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26-13 お約束の

 黄泉比良坂攻略のため、戦術の見直しと装備開発で3ヶ月。

 一般的には非常に短い時間での立て直しを計画している。


 だが、その計画は2ヶ月へと、強制的に短縮させられた。





「異世界が広がっている?」

「はい。徐々にですが、坂を中心に霧の出る範囲が広がっています。

 それと、その……敵の数も、増えているようです。霧の中心部は見通せないので、あくまで推測も混じっていますが、敵戦力は観測開始から2割から3割は増えていそうです。もしかすると、もっと強い敵も混じっているかもしれません」


 その報告が上がってきたのは、一度目の報告を受け取ってから40日目の事だった。

 戦団が壊滅してから、今度は戦闘無しを前提に再度調査の為に人を送りこんだのだが、そこで嫌な事実が確認された。


 黄泉比良坂を中心とした霧の出る範囲、異世界化した場所が広がっていたのだ。

 戦団が壊滅してしまったので、岩を動かし「門」を閉ざしていない為、異世界とのつながりが強まっているようだ。

 どうにかして門を閉める必要があるのではないかと、報告はそう締めくくられる。



「夏鈴」

「今すぐに、は無理です。もう少しだけ時間をください。

 それにしても、やはり旦那様が出る羽目になりましたね」

「言うな。天丼、ワンパターンとはいえ、こっちだって頭が痛いんだ」


 この話が出たとき、夏鈴や春華からは「やっぱり」という顔をされた。

 彼女らはこの展開を予想しており、その可能性を指摘していたからだ。


 俺としては、現地入りは最後の手段なので、できればやりたくなかったが、トロトロしていると相手の勢力が無尽蔵に増えかねないので、最大戦力である俺が行くしかないという結論になる。


 清音と美星、あの二人に任せるという選択肢は、今はない。

 あの二人にこういった仕事を任せられるかどうかは未知数で、今回の件を使って判断する段階だからだ。

 下手に戦力を預けて失敗しました、そんな阿呆な展開は御免なのだ。確実にやるなら、自分が動いた方がまだいい。



「勝算はどれぐらいある?」

「飛行船への攻撃手段が無いと仮定すれば、七割がた、負けません。爆撃で敵戦力を削れますので。

 ですが、飛行船への攻撃を許せば、二割あればいい方ですね。陸上戦力は、ロケット砲込みで考えても、相当厳しいと予測されます」


 現状は、飛行船次第という、困った結果となった。


 高度は普通、300mもあれば良いと思っていたけど、安全マージンを確保するため、もっと上からの攻撃を考えた方がよさそうだ。

 火器が弱い今ならそこまで高くなくてもいいと考えていたけど、余裕を見せて攻撃をくらい、落とされましたは間抜けすぎる。


 爆撃も練習しておかないと駄目だなぁ。

 レーダーや無線はまだ無いのに。

 高く飛んでいると、狙いがつけにくくなるのに。面倒だよ。

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