3-4 準備/浮き板
手持ちで足りない準備だと、あとは水場への備えだろう。
船とまではいかなくとも、何らかの水上移動手段が欲しい。
さすがに川下りはしたくない。
そこまでの性能は求めていない。
しかし、何らかの理由により川に落ちてしまう危険性は考えられるので、そうなった時の対策が必要だ。
最初に救命胴着を思い付いたけど、あれはビニール的な何かでできた服に空気を入れておくとか、そんな感じの品だったと思う。
さすがに細かい部分は知らないので、救命胴着は諦めた。ついでに浮き輪も諦めている。
たぶん、普通に船を用意した方が早い、と思う。
問題は溺れてから船の様な物を用意してなんとかなるのか、と言う事だけど、最初から溺れた後の物と想定すると、いくつかアイディアは出てくる。
水に浮き、ある程度頑丈な板。ボディボード的な物を作ろうと思う。
板状に加工した木材を軽く、頑丈になるよう『強化』する。
それを6日ほどかけて☆☆☆になるまで続けた。
『浮き板』:アイテム:☆☆☆:小:1日
水に浮き、溺れた者を助けるための木の板。取っ手が付いているので掴まりやすい。人間であれば体重合計200kgまで対応。
これがあれば多少はマシになるだろう。
ついでにもう一つ。
船ではないが……。
『大樽(和)』:アイテム:☆☆:小:10日
液体を保管するための大樽。西洋の物と違い、円柱の形をしている。
海水を確保するための大樽も用意してみた。
塩は塩で買っておくけど、海水もそのまま確保しておきたいんだよね。将来、何かに使えるかもしれないから。
ちなみに、洋風の樽だと真ん中がアーチ状に膨らんで、でっぷりとした印象だ。構造的に頑丈にした結果、この形になった。
和風の樽はすらりとした円柱状で、こちらは並べた時に収まりが良い。洋風の樽と比較し簡単に壊れやすそうに見えるけど、実はこっちの方が頑丈らしい。
これを売ってくれた神戸町でそんな話を聞かされたよ。
これ、気密性が高いので、いざって時はこれを浮きにすることもできるんだよね。
ただ、樽だし掴まるところがないのと、掴まった後もクルクル回りそうで怖いから、そういう使い方はしないと思うけど。
とりあえず、必要そうな物はこれでだいたい揃った。
後は現地で作るなり何なりすれば良いだろう。
荷物を細かく選別する必要がないとは言え、用意ばかりで夏が過ぎてしまえば、海まで行こうって言う気持ちも薄れそうだし。
万全である必要はない。そこそこでいい。
それでも、普通に旅をするよりはずっと快適なんだからさ。




