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26-23 切り札③

 反撃を考える前に、一つだけ確認する事がある。

 それは、敵が「アンテナ設置型」か「憑依乗っ取り型」のどちらかという部分だ。


 仲間の死体を使って、巫女は復活した。

 ご丁寧に姿まで戻る、恐ろしい復活手段を有している。


 さすがにノーコストの復活という事は無いだろうが、何回殺せば殺し切れるか分からないし、コストの回復も有り得るから殺し切れる保証はない。

 つまり、殺してどうにかするというのは現実的な手法とは言い難い。

 復活する手段を潰す事が重要になる。


 で、その復活手段がアンテナか、憑依のどちらなんだろうという話。

 アンテナを設置してどこか遠くから遠隔操作しているのか、それとも死体の中に潜り込んで悪さをしているのか。

 体を元の姿に構築し直している所を見ると、後者だと思うけど、確証はない。


 復活の対策をとるには、そこからハッキリさせないと駄目だ。



 何度か殺してみれば、そのうちに原理が見えてくるかもしれない。

 だから、手を変え品を変え、何度か殺してみせようか。


 一応、ただ殺すだけならあと10回はいけるんだよね。

 ……その間にどうにもできなければ、死ぬんだろうなぁ。





 まずは仕込みだ。

 俺は万能アイテム扱いしている『吸魔晶石』を周囲にバラまく。

 影響範囲内で魔法を使うのを阻害する、便利アイテムだ。


 復活の方法は分からないけど、物理的な手段じゃないのは当たり前。生物的な何かでもないし、魔法的な手段であることは疑っていない。

 こちらの魔法も阻害されるのだが、物理の近接戦闘に偏った今なら、問題はない。


 魔力を吸う吸魔晶石をばらまかれても巫女は余裕の表情を崩さないが、内心は計れない。もしかしたら焦っている、そう願いたいものだが、希望と妄想は混同できないよな。



 石に魔力を吸われても動きに変化がないので、アンテナ型の可能性を低くして、憑依型である可能性が高まったとしておこう。

 個人的には、そちらの方が楽でいい。


「≪召喚≫『ゴブニュート・シーラー』」


 俺は錬とは別のゴブニュート・シーラー、つまり『捕食封印魔法』の使い手を召喚する。巫女にすぐ殺されないよう、配置に気を使いながら。


 上手くいくなら、これで詰みだが、上手くいくかは、完全に賭けだ。

 相手が幽暗の大蛇の巫女なら、この魔法を知らないはずがなく、対策されている可能性が高い。

 さぁ、どうなるかな?


 俺は巫女に嫐られながらも、痛みをこらえて笑みを見せた。

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