ステータス詳細とナイショ
それから数日。
バルドニア家は領地赴任への準備に追われることとなった。
それはフラン母さんも同じで、
おれは、リーリに抱っこされ、
麒麟、女神と共に過ごすことが多くなった。
家に居てもドタバタうるさかったり、
あまり役にも立たないので、
王都を出歩くことにした。
麒麟は物知りなので、
父さんに助言するために
席をはずすことも多くあったが、
できる限り傍に居てくれようと
しているようだった。
そうそう。
リストバンド。
見つからないようにしていたが、
リーリに見つかってしまった。
しばらく俺の腕を上げ下げしながら、
取れないことを確認すると、
無言で顔色を伺ってきたので、
人差し指を口許にあてて、
「ナイ、ショ」
と言うと。
「分かりました。アス様とリーリのナイショにしておきます。
」
と笑顔で答えてくれた。
その後でオーバーと念じ、
リストバンドを消すと、
「えっ、消えた。
不思議ですね。消えるんですね。」
いきなり消えたことに驚いている。
仕方なく、念のため、
麒麟のカイロスに
説明の面倒事を丸投げすることにする。
「キリンくれ、た。の、ナイショ」
すると、
「麒麟様の!?・・・」
と言い何やら自己完結したらしく、
「これも内緒なんですよね。。」
と小さく呟いていたので、
頷いておいた。
カイロスごめん。。
「危なくはないですよね。。」
と独り言のように言うので、
「うぅん。」と曖昧に小さく言っておいた。
あとでカイロスに事情説明を頼もう。
護身アイテムと説明して貰えば大丈夫だろう。
まぁ。嘘ではない。
神界のオーバーテクノロジーということを除けば。
そしてそれから、幾度となく
リーリが、あれ見せてくれませんか?
と言ってくるようになった。
見ても分からないのに。
何せ日本語表記だからね。
どういう風に護身するのか
気になるのかもしれない。
その度にナイショと首をふる俺。
まぁ、不思議だし、気になるんだろね。
魔道具も珍しいし、消えることなんて、
それこそないのが当たり前の現象だし。
と言うわけで、これ以上面倒事を
増やすわけにもいかず、
こっそり1人でこそこそと
中身を確かめた。
分からないことはカイロスに
念話で聞く。
やっぱりやばいのが、
ギフト
環境適応SSS。
そして若干ショックを受けた。
精神的ダメージが。。
これは意識して使用することで、
訓練の効率まで上げてくれる。
つまり、あの恥ずかしの
だぁだぁ体操。。
これを知ってれば、もっと早く成長できたのかも。。
オンオフが選択できる。。
今までオフになっていたのか?。。
よく分からないのは、
ステータスを確認してから
スキル統合が勝手に行われたと
いうことは、
ステータスを確認しないと、
スキル取得にならないということ?
今回だけなのか、それとも自動で取得はできるのか。。
今後少し検証が必要かもしれない。
このギフトに関して、
カイロスが言うには、
ずっとオンにはしないほうがいいらしい。
適応しまくる。
そのうちわけわからん触手とか生えてくるかも?なんてことを言っていたが。
なにそれ、ちと怖い。
そんなの生えてきたら、
お嫁にって…もうボケはいいか。。
えぇと、、ゴホン。。
ちなみにちゃんとノーマルです。
リーリみたいな女性がタイプです!
ま、いいか。。
えぇと、
なので早速オフにしておいた。
そして摂理取得。これは、
つまり、要約すると物事の理屈が分かれば、
魔法だろうが、武術だろうが取得できるということ。
見たらできる感じらしい。
空間魔法て、、理解できるかな。。
摂理だってわかれば取得できるとカイロスが言っていたので
多分大丈夫だろう。
次は監査官スキル
未来視。
これは近い未来はわからないらしい。
近ければ近いほど、
魔力消費がすごいらしい。
多分パラレルの分岐が
多ければ多いほど、
魔力消費が激しくなるのだろう。
ある程度決まった未来は、
概ねの道筋に吸収されて収束していくのだろう。
要するに綱引きで使う綱
に例えると、
綱の中にある一本一本を追いかけるのはすごく大変だけど、
綱そのものを追いかけるのは、
それほど大変じゃないってことだ。
監査官用のスキルだからね。
このまま行くと、
世界がどうなるのか
ってのが重要。
次は
摂理修正
文字通り修正。
ポイントを消費する。
または取得することもあるらしい。
摂理P入手、変換にも関わってくる。
階位権限も関係するらしく、
修正はできるけど、
削除はできない。
また創造もできない。
それが、Bランク。
Cは、今は麒麟も含まれる。
管理保全まで。
各属性大聖霊、聖霊獣などがそうだ。
神獣はBランクまで権限が与えられるけど、
麒麟は今回の世界神の統合により、
女神が責任者権限剥奪されたので、神獣から聖霊獣になってしまったらしい。
だから権限もBからCになってしまった。
つまり、
「ほとんど、力も奪われ、
見守るだけしかできないのです」
とカイロスが涙ながらに嘆いていた。
慰めておいたけど。。
D、Eは主に眷属達。手伝いと手伝いの手伝いみたいな。
まぁ、これが裏話的な世界の権限ランクなのだが、上位ランクでなければあまり関係がない。
適当かわからないが、
前世地球にあてはめると、
会社の方針にアルバイトが
口出せないのと同じで、
アルバイトが店を畳むかどうかなんて決められるわけないということだ。。
それと同じみたい。
規模が違いすぎるけど。
おっと、肝心の女神のこと、
忘れてた。
今回の統合で女神は暫定Aで、
修正事項に限り創造もできる。
そんなA-の状態らしい。
世界説明はこんな感じだが、
あと俺に関することでいえば、
後天的に得た技術スキルや物質を摂理Pに変換できる。
そして、摂理修正をそのポイントを使って修正する。
どう修正するかによって必要ポイントも変わるし、
修正するには、ポイントだけでなく、身体力が必要になることが多々ある。
てか、ぶっちゃけ強くならんと
何もできないとのこと。
監査は何回もできるけど、
修正点の洗いだしが主な目的になるらしい。
ある程度合格レベル?
滅亡しない未来予測になったら、
結果を上階位に報告するそうだ。
ここまでわかって
少し安堵したのは間違いない。
すぐにあれこれなんかしろー的な
感じではないと思ったからだ。
成長しなければ、
何も出来んのは、変わらないね。
そして、家の中や敷地内でこっそり、
ひっそり、していたのだが、
いざ、外にでるとなって、
少し問題が発生した。