2話
どうもこんにちは、僕はアレク・シンビジュームです。隣は僕の弟ルイス・シンビジュームです。
昨日は兄様の魔法を初めてみて、この世界に魔法が存在していることを知りました。
魔法と異世界転生と聞いて、チート能力があり生まれた時から無双するストーリーはよくある気がするのですが、この世界は5歳にならないと魔法が使うことができないという不便な世界だなと思う今日この頃のアレクです。
本日の予定は特になし、だって僕達まだ1歳だよ。やることとできることが少ないんだよ。
やることは良く寝て良く食べる事。家族と仲良くすることくらいかな?
僕たち家族はとても仲が良いです。
夜ご飯は家族そろって食べますし、父様も優しいと思いますが、公爵家当主としての雰囲気もあると思います。僕が言うのもなんですが・・・かっこいいんだよ!
僕たちも父様みたいにかっこよくなるでしょうか?兄様は絶対かっこよくなりますがね。
さて、本日は何をして過ごそうか?
『今日はどうする?弟よ。』
とりあえず、一緒にゴロゴロしている弟にテレパシーを送ってみた。
『う~ん。昨日は兄様の魔法をみたし~、ボクたちが使えるのは3歳になってからなんでしょ?』
『そうだね。』
『早く魔法が使えるようになりたいよぉ。これじゃあ精霊神に楽しめと言われてもどう楽しんだらいいのかわからないよぉ~』
『そうだね。せめて何か出来たらいいのになぁ。』
すると僕たちの上に赤と青の光が輝きだした。
寝ている体を起こし、絨毯の上に座りなおすと、光がおさまり赤と青の半透明の本が出てきた。
『これは何?ボクたちの願いが届いたってこと?』
『どうなんだろう?とりあえず開いてみる?』
僕は赤い本。弟は青い本を開いてみた。
1ページ目に僕たちの名前が書かれており、2ページ以降は白紙という結果だった。
『これ僕たちの名前以外何も書かれていないね。』
『そうだな。これは何なんだろう?』
『調べてみないといけないのかな?白紙・・・ってことはメモをする事は出来るのかな?』
するとガラスペンみたいな綺麗なペンが出てきた。
とりあえず、日本語を書いてみてた。
すると普通に書くことが出来た。
すると〖精霊神がくれたお絵描き道具?〗と僕の本に文字が浮かんだ。
『文字送れてる?』
と弟が話しかけてきて僕は驚いた。
どうやらこの本に文字を書き弟に送りたいと思えば、弟の本に反映されるみたいだ。
『こういう使い方もあるんだな。』
『日本で言うメールかな?文字を消したいときは・・・』
そういって書いた文字を指でなぞってみた。すると文字が消えた。
今度は何も考えずに文字をなぞると文字が残っていた。
『これはどういう仕組みなんだろう?』
次はこの文字を消したいと思って書いてある文字を見てみた。すると文字が消えた。
『僕たちの思った通りに文字が表示されるってことかな?』
すると弟のルイスもいろいろ操作していた。
『この本については、まだまだ調べないといけないんだね。』
『とりあえず母様に見てもらう?』
『そうだね。』
自分たちで考えていても分からないままだと思ったので、母様の部屋に行くことにした。
部屋の扉の前に行くと後ろから付いてきていたメイドがノックをして入室許可を取った。
サラに案内してもらい母様の前にやってきた。
「アレク、ルイス、今日はどうしたのですか?」
「「きのうは、ありがとうございました。」」
「昨日のラシーの魔法はどうでしたか?」
「「とてもかっこよかったです。」」
「あなた達はどんな魔法が使えるようになるのかなぁ?今から楽しみです。」
「あ、そうだ。さっきまほうのことをかんがえていたら、こんなものがでてきたのですが・・・」
そういって僕は赤色の半透明の本を出した。
「何か出したのですか?私には見えませんが・・・」
「いま、ほんをだしました。」
「そうなのですね。ルイスはこの本を見ることが出来ますか?」
「にいさまのほん、見えますよ。」
「そうなんですね。二人には見えるということですね。これは魔法の一種かもしれません。父様には私から伝えておきますので、くれぐれも誰にも言ってはなりませんよ。サラもいいですね?」
すると母様の後ろに控えていたサラが頷き僕たちは本をしまった。
『この本は誰にも見えないものなのかな?』
『精霊神が持たせてくれたものだから他の人には見れないのかもしれないね。』
僕たちはお互いの顔を見て頷いた。
聞きたい話が終わり、母様の部屋のソファーで休憩していると、ノックが聞こえてきた。
「アメリアと申します。お母様入ってもよろしいでしょうか?」
すぐに母様はサラに合図を送り、ドアを開けた。
そこには僕たちのお姉さまである。アメリアが立っていた。
ドアが開くと綺麗な姿勢を維持し部屋に入ってきて、母様の前に行くと綺麗に貴族の礼として、右手を胸の真ん中に当て、左手でドレスを少し持ち上げ、右足を後ろに引き、左足を少し曲げた。この国での女性の礼をして見せた。
「お初にお目にかかります。ルレム・シンビジューム様。私、シンビジューム公爵が娘。アメリア・シンビジュームと申します。以後よろしくお願い致します。」
すると母様は、
「アメリア様。お顔をあげてくださいませ。私もよろしくお願い致します。」
と言って、手のひらを下にして左手を前に出した。
お姉さまは顔を上げ、胸に当てていた右手で母様の左手をしたから受けた。
すると二人とも笑顔になった。
「どうでしたか?お母様?」
「とても良い挨拶でした。成長しましたね。」
どうやら、この世界の挨拶みたいだ。
僕たちは、アメリア姉様の近くに行った。
「「ねえさま。こんにちは。」」
「アレクとルイスはお母様のところに来ていたのね。会えてうれしいわ。」
姉様は、僕たちにハグしてくれた。
僕たちの姉様は、僕たちの3つ年上の4歳です。
「ねえさまきょうは、どうしておかあさまのところに?」
「昨日兄様が、アレクとルイスに魔法を見せたって聞いたから、私も今習っていることを見てほしくて来たんだよ。」
「ねえさま。きれいでした。」
「ありがとうルイス。」
姉様はルイスの頭をなでてソファーに座った。
するとサラが紅茶とクッキーを持ってきたので、食べ始めた。
僕たちは、それぞれのおやつを食べながらくつろいだ。
「ねえさまは、まほうがつかえますか?」
「少しだけだけど使えるわよ。」
「そうなんですか!みせてほしいです!」
「ぼくもみたいです。」
「分ったわ。お母様アレクとルイスに魔法を見せてもいいですか?」
「いいですよ。では、氷魔法で結晶を作ってください。」
「分かりました。」
そういって、ソファーから降り、僕たちから離れて魔法を使いだした。
「水の精霊よ。私に氷の結晶を作る力をお貸しください。」
そういうと姉様の手の中が少し光りやがて氷の結晶が出来ていた。
「「すごい!」」
「上手くできた!アレク、ルイス見て~」
近くで見せてもらうと、綺麗な雪の結晶でキラキラしていて綺麗だった。
その後もお話は続き、サラが終わりを告げ、姉様と僕たちは自分たちの部屋に戻った。
ベッドのなかで・・・
『姉様の魔法も凄かったな。』
『そうですね。魔法を使う時呪文がいるのかな?』
『どうだろう?とりあえず、祝福が貰ってからかなぁ?』
『そうですね。』
そんな話をしながら僕たちは眠りについた。
読んで下さりありがとうございます。