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4:協力します。

2年が経ちました。

ルイン様は、とても素敵な女性でした。成る程、レオナルド様の言う通りです。淑女教育も順調に進み、子爵家ですが、養女先も決まりました。そして、最終学年では有りますが、ルイン様は、子爵令嬢として、学園に途中編入されました。少しでも友人を作る方がいい、と思っての事だったのですが。


これがどうやら間違いだったようです。


「元平民のくせに、5位なんて、有り得ないわ!」


ルイン様をお見かけしたので、お声がけしようと思いましたところで、そんな声が聞こえて来ました。慌てて近くに行けば、とある侯爵令嬢です。あ、コレマズイやつでは?


「失礼致します、皆様」


ルイン様を詰っていた侯爵令嬢の他に、2人ほどいましたので、皆様です。間違っていません。


「あら、レレン伯爵令嬢ですわね?」


「お久しぶりにございます、ニニア侯爵令嬢様。こちらのスリレイ子爵令嬢様に用事がありまして」


「レレン伯爵令嬢。その元平民を知っているの?」


「友人ですわ。無論、父も存じています。ああ、そうそう。私の婚約者であるバラス侯爵令息様も認めていらっしゃいますわ」


「そ、そう。バラス侯爵令息様が。あの方が……。そうですの。ところで、レレン伯爵令嬢は、そのバラス侯爵令息様とは、少々釣り合いが取れないみたいね。いえ、身分差の事ではなくて、その、ねぇ。あなたの古ぼけたドレスは、バラス侯爵令息様は恥ずかしいと思われるのでは? まだそちらの元平民令嬢の方が新しいドレスを着ていてよ?」


「左様でございますか。私、流行に疎いもので。ニニア侯爵令嬢様のように、国を牽引するご令嬢とは違いまして。お目汚し失礼致します」


「そうね。気が削がれたわ。せいぜい、そこの元平民令嬢に流行を教わりなさいな」


それっきり、ニニア侯爵令嬢と後のお2人は居なくなりました。


「ルイン様大丈夫ですか?」


「……はい。メルラ様にはご迷惑をおかけして」


「迷惑じゃないですよ。私達友達でしょう?」


私が言えば、ルイン様ははにかむ笑顔を見せてくれた。それにしても……。もしや、編入してからずっとこの調子だったのでしょうか。


「ルイン様、休み時間とかお昼とか、ご一緒しませんか?」


「ありがとう。そう言って下さる方がいなくて」


……マジか。それはもっと早くに気づくべきでした。明日のレオナルド様との報告会に、報告しておく必要がありますね。もう、レオナルド様は卒業されていますから、私が味方にならねば!


それにしても、ルイン様は本当に可愛らしい方。ピンクブロンドの髪にエメラルドよりやや薄い色をした目。更にお顔立ちも可愛いわ。これは、レオナルド様が惚れるのも分かる!


「ルイン様は本当にお可愛いらしいです」


「そんな! メルラ様こそ可愛いですわ! その晴れた日の空のような綺麗な水色の目に、フワフワとした白い髪。お顔立ちも整っていて可愛いですわよ」


「ありがとうございます。ですが、私は目が吊り上がり気味なので、怖いと言われてしまうのです」


「そんな事有りません!」


ムキになって下さるルイン様が可愛くて、私は和みました。とはいえ、編入されてからこの1ヶ月。ルイン様の状況を知らなかった事は、レオナルド様に謝るべきですね。


私は、翌日、レオナルド様に心から謝りました。それに対してレオナルド様は「レーメ殿が謝る事じゃないよ。寧ろ、ルーのためにありがとう」と。うむ。心の広い殿方は、ポイントが高いです。新作、良い話が出来そう。さて、そんな心の広いレオナルド様には、ご褒美が必要ですね。


執事のボブレーにお願いして、レオナルド様をルイン様のところへお送りしてもらいます。ええ、スリレイ子爵の所から、我が家に来てもらうようにルイン様を招んでおりますわ。庭園でお待ち頂いています。さすがに覗き見なんてはしたない真似はしませんし、なかなか会えない恋人同士の仲を邪魔する気は無いので、私はここでのんびりとお茶をします。


そんな形であっという間に半年が過ぎていきました。

メルラの最初の読者は、王妃主催のお茶会でも、ブレる事なく、挨拶を終わらせて端っこで、自分の妄想を書いていたところ、王妃様に見つかって読まれた挙げ句、出版を進められたので、王妃様なのです。という裏話。

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