27-2 完殺?
と言うわけで、あの時の次善策とか今後も必要になりそうなものをみんなで考える。
「電撃を纏わせるような、そんな剣や盾などを作れませんか? 触れただけでダメージを与えるような装備があれば、あの女の体術にも対応できます」
「最初の一人ぐらいならまだしも、残りには対応されて同士討ちや自爆を誘発されそうな気がする。
まぁ、作れるから作るけどさ」
「足止めように、何か、いいアイテムを作りたいです。とにかく接近されないように、物理的でも魔法的でもいいので、足止めになる道具があると戦いやすくなります。
相手の接近を許さず、遠距離で殺しきりましょう。
護衛も、遠距離攻撃をメインにした者らを1チーム付けましょう。近接戦闘に偏りすぎですよ」
結局、巫女は殺しきれていないし、どうやって殺すのかを考えても無駄だった、そのように結論を出さざるを得なかっただけであるが。
やっぱり、根っこを叩くほか無いのだ。
また門を開けて、今度はカチコミをするしかないのである。
妨害に来るだろう巫女への対応は簡単だ。
大蛇の巫女は魔法の類いを使わなかったし、肉体の強度はごく普通なので、なんとか足止めして、魔法で殺せばいい。直接触れ合わなければなんとかなるはず。
もしも魔法を使えた場合は、その時にまたどうにかするだけである。情報が少ないので、考えてもまともな答えがでないからね。考えすぎもよくない。
そう、思っていたんだけどなぁ。
「旦那様。一つだけ確認なのですけれど」
「何?」
「大蛇の巫女は、ヤマタノオロチに類するもので、7体まで現れるのですよね」
「そうだね。カードにはそう書いてあるよ」
「カード化したのが6体、捕食封印で1体の計7体の巫女が“どうにかされた”訳ですが……この場合、復活するんですか?」
「……さあ? 考えてもいなかった、かな」
言われてみると、その通りで、タイムラグなしで7体の巫女を殺さなきゃいけなかったのか、ある程度は殺しきるまでに時間をかけて良かったのか、それは、俺にはわからない話だ。
もしかすると巫女を殺しきっているのでは?
夏鈴はそのように考えていた。
「結論は出ないし、巫女の事は黄泉比良坂に行ってみてから考えればいいんじゃないか。
今は、大蛇の巫女が生きているって前提で話をしよう」
この件は、保留。
楽観論より、悲観的なぐらいでちょうどいい。
ただ、言われて納得している自分がいる。
勘だけで言うなら、巫女は、もう殺しているような気がするんだよね。
もっとも、あの巫女が殺してあったところで、第二、第三の巫女がいないとも限らないけど。
過去に学び、対策への道筋を作っておくのは大事なんだよね。