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私が私であるために  作者: カウツラ
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羊2

 羊の話によると、彼は羊の群れのリーダーの息子と言うことでした。そして、彼の群れでは敵が襲ってきたときは、鈴を着けたリーダーが囮となって敵を追い払うのだそうです。


 しかし、この羊は自分がいつかリーダーとなったとき、敵と戦うのが怖くて逃げ出してしまったそうなのです。


 あまりの情けなさに私はため息をついてしまいました。


 それに対して羊は、だって怖いんだもん!と、また、泣き出してしまいました。


 じゃあ、なんでさっきは襲ってきたの?と私が質問すると、だって強くなりたかったんだもん!とさらに泣き出してしまいます。


 あまりにも泣きじゃくるので、私もついつい羊がかわいそうに思えてきました。


 そこで、私は羊に今まで私が見てきた羊について話すことにしました。


 と言うのも、本来、羊は襲ってきた敵と戦ったりはしません。ただ群れをなして逃げまどうのみです。だから私は、君と似たような羊も探せばすぐに見つかるかもしれないよ。と彼に言い聞かせました。


 すると羊は、本当!と先ほどまで泣いていたのが嘘かのように目を輝かせ、私を見つめてきます。


 彼が元気になったようで私も安心し、じゃあ、元気でね。と別れを告げ、歩きだしました。


 しかし、羊は私の少し後ろを嬉しそうについて来るではありませんか。


 私が、なんでついて来るの?と質問すると、羊は、だって一人じゃ怖いんだもん!と楽しそうに答えます。


 私はまた一つ大きなため息をつくのでした。


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