1話
専属メイドを侍女に変更しました。
よろしくお願いします。
「「おぎゃ~。うぎゃぁ~。」」
その日、公爵家で元気な双子の男の子が誕生した。
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精霊神から異世界へ飛ばされて僕たちは、まぶしい光で目が覚めた。
目が覚めてから周りを見ると、沢山の人に囲まれており、ビックリしてそのまま眠りについた。
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僕たちは、1歳になった。
1歳になり分かったことが沢山ある。
まずは自己紹介をしよう。
僕の名前は、アレク・シンビジューム。シンビジューム公爵家の次男です。双子の弟は、ルイス・シンビジュームで三男。僕と一緒に精霊神から異世界へ飛ばされた。前世からの双子の弟です。
自己紹介で言った通り、僕たちの家はシンビジューム公爵家。父トニス・シンビジューム。公爵家御当主様です。母ルレム・シンビジューム。公爵夫人です。僕たちには兄と姉がいてまして・・・。シンビジューム公爵家長男ラチシオ。僕たちと5歳離れているお兄ちゃん。長女アメリア。僕たちと3歳離れているお姉ちゃん。以上6人家族なのです。
その他にも公爵家なので使用人は沢山います。僕たちは毎日沢山の人にお世話されて成長しています。
『兄ちゃん?ぼーっとしてどうしたの?』
あ、みんなに家族の説明するのに、ぼーっとしていた。
今僕の隣にいるのは弟のルイスで、今は二人でお絵描きをして遊んでいるところだった。
さっきの『』このかっこは僕たちの特殊能力みたいなものでテレパシーです。
今はまだ上手に話せないからテレパシーを使って会話をすることが多い。
『ごめん。ぼーっとしすぎたみたいだな。今日は何を描く?』
『ボクは、兄様と姉様の絵を描こうかなと思っているけど、兄ちゃんは何描くの?』
『なら僕は、父様と母様の似顔絵でも描こうかな?』
こうして二人でテーマを決めて遊んでいる。
まだ1歳だからできることが限られているので毎日二人で遊んでいる。
1歳のお絵描きは、傍から見たら何を描いているのか分からないだろう。
なので、少しずつ描いて上手く描けるようになり家族を驚かせたいなと二人で企んでいる。
数分が経ち、僕たちの絵は完成した。
「「できたぁ~」」
「坊ちゃまたち休憩になさいますか?」
すると部屋の隅に居たメイドが1人ジュースの入ったコップを持ってきてくれた。
「「ありがとう!」」
僕たちは笑顔でジュースを受け取り、自分たちの絵を見て休憩する。
『兄ちゃん。なかなか上手く描けないね。』
『そりゃ僕たちこの世界に生まれて1年しかたっていないんだぞ。こんなもんだろ。』
僕たちの絵はカラフルに色が混ざった独特な絵を完成させていた。
『これから練習したら、見せれる絵になるよね。』
『大丈夫だよ。できるようになるよ。』
『そうだね。ところでこの絵どうする?とりあえず母様のところに持っていく?』
『そうだな。父様は仕事中だから入れないと思う。これ飲み終えたら母様のところへ行こうか。』
僕たち二人はジュースを飲み終えた。
「いまから、かぁさまのところにいきたいのですが、いいですか?」
僕は後ろにいるメイドに声をかけた。
「只今、聞いてまいります。少々お待ちください。」
メイドはからのコップを持って部屋を出ていきました。
2分ぐらいで戻ってきました。
「奥様は部屋にいらっしゃいます。」
どうやら母は自分の部屋にいるそうだ。
「わかりました。このえをもっていまからいきます。」
2人は自分の描いた絵を持って部屋を出て母の居る部屋に向かいます。
母の部屋は僕たちの部屋の近く。
この国では、3歳までは母から近い部屋で過ごし、3歳からは一人部屋を与えられ過ごすようだ。
母様の部屋の前まで来ると後ろについているメイドがドアをノックした。
「アレク様とルイス様が到着しました。」
すると部屋の中から足音が聞こえきて部屋が開いた。
部屋を開けたのは、母の侍女のサラだ。
「どうぞ。」
僕たちは部屋の中に案内された。
