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2:説明します。・1

さて。説明回です。

「レオナルド様、私、遠回しな発言は苦手なので、率直に言わせて頂きますね」


「……いいだろう」


「では。……恐れながら、レオナルド様は周りを見られない方ですね。良く言えば一直線。悪く言えば愚かです」


「私が愚かだと!」


「そう、いきり立つのはお止め下さい。私は率直に言うと宣言し、貴方は認めましたよね?」


顔を赤くして、声を荒げるレオナルド様に、両手を上げて制する。レオナルド様は、グゥッと呻いた。それを見てから、私は続ける。


「あなた様は、見合いで、私を何度目にご紹介を受けています?」


「見合いの相手か? 7人だ」


「左様でございます。私は7人目の見合い相手。そもそも高位貴族であるレオナルド様に、そのご年齢までご婚約者様がいらっしゃらない事自体、おかしい。これはお分かりですか?」


レオナルド様は私の指摘に、気まずそうなカオをする。うん、それは自覚していたんだね、ヨシヨシ。


「我が国は、小国です。大国でしたら、レオナルド様のような高位貴族でもご婚約者がいらっしゃらずとも問題は無いのですが。小国である故に、他国から領地拡大をつけ狙われます。ここもお分かりですか?」


私の説明に、レオナルド様はポカンとしたカオを見せてくる。……えっ? こんな事も知らないとか言わないでよ?


「それは分かっているが、普通、令嬢はそんな事は言わないと思うのだが……」


レオナルド様が戸惑ったカオを浮かべた。随分と素直な令息だなぁ、この人。


「まぁ私が変わり者なのは、理解しています。それはともかく。ここまでご理解頂けていらっしゃるなら、続けますね?」


私が先を話そうとすれば、レオナルド様も頷いた。


「そうなると、国内の貴族達を出来る限り一枚岩にしなくてはいけません。……無論、内心では一枚岩にならないかもしれない。けれど、今は国外からの手出しを受けるのはまずい。ここもお分かりですか?」


「ああ」


「となれば、高位貴族から手を結んでいく必要があります。手っ取り早いのが、政略結婚です。既に王家と公爵家の一つが手を結び、他の公爵家や侯爵家も速やかに婚約が成り立っております。ですが、レオナルド様のバラス侯爵家だけが、まだどこの貴族とも手を結んでいない。そうなると?」


「……我が侯爵家が狙われやすくなる」


「左様でございます。元々、レオナルド様は、結婚相手としての価値が高い、と社交界では評判です。13歳から貴族の令息令嬢が通う学園で、常に学年5位をキープし、去年からは学生会の副会長を務めておられる。剣の大会でも十本の指に入る程の腕前で性格もやや素っ気ないが、悪くなく、素行にも問題無し。……それなのに、18歳になった今年まで婚約者が居ない。これは何故か。皆がそう考えてもおかしくないでしょう?」


レオナルド様に言えば、少し顔を赤らめている。……えっ。こんな世間一般で言われている評価を改めて言われて照れるんですか? ホント素直だな。なんだか詐欺にでも遭いそうで怖い。


「そ、そうか」


「世間一般の評価はこれですわ。そして、既に6人の女性との見合いを断っている。最初は女性に問題が有ったのでは? と、凄まじい噂になっておりました」


「なっ……。い、いや、違う! 彼女達に問題など!」


「ですから、最初は、と申し上げました。あなた様が初顔合わせで直ぐに断る事が、既に6回に及べば、女性に問題が有るのではなく、レオナルド様ご自身の問題だと皆さまお分かりになられました」


レオナルド様は、優しい人なのか、女性達が問題無しだと分かってホッとされています。ですが、まだございますよ?

説明が長くなったので、続きます。

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