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カードクリエイターのツリーグラフ  作者: 猫の人
父と娘と、希望と絶望
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25-9 再戦④

 まず、上谷の情報をまとめてみる。


 正確な名前は不明。

 あちらもそういった事には気を遣っていたのか、いくつもの名前を使うという事でこちらを混乱させていた。

 すでに再建されていた北海道の評議会は、彼女の事を“疫病神”と呼び、それが定着しているので、そう呼んでいるようだ。


 外見年齢は10代半ばから後半。ずいぶん若かったので驚かされた。

 伊勢の外道どもの話じゃ、娘というのは30歳ぐらいと思っていたわけだが、子供が生まれるまでに10年ぐらい間があってもおかしくは無いか。

 まさかと言いたいけど、年齢一桁の頃に手を出され、子供ができるような体になったのが10年後とか、そんな可能性が無いとも言い切れない。

 ……あいつらは、やっぱり殺されるべくして殺された、という事だな。


 外見は身長140㎝ぐらいと小柄だが、出る所は出ているし、ちゃんと食べている人間に見えたらしい。

 あと、上の人間の命令に従うだけとは言え、作戦行動をとれていたので、頭も良さそうだった。


 ただ、身なりが整えられているという事はなく、髪は肩まで伸ばしていたけどそこまで手入れされていない。

 肌艶もそこまで良くはないというのが年齢を分かりにくくさせている。

 全体的な評価は、服を着ている野生の獣のようだった。



 で、上谷の戦果。


 独自の部下を持っていて、その連中とずいぶん暴れまわっていたようだ。

 治安維持を理由に各地でモンスターと戦ってたらしく、彼女の部隊ひとつで冬の守りは例年以上だったらしい。

 流石に万全や完璧と言うには数が足りないし被害を出しているが、それでも“モンスターからの守り”としては北海道の軍よりも早く強く、民衆を守っていた。


 その為、その後の連行は本当に彼女がやった事なのか、という意見もちらほら出ている。

 信じたくない、というのもあるだろうが、それだけ感謝しているんだろうね。義理堅く、今度は自分たちが守るつもりでいるんだろう。

 噂話の怖さはネットを使った時代に生きていれば誰でも知っている。一度固定化された噂話は、真偽に関わらず事実とされ、それを否定すると袋叩きに遭うから。

 そうならないよう、噂は噂、鵜呑みにしない、させないと頑張っているのだろう。



 ただ、ね。

 捕まえた革命家たちからの情報で、上谷が捕獲した人間をどうこうしていたというのは間違い無いと思っている。


 上谷は捕まえた人間と少し話をして、殺して消すか、生きたまま消すか、していたという。

 要は、カード化していたのだろう。

 敵対していたわけでもない人をそんなふうに扱うとは、かなり酷い話である。


 実際、連れ込まれた先には遺体が一つも転がっていなかったのだから、彼らの発言をまるっきり嘘だと断じる事はできない。





「もっとも、彼女自身がダミーという可能性も有りますけど」

「裏に誰かがいて、身代わりに使っているパターンだな」


 頭の片隅に置いておくのは、上谷が偽者や影武者であったパターン。

 カードクリエイター、召喚系の能力者はとにかく召喚者本人への攻撃が一番の弱点なので、その対策をしているかもしれない。

 そこさえ押さえておけば、大きな問題は無いかな?

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