母の部屋の中は、シンプルで可愛らしいデザインになっており、使用している生地が高級品なので上級貴族のオーラが凄いのだ。
「かぁさま。にぃさまとえをかいたのでみてほしいです。」
ルイスが笑顔で母様に近づき絵を見せた。
「まぁ。二人ともありがとう。何を描いたのかしら。」
お母様は笑顔で僕たちの絵を受け取り、眺めている。
「ぼくは、とぉさまとかぁさまのえを。」
「ボクは、にぃさまとねぇさまのえをかきました。」
「まぁ。二人ともよくできているわ。この絵は頂いてもいいのかしら?」
「「いいよぉ。」」
「ありがとう。父様とラシーとアメリにも見せていいかしら。だってよくできているんですもの。」
「「いいよぉ。」」
こうして僕たちは無事絵を母様に渡し、母様の部屋でのんびりしているとドアからノック音が聞こえてきた。
「母上。ラチシオです。入ってよろしいでしょうか?」
ドアの向こうから兄の声が聞こえてきた。
母様はすぐにサラに合図をし、ドアを開ける。
「母上。ありがとうございます。アレクとルイスも母上の部屋にいたのだね。元気かい?」
「「にぃさま。げんきだよぉ。」」
「そうか。二人が元気で俺は嬉しいよ。」
「ラシー要件は何でしょうか?」
「そうでした。母上、今日学園入学テストの練習で魔法を使ってみたのですが、よくできたので見てほしいなと思っただけです。アレクとルイスが遊びに来ているので無理ですよね?」
「あらまぁ。おめでとう。私にラシーの魔法の成長を見せてください。」
「はい!ありがとうございます母上。」
「「魔法!!」」
僕たちは魔法と聞き、キラキラした目で母様と兄様を見上げた。
すると母様は笑顔で僕たちの方を見た。
「アレクとルイスは魔法に興味があるのですか?ラシーの魔法を一緒に見学しますか?」
「みたい!!かぁさま!にぃさまのまほうをみてもいいですか?」
「いいですよ。一緒に見ましょう。ですが、母様の横でおとなしくしているのですよ。」
「「はーい!」」
こうして、僕たちは母様と兄様に抱っこされて家の敷地内にある魔法が使える演習場に来た。
演習場の中はとても広くて、どんな魔法を使っても安全だと思える安心感がある建物だった。
「私たちの家は、この国1番の魔力が多い一族なのよ。だからこうして、私たちが魔法を使っても壊れない施設があり、ここで魔法の勉強をするのですよ。」
と母様に教えて貰った。
今、僕たちと母様は演習場の観客席っぽく椅子が並んでいるところに座って、兄様の魔法を楽しみにしながら待っている。
兄様は僕らの視線の先で、魔法を放つための準備をしていた。兄様と反対の位置には、魔法を放つ的を用意している人がおり、兄様に向かって何かを話している。
すると兄様が真剣な表情になり、的の近くにいる人が離れたとたん、兄様の手から炎の塊が出現し、的に向かって飛んで行った。
「「っわぁ!!すごい!」」
生まれてから魔法をまだ見ていなかった僕たちは、兄様から放たれた魔法に見入っていた。
すると兄様は僕達の方を見て笑顔で手を振ってくれた。
「おかぁさま。ぼくたちもまほうがつかえるのですかぁ?」
僕は母様の方を向いていった。
「そうねぇ。魔法はあなたたちが3歳になり、神殿へ行き精霊神にお祈りをすることで使えるようになるのよ。」
なるほど、この世界では、3歳から魔法が使えるようになるのか。
精霊神ってことは、僕達をこの世界に連れてきた神様だからどんな魔法が使えるようになるんだろう。
「ねえさまもつかえるのですか?」
「ええ、魔法を使えるわよ。今度見せてもらいましょ。」
「「うん。たのしみ!」」
母様と話していると、兄様が僕達のところに戻ってきた。
「母上どうでしたか?」
「ラシーまた一つ成長しましたね。これからも日々努力を続けるのですよ。」
「わかりました。母上、今日はありがとうございました。」
そういうと兄様は出口の方へ歩いて行きました。
「「にぃさま。かっこよかったです。」」
僕達は一緒に大声で言いました。
すると兄様は振り返り、笑顔で手を振った後、自室へ帰っていきました。
僕達も母様と一緒に部屋に戻り、休憩をしました。
時間になり家族みんなでご飯を食べた後、部屋に戻りゆっくり眠りについた。
読んで下さりありがとうございます。