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EP.0
これは、実際の体験に基づいたフィクションです。
どこまでが現実かは、ご想像にお任せすることにします。
僕は、小さい頃から20歳の今まで幾度となく奇怪な出来事に巻き込まれてきた。というのも、自分の周囲の人は結構な確率で、何かが欠けているのだ。
何が欠けているかは、人によってまったく異なり、小さい事から重大な事まで様々だ。例を挙げるとすれば、常識、人の気持ちを察知する力、辛いという感情、少し先の事を予想する力。それらが欠けることで、彼らを追い詰めたり、人の道から外れさせたりすることが有る。
此処には、それらの奇怪な経験について綴ろうと思う。書くことで、起きてしまった事をやり直せるわけでも、失ったものを取り戻せるわけでもない。
では、書く事は全く意味のないことなのだろうか?
確かにもうやり直しはつかない。でも、自分の行動を見直しどうするべきだったかもう一度考えたり、次に繋げることも出来るのではないか。
繋がらなかったとしても、何もしないよりかは幾分かマシだ。
そして何より、僕は気付かなければならないのだ。