点でスキルが与えられているってわけ。俺が与えたスキルは、隠蔽。自分たちにとって不利なことを隠すことが出来る。例えばさっき言った魔力量をこの世界の普通の100に書き換えることが出来る。ただし、能力を隠すのであって下げたりはしてないから魔法を使いすぎると怪しまれるぞ!」
なるほどそういう使い方もあるんだな。
「私がルイスに与えた能力は、鑑定。任意の物を鑑定することが出来る。魔道具に興味あると思ってたから精霊神様から与えられたのだと思います。」
「そうなんだ。魔道具作り楽しみ。」
「私も協力致しますので作りましょう。」
「次に本についてなんだが・・・この本が特殊すぎて、説明が長くなりそうだから、先にお昼食べてきた方がいいよ。」
あれ?もうそんな時間?
「お昼食べてお昼寝してからまたこの空間に来てもいい?エイメイ達はその間何してるの?」
「俺はそうだなぁ。まだこの空間に何もないから精霊空間で休憩しとくかな。昼から本についてとこの空間についての説明をして、この空間にものが置かれるとこの空間で生活するようになると思うよ。」
「そうなんだぁ。ごめんね。この空間についてまだ知らないから何も出来なくて。」
「大丈夫よ。私たちはあなた達の精霊だからまた鍵を使って入って来てください。そしたら私たちもこの空間に召喚されますから。」
「うん。マチまたあとで。」
「エイメイもまたあとで!」
「出るときも鍵を使うよ。入るのと逆に鍵を回すだけだ。」
言われた通りに鍵をさっきと逆の方向に回すと自分たちの部屋に戻っていた。
部屋のドアを開け、お昼ご飯を食べに向かった。
読んで下さりありがとうございます。
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