表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/23

王宮と領地


う~ん。


スキル弄ってただけで、ほぼ時間が過ぎて王宮についてしまった。 


まだ、この世界に詳しくないが、


このボールド王国。

なかなかの腐りようではないかと、

少し思った。


何せ王宮門番に開門させるだけで

賄賂的なものを渡していた。。


これは色んなところでこういうのが

蔓延っているその一端ではないかと

思ったのだ。


まだわからないけれど。

可能性は高いと思う。


そして、謁見の間。


両脇に居並ぶ大臣とおぼしき貴族たちと、王の横にいる宰相。


そして女神教の司教がなぜかいた。


信仰心の厚そうな細身の紳士で

年は若そうだが多分五十くらいだろう。


神官服の礼装で、白を基調としていて、


なんとも厳かさが出ている。


しかしその態度、言動は、

麒麟を前にするや、跪くと

王や、宰相始め貴族達が

息を飲んで驚くくらいであった。


けっこうまともだった。




宰相は目が細く、太っていて

私腹を肥やしていそうで、

態度も尊大だ。


神使がなんぼのもんじゃいとでも

言いそうな、そんな態度が見てとれる。


王様も恰幅が良い。


政務が忙しければ、

運動不足にもなるだろうが、

それにしても、である。


威厳はあるが、

どこか訝しげである。



そんなこんなで始まった事情説明。

挨拶もそこそこに、

宰相は釼もほろろに父さんに質問する。

以前から知っていたのか、

なぜ、王家や王宮に訪問をすぐに

報告できなかったのかと。


そして、やっぱり鑑定は行われた。


鑑定したけれど、

事情説明に納得できる要素が

一つもないことに少ししまったと

思って焦ってしまったが、

そこは優秀なカイロスが、


普通の鑑定水晶のレベルでは、

満足のいく結果が得られるわけがない。


特に神に関することは、

鑑定すること自体が神に対して、

不信心であり、失礼にあたる。


と言うと、司教が納得の様子で、

王様始め貴族達にも促すと、

渋々納得せざるを得ない様子だっだ。


ここまでのやりとりで

おれは心底疲れてしまった。


まぁ、説明主旨の八割方が終わった

安堵感というのもあったのかもしれないが、


質問自体が、回りくどくて、

その上頭から嘘だと決めつけた言動と

尊大さ、無駄なプライドの高さが目立つ。


要するに王家、王族を差し置いて、

こんなガキに会いに来たことが

そもそも気に食わないのだ。


それに輪をかけて、王宮が何も知らなかったことで、宰相のメンツが潰れてしまったのだろう。


だから、さっきから、

王家を差し置いて、と何度も宰相が

虎の威を借る狐よろしく喚いているのだ。


そして王はそんな宰相に発言を許している。


最重要なこと以外はほとんどのことを

任せているのかもしれない。。

 

そして、話は今後のことへと変わる。


宰相始め、王様もどうやら王都で

そのまま暮らしてほしいらしい。


そして、王都の貴族学校でその才能を

発揮してほしいと言ってきた。


しかしカイロスが今後のため、

また、俺の見聞を広めるためには

広い土地で多くのことを学ぶほうが良いと言い、


できれば、地方の一領地を

子爵家に与えて欲しいと言い出した。


司教も大きく頷いている。


バルドニア子爵家は、

王家の傍流の血筋らしい。

その為これまで細々ではあるが、

官僚貴族として領地を持たずに

地道に王都で金銭的な給料だけで

暮らしてきていたのだ。


そのため、領地経営などしたことがないのだが。。



カイロスの話を聞き、

じっくりと長考した王様は、

大義名分として、

今回は俺のことは世間では秘匿とし、

王家に会いに来たということにし、


そして、その案内役にバルドニア家が

なった。

今回の案内役の褒美と、

これまでの長年の実直な仕事ぶりに

報いて叙爵し伯爵位を与え、

王家の直轄領を与えるのはどうだ。


ということをカイロスに聞いた。

グラス父さんと目配せをして頷きあった後、了承したのだが。


宰相は猛反対している。



場所はというと、

地図を持って来させたのを見たが、


大陸は横に広く、それ自体は雫形。

群島や離れ小島などをいれると炎のような形をしていた。


その一番南方の底辺を占有し、

ちょうど、それを底辺とした

魔法のランプのような形で、

大陸の三分の一ほどを領有していた。


ランプの注ぎ口は右方にあり、

半島のようになっている。


また左方の取手のほうはちょうど、

湖になっているようだ。


輪郭部分の大半は、隣国との境界だが、

その多くは森や峡谷、小さな湖や山地などであり、

平野もあるようだがそれほど多くはない。


云わば天然の要害に守られる形の国土となっている。


きっと長い間戦争と無縁な暮らしを

してきたのは想像に難くない。



とにかく、その得る王家直轄地だが、

取手部分の湖の右に隣接していて、

湖と同等くらいの大きさの領地であった。


王都自体は魔法のランプの中心部分から

やや下の、中心辺りに位置している。

どうやら与えられた領地は王家の避暑地として利用されていたようである。


それも宰相による猛反対からの言によるものである。


しかしながら、

カイロスと司教、王の巧みな説得により、

渋面をひきつらせながら、

納得させられ、ようやく引き下がった。


きっと、この宰相は、

これから何かあるたび難癖をつけ、

仕掛けてくる。


と、俺の勘が、

そうしきりに訴えかけてきていた。


なにせ、この領地の下部から、

湖西方までは、この宰相の領有している

土地が広がっているからである。


こうして、

叙爵が決まり、

1週間を目処に任地に赴くことになった。


帰り道の馬車に乗る頃には、

俺はすっかり力尽きて

フラン母さんに抱かれて、

意識を手放し、夢の中であった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