3:作戦を立てます。・2
作戦タイムです。
「……はっ? 小説?」
「はい。実は、私、小説を書いておりまして」
それに合わせて執事のボブレーが、サッとレオナルド様の前に何冊か本を置いた。
「これはっ。今、流行している『永遠の想い』や『迎えに来た人』じゃないか! こっちは……」
レオナルド様は、興奮しているが、永遠の想いは恋愛小説だし、迎えに来た人はホラー小説ですが? そっちは冒険物だし、そっちはミステリー。良く読んでらっしゃいますね?
「この作家と知り合いなのか⁉︎」
レオナルド様がキラキラした目を向けてくる。いやぁ、そこまでの目を向けられると作家冥利に尽きるなぁ。
「目の前にいるじゃないですか」
「はっ?」
「ですから、その作家が私です」
「……は?」
あらま。レオナルド様の目が点になってしまわれました。
「えっ? レーメ・ルーレラ?」
「はい。本名のメルラ・レレンをいじりまして付けた名前ですわね」
レオナルド様が恐る恐る私を見て尋ねて来るので、私があっさり肯定すれば、レオナルド様はとてもとても驚いて……意識を失いました。
えっ? ちょっと。意識を失うってどういうコト⁉︎ 仕方ないので、ボブレーと共にそこのソファーで寝かせてあげましたけど。人って驚きのあまり意識を失う事があるんですのね。これは次回作に活かせられるかしら?
レオナルドとルインの2人の恋愛エピソードをたっぷり聞いて、またもや素敵小説が出来る、とヒロインは思ってます。