4話
無事弟ルイスも祝福を終えて戻ってきた。
父様と母様は神殿長と神子様に挨拶をして、僕たちは神殿を出た。
公爵家の馬車が門のところで待っており、僕たちは馬車に乗って家へと向かっている。
「二人が全属性持ちだったとわな。魔力量も多いと聞いた。これからしっかり勉強して、制御ができるようにならんとな。」
「僕たちの他に全属性使える人っているの?」
「そうだった。魔法についてまだだったな。この国の国王は、全属性使える。王家の血が濃いほど全属性に適性が出る。王族でも全属性使えない人も産まれてくるが、適正属性は多い。使えなくても一つくらいだ。だからこそ今からしっかり学ぶ必要がある。君たちは全属性に適性があるから、決して使い方を間違ってはならんぞ。昼から家庭教師の人を呼んでいるから詳しいことは聞いて沢山学びなさい。魔法は人の生活を快適にし、幸せにするために神様が与えてくださったものだと言うことを心に刻みなさい。」
「「はい。」」
国王様は、全属性使えるんだ。ってことは、全属性使える人は珍しくないのかな?僕たちに与えられた転生特典ってなんだろう?
祝福の時は、本が出てきてびっくりしたし、新たな文字が書かれていたからもう一度確認する必要があるなぁ。
ルイスも本持っていたはずだから、聞いてみないといけないし・・・
今は、祝福のおかげで魔法を使えるようになったはず、まだ使い方は分からないけど、家庭教師から教えて貰えるから楽しみだなぁ。
馬車に揺られ、家にたどり着いた。
家の中に入ると母様が振り返った。
「3歳の誕生日おめでとう。お祝いは夕食時にするから、今から新しいあなた達の部屋を見てきて頂戴な。部屋は、ラシーとアメリの下よ。」
「お帰りなさい。父上、母上、アレクにルイス。」
「お帰りなさい。お父様、お母さま。アレクとルイス。」
兄様と姉様がお出迎えしに来てくれた。
「二人の部屋の準備は整っているよ。案内するから一緒に行こうか。」
僕たちは、兄様と姉様に連れられて自分たちの新たな部屋にやってきた。
部屋は、机とソファーがある部屋と2つの机とベッドがある寝室とお風呂とトイレと洗面所が部屋の中に付いていて、この部屋で暮らしていけそうなくらいの部屋だった。
さすがは公爵家だなと思った。
「とても広―い」
「広―い」
「気に入ってくれたかな?二人は一緒の部屋がいいかと思ってね。」
「うん、気に入った。僕たち一緒でいいよー。」
「よかったぁ。」
「気に入ってくれて良かったですね。兄様。」
兄様と姉様はとてもうれしそうな顔で部屋の中を案内してくれた。
部屋の家具は、パステルカラーの赤ピンクと水色で彩られており、僕の物は赤ピンクでルイスは水色だった。
部屋の確認後、父様のところにいくように兄様に言われ僕たちは父様がいる執務室に移動した。
「部屋はどうだったかな?」
「とても広くて、家具も好きな色でした。」
「それは良かった。これからはあそこが君たち2人の部屋だよ。」
「「はい。」」
自分たちの部屋の話をした後、父様は少し真剣な顔をした。
「アレクとルイスは3歳になり、無事祝福も頂いた。これからは公爵貴族としてのことを沢山学んでほしい。貴族にはやなければならないことや。考え方。人との付き合い。この国を支える重要な人物にならなければならない。特に公爵家・侯爵家・伯爵家は上位貴族になる。上位貴族は、国にとってもとても重要な貴族だからその分学ぶことも多い。しかっり学んでほしい。」
「「はい。」」
「では、君たちに家庭教師を雇ったから紹介する。」
すると3人の人達が入ってきた。
「左から順番に主に貴族の教養全般を教えて頂くサレス・ディディスカス。剣術や格闘技などの戦闘を教えて頂くガバト・アザミ。魔法についての全てを教えて頂くティアーナ・プロティア。以上3名が家庭教師だ。では改めて紹介をお願いします。」
「私は、ディディスカス伯爵家のサレス・ディディスカスと申します。学園は学年主席で卒業致しました。そこで公爵様に声をかけていただき。シンビジューム公爵家で家庭教師として雇っていただくことになりました。2人が立派な貴族になれるようにお手伝いいたしますので一緒に頑張りましょう。」
