24-17 もう一人のカードクリエイター①
このあたりにある集落は、合計5つ。
1つ目を潰すのに3時間もかかったので、同じ手順で行けば残り12時間も戦う事になる。移動を含めれば1日中動き続ける事になりそうだ。
それでは体が持たないので、2つ目を潰した段階で、半日ほど休憩をとることにした。
この休憩中に敵が逃げ出してしまったとしても、それは気にしない。
集落そのものを消滅させているので、戻って来ようが飢えと冬の寒さで死ぬだけだ。
ここから何かを奪い去る気は無かったけど、残しておく理由もない。
井戸も住居も畑も、徹底的に破壊しつくしているよ。
ちなみに、手持ちの戦力は外見上の問題で手元に残していたワクチン・オーク達の軍が主力である。
よって、俺が襲撃したという情報は流れない。
あくまで野良オークが集落を襲撃したという体をとる。
多少生き残りがいたとしても、俺に被害は出ないだろう。
さて。
2つ目の集落では、情報収集用に壮年や老齢の男を数名、確保しておいた。
こいつらから集落の成り立ちを聞き出し、前の集落で見つかったカードの情報を知らなければいけない。
俺は縛り上げられた5人の男どもを、少し離れた場所から見下ろした。
どいつもこいつも悪そうな顔をしている。目つきが鋭く、気は強そうだ。
今は猿轡をしているが、それをとれば何をしでかすか分からない危うさを秘めている。
当たり前のように、尋問をするのは俺以外の仲間であった。
俺がああいった連中の前に姿を見せるのは危険だからと、副官その他護衛連中が揃って反対したからである。
声さえ聞こえれば問題無いし、そもそも俺は拷問のプロではないので、「俺が直接聞きだしてやる!」などと我が儘を言う気は無い。
まずは一人目。一番若い男から。
別室に連れて行かれ、椅子に縛り付けられてから猿轡を解かれた。
「フッ!!」
すると男は、口の中に含んでいた何かを尋問担当の者に吹き付けた。
毒か何かかな。危ないね。
こういった展開は予測済みである。
近くに控えていた者が、手にした木の板でそれを防ぐ。
ついでに、男の後ろにいた者が顎を押さえ口を閉じられないようにしてから、他に何か仕込んでいないかと調査する。
調べてみたが、何も出てこず、先ほどのもただ先制攻撃と唾を吐いただけだったようだ。
ペナルティで暴行を加える。
痛みで多少心が折れるといいんだけどね。
さて、ここからが本番だ。