「俺はガバト・アザミ。家は騎士爵家。もとは平民で学園卒業後シンビジューム公爵家にスカウトされて公爵騎士団として仕事をしている。第一騎士団団長です。よろしくな。」
「私は、ティアーナです。エルフ族なので家名がありません。主に魔法の全部を見させてもらいます。全属性に適性があるとお聞きしていますので、とても楽しみです。一緒に魔法を使えるようになりましょう。」
「明日から勉強が開始される。家庭教師が付くのは学園入学する前まで、家庭教師の皆さん息子たちをお願いします。」
「「「はい。」」」
「2人とも挨拶を。」
「はい父様。僕はアレク・シンビジュームです。シンビジューム公爵家次男で、隣が双子の弟ルイスです。」
「ルイス・シンビジュームです。」
「「よろしくお願いします。」」
お辞儀をして顔を上げると先生たちが優しそうな笑顔をしていた。
そこからは勉強・戦闘・魔法の勉強をするスケジュールを組むことになった。
この世界は、日本と同じで、1日が24時間になっている。1週間6日で30日まである。一年は12か月であまり日本と変わらない。
午前中は、貴族教育と運動をして、昼は昼寝後、午後は魔法の授業をして終了となる。
午後の魔法の授業は一日おきで、魔法の授業がない日は貴族教育となる。
週5日はこのスケジュールで一日は休息の日にするスケジュールが組まれた。
予定を決めた後解散となり、僕たちは新しい部屋に戻った。
「明日から勉強が始まるんだな。日本にいたときはこの年で勉強なんてしなかったのに・・・」
「ほんとだね。兄ちゃん。祝福試してもいい?」
「ん?魔法を使うのか?魔法を教えて貰ってからの方がいいと思うが・・・」
「魔法じゃなくて本だよ!祝福の時変化したでしょ?」
「あぁ。ルイスも変化したのか、一緒に確認してみるか?」
「うん!」
2人でくつろぎながら本を想像してみた。すると目の前に1歳の時出現させて、祝福の時に変化した本が出てきた。
色は、僕が赤で、弟が青色をしていた。両方以前出した半透明の本だった。
表紙には僕たちの名前が書かれていた。
1ページ目には、ステータスと書かれた欄があり、適正とスキル・加護が書かれていた。
ルイスの本を見ると中身を見ることが出来た。スキルに鑑定と書かれていて、それを知ったら僕の本のページがめくれ、スキル欄に鑑定の文字が記載された。
「今ルイスのスキルを知ったから、僕の本にスキル名が載ったよ。」
「ほんと!?見せて~」
ルイスが覗いてきたので見せた。
「ほんとだね。効果とかも分かるのかな?」
表示された文字に触れるとウィンドウが出てきて、スキルの説明書きが現れた。
[鑑定]見たものすべてを鑑定することが出来る。
鑑定できる範囲は人によって異なる。
と書かれていた。
鑑定できる範囲は人によって異なる。ってどういうことかな?と思いもう一度自分のステータスを確認した。
するとスキルの横に(UR)と記載されていた。
「スキルのレア度?これによって変わるのかな?」
「たぶんそうかも。URってことはゲームで言う一番レアなんだと思う。」
「なるほどな。」
弟は、前世でこのレアリティが出るゲームをプレイしていたからレア度には詳しかった。
こうして本についていろいろ見ていると、最後のページの横背表紙の裏に不思議なマークを見つけた。
「このマークってなんだと思う?」
「どれ?ボクのにもあるかな?」
ルイスも同じページを出すと同じ不思議なマークがあった。
「これなんだろう?兄ちゃんのと合わせてみる?」
「そうだな。合うのかな?」
本をマークが合うように考えながら試していると、ぴったり合ったタイミングで光だした。
光の中から鍵が2つ出てきてそれぞれの手の上に降りてきた。
「この鍵って何かな?どこに使うんだろう?」
「さぁ。今日はもう遅いし明日考えたらいいんじゃない?」
「そうだね。」
「それにしてもこの本ってまだ隠された機能が沢山あるんじゃ・・・」
「精霊神様がボクらのために与えてくれたものならしっかり使いこなしたいよね。」
「そうだな。」
鍵の直し方を考えてたら本の中に消えていった。
不思議なマークがあったところが無くなり、鍵のマークの栞が挟まれていた。
本を片付けると新しい布団に包まれて僕たちは眠りについた。
読んで下さりありがとうございます